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もがき続ける後悔しないように

担当:文切 もがき続ける後悔しないように
森山文切

「もがいているところが好き」

若い頃、当時お付き合いしていた女性に言われた言葉である。
私は当時から思いついたら行動する性格で、とにかくいろいろやった。
時には我ながら空回りしていると思うようなこともあった。
そういった空回りも含めての「もがいているところが好き」らしい。
「もがく」にポジティブなイメージはなかったので、面白い感覚だなと思ったのを覚えている。

行動せずに待つのは苦手だ。
行動して失敗するより、行動せず「ああすればよかった」と思うのは苦痛である。
「戦わずして後悔するより、戦って後悔する」は私の好きな小説に出てくる言葉だ。

たとえ周りからもがいているように思われても、行動し続けたい。
そのもがきを受け止めてくれる人は、必ずいると思うから。

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いま風が変わるジョーカー引いたから


担当:奏子

いま風が変わるジョーカー引いたから
松宮きらり

長い人生をトランプゲームに例えると、手元にジョーカーがやって来ることは、一体どれくらいあるのだろう。
ジョーカーには二つの顔がある。
女神の顔と悪魔の顔だ。
どちらの顔で来た時も、取扱注意。
ご機嫌を損ねると、オールマイティとして透明になってしまう。

…現状は変わらず。
進展なしで頓挫か…。
先に動くか、相手の出方を待つか。
無言の駆け引きは続く…。
一陣の風が吹いた。
ジョーカーだ!
幸運として自分に使うか、相手に毒として盛るか。
どちらにせよ、ボヤボヤしてはいられない。
急げ!色を無くして消える前に!
決断の時は来たのだ!

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友だちが百人できるツイッター


担当:智史

友だちが百人できるツイッター
藤井智史

この10月より、ツイッターを始めている。

私がフォローしている人や私のフォロワーは、共に300人を超えている。

専門学校の同級生や川柳作家はもちろん、歌人、俳人、
詩人、芸能人、店の宣伝など、色々なつぶやきや情報が
入ってきて、大変便利である。

ツイッターでも川柳を作句しているのだが、これも
また楽しい。

他の人の川柳、短歌、俳句、詩、作詞なども見ることが
でき、大変勉強になる。新しい発見である。

ただ、使い方を間違えると怖いことも知っている。

地元の同級生とも、最近滅多に会うこともなく、
柳友とお会いすることの方が多い。

ツイッターをしている人も、年齢、性別を超えた
友だちだと思っている。これからも続けていきたい。

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スーツケース僕が持つうちが持つ

担当:文切 スーツケース僕が持つうちが持つ
西尾栞

旅行中(子供が小さいので最近は帰省だけだが)よく妻と喧嘩になる。
荷物は重いし、子供は泣くし、周りに気を遣いながらの長距離移動である。
二人ともずっと機嫌よくいられるはずがない。

喧嘩の内容は本当に小さなこと。
買ってきたサンドイッチが気に入らないとか、お菓子を食べちゃったとか・・・
那覇空港で、修学旅行の高校生にクスクス笑われたこともあった。

いつかこの句みたいな夫婦になれるといいなぁ

と思うと同時に、今のままでもいいか、という気もしている。

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春はお祭り人も獣も巻き込んで


担当:奏子

春はお祭り人も獣も巻き込んで
栃尾奏子

ドアを開ける。

息を吸う。
何だろう、いつもと少し違う。
自転車に乗り、ペダルをこぐ。
頬が、耳がくすぐったい。

そうか。春だ。

胸が高鳴る。なんとも言えない高揚感が全身を駆け巡る。

そうだ。春だ。

恋人とのキスでさえ、重ねるごとにドキドキが薄れてゆくのに。
春は何度迎えても、変わらず僕をドキドキさせる。

待ち合わせの公園では鳥が、猫が、虫達が、それぞれに春を出迎えていた。

ベルの音。振り向くと自転車に乗って手を振る君。
薔薇色の頬。
君もまた、春を出迎えたのだな。

物言わぬ春が、命あるもの全てを巻き込んで行進していく。
春を先頭に愛と命のパレードが始まる。

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