Posts By 森山文切

書き換えて塗り替えてなお歴史あり

投稿者
柊無扇

書き換えて塗り替えてなお歴史あり 柊無扇

 自分の愚作を取り上げるのも何だが・・。
韓国との話で、よく出てくる言葉だが、「歴史認識」を巡って、「日本が間違ってるぞ!」と強調される。双方の歴史を並べて比較されているのかと思いきや、どうも一方的な糾弾のようだ。
歴史の完全な記録は「正史」にはならない。みんな時の為政者が取捨選択して都合の良いように「書き換えて」しまうものなんだ。
時代を遡ってみれば分かることだけれど、日本もキチンと反論をしない。それで川マガ本誌の課題「うやむや」で佳作に拾われた次第。も一歩だなあ。

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1ページずつずれていく母子手帳

投稿者
涅槃girl

1ページずつずれていく母子手帳 芍薬

 
 みんなみんな「自分はちょっとずれている」と思って生きている(断言)
 息苦しいとか、生きにくいとか、そんなに重い話じゃない。「ちょっと」だから。
 でも、小骨が喉につっかえてるように、ふと思い出すと気になる。天気のいい日、好きな音楽を聴きながら散歩でもしていて、心地よい風に吹かれながら、でも「あれ、自分は、ちょっとずれてる?」と気になってしまう。
 でもそれは仕方のないことなのだ。だって母子手帳がずれてるんだから。
 生まれた子の健康状態や発育状況などを記していく母子手帳。1ページずつずれている。それでも母はかまわない。我が子がかわいいから。ただ一心に、健康に育ってほしいから。
 最初からずれているんだから、気にすることはない。みんなずれているんだから、かまうことはない。
 ずれていたって、母の愛とわたくしの人生は間違っていないのだ。

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触れ合ったところが月になっていく

投稿者


触れ合ったところが月になっていく 畑美樹

 
歌人の故・笹井宏之さんのブログで紹介されていた「現代川柳」のひとつです。

触れ合っているのは恋人同士か、夫婦か、親子か友達か、外国人か。「月」という言葉からはETも連想しますが、まさかそんな即物的なものとは限りますまい。どこに誰とどう触れ合うのか、また、読み手が連想する「月」のイメージによって、解釈はいろいろ変わります。つれづれなるままに、そのバリエーションをいろいろ考えるのもまた、いとをかし、かもしれません。

「月」を「にくづき」ととらえるのも面白そうです。

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薔薇ノ木ニ薔薇ノ花サク ナニゴトノ不思議ナケレド

投稿者
木本朱夏


薔薇ノ木ニ薔薇ノ花サク ナニゴトノ不思議ナケレド 北原白秋

 
浅田次郎のせいで今年わが家の庭に薔薇が咲かなかった。バラ用の土も肥料も用意してあとはバラの苗を買ってくるだけだった。なのに出来なかった。浅田次郎のせいだ。 ? ? ?
浅田次郎著『蒼穹の昴』『中原の虹』『珍妃の井戸』『マンチュリアン・リポート』全10冊を一気に読んだ。バラを植えなくちゃ・・・植えなくちゃ・・・植えなくちゃ・・・。気にしながら本の誘惑に負けてしまった。 読み終えたときバラを植えるには遅すぎる・・・ような気がした。 浅田次郎のおかげで中国の近代史が少し解った・・・ような気がする。
よそ様のバラを見ながらいつも憧れていたバラの咲く庭。幸せの象徴、バラの園。
「秋バラなら間に合うよ・・・」陰の声がしたような・・・。
令和元年、見送ってしまった美しい五月、バラの季節・・・。

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どんなもんだとアインシュタイン舌を出す

投稿者
油谷克己


どんなもんだとアインシュタイン舌を出す 澤井敏治

 
ブラックホールは、物理学者アインシュタインの一般相対性理論を基に約百年前に予言されていたが、周囲の現象などから間接的に観測することしか出来なかったそうだ。日本の国立天文台を含む約80研究機関の200人を超すチームが2012年に結成され、電波観測の結果、4月10日、M87銀河のブラックホールの撮影に成功したと発表された。オレンジ色に輝くリング状のガスの中に、黒い穴が浮かび上がった写真が朝刊の一面を飾った。リングの直径は1,000km。気の遠くなる話である。

アインシュタインといえば、あの舌を出した写真が有名である。天才と狂人は紙一重とかいわれるが、アインシュタインのあの写真を見る限り、偉大な物理学者というより、いたずら好きなおじいちゃんを想像してしまう。それがどんな頭脳をされているのか、100年も前に、ブラックホールの存在を看破していたとは、正に世界が誇る偉大な人物の上位に位置する人物であったと得心が行く今回の快挙である。いたずらっぽい顔で、どんなもんだと長い舌を出しているのだろうなと思うと、ほほえましさが湧いてくる。
愛すべき人物像が、この句から感じとれる。

(川柳わかくさ5月号より転載)

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