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また一つ便所が消えた鉤十字


担当:智史

また一つ便所が消えた鉤十字
藤井智史

2017年

日本や世界の平和を脅かす、独裁者に告ぐ。

あなたにとって、ホッとできる場所は、一つずつ減っているのだぞ。

そう、ICBMを作り、発射しているあなたのことだ。

今すぐ止めなさい。そうしないと、あなたは…。

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風船しぼむ望み叶った形して

担当:文切 風船しぼむ望み叶った形して
西出楓楽

よくがんばったね。

抱えきれないほどにいろいろなモノを抱えていたもの。
これ以上無理というほどに膨らんでいたのに、それでもまだ抱えようとしていた。

でも、もうがんばらなくていいんだよ。

パンパンに膨らんだらみんなおんなじカタチになってしまうけど、今はあなたの形がはっきりと見える。
あなたは「責任を放り出した」というけど、そうな風に思わなくていい。

今のあなたこそが、あなたが望んだ、みんなが望んだ、あなたの形なのだから。

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耳で聴く花火あなたの腕の中


担当:奏子

耳で聴く花火あなたの腕の中
栃尾奏子

花火大会に、皆で行こうよ!
誰が言い出したか教室が騒ぐ。
18時にいつもの場所集合!
慣れない浴衣に下駄、人混み。
携帯も無い、メールも無い。団体は少しずつ散り散りになって行った。
新学期以来気になっているAくんと何時の間にやら2人になっていた。
神様のサプライズなのか、意地悪なのか、話が続かない。
ドン、ドン、ドン。花火が始まった。
助かった。これでしばらく話さなくても良さそうだ。
大玉が打ち上がり佳境。観客は益々増えて、もうすし詰めだ。
あ!脱げかけた下駄を気にした瞬間向かい合わせになってしまった。
顔を上げるとAくんの顔があると思うと顔が上げれない…。
ドン、ドドン。花火は続く。
早く終わって!
やっぱりまだ終わらないで!
あの夏の花火、私はラストのナイアガラの色を知らない。

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A4の角でにやりとする悪魔


担当:智史

A4の角でにやりとする悪魔
藤井智史

「今日は、沢山勉強するか。」

テキストを開く。

P.1 「ウンウン」
P.2 「ほうほう」
P.3 「?」
P.4 「zzz…」

「ケッケッケッ、私の魔術に簡単にかかりおったわい」

A4のテキストの角でにやりとした悪魔は、睡魔という、強烈な魔術をかけてきたのであった。

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塩水の理由を知ってからりんご

担当:文切 塩水の理由を知ってからりんご
森山文切

りんごは皮をむいてそのままにしておくと変色してしまう。
りんごに含まれるポリフェノールが空気に触れると酸化酵素が働き、酸化してしまうためである。
塩水に浸けるとポロフェノールの表面にナトリウムイオンが付着するため、酸化を抑えることができる。

りんごは、このことを知っているだろうか?

何も知らずにしょっぱい塩水に浸けられているとしたら、りんごにとってはただの拷問である。
しかし、「酸化を防ぐため」という理由をりんごが知っていれば、塩水も受け入れられるかもしれない。

辛いことばかりの世の中だけど、その辛さが自分にもたらすことを知って初めて、本物の「りんご」になれるのではないだろうか。

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