Posts By なし

大好きな人と芒が原にいる


担当:智史

大好きな人と芒が原にいる
小島蘭幸

私の地元、岡山県笠岡市のかさおか川柳公園には、現在百基を超える句碑が建立されています。
その公園の入り口にある句碑の一句です。
「かけがえのない、愛おしい人と、どんな困難な状況も乗り越えていく」といった、愛の力が入った一句だと思いました。
結婚式で神父さんが、誓いの言葉を言いますが、それに、「はい、誓います」と誓っているようにも感じる一句です。
私は独身ですが、いつの日かこの句のように、愛おしい人と、どんな困難な状況も乗り越えていきたいです。
 
井笠川柳会では、毎年5月に川柳大会を、誌上川柳大会を 2回、開催しています。
最優秀句は、笠岡市を一望できる、非常に眺めの良い、かさおか川柳公園の句碑になります。
皆様、参加を宜しくお願いします。笠岡へお越しの際は、是非、かさおか川柳公園へ遊びに来てください。
 
笠岡へおいでんせえー。

若手同人ミニエッセイトップ

天はハンカチ思い切り泣いてみる

担当:文切 天はハンカチ思い切り泣いてみる
森山盛桜
空を見上げると一面真っ白。
まるで、おおきなおおきなハンカチのようだ。
 
しばらく見上げていると、ところどころ黒いしみがハンカチにできてきた。
しみはどんどん広がって、やがてハンカチから水が滴り落ちてきた。
あんなにおおきなハンカチでも拭いきれないほど泣いている人が、あのハンカチの上にいる。
 
そうか、ぼくも、泣いていいんだ。

若手同人ミニエッセイトップ

幾千の恋と別れを知るベンチ

幾千の恋と別れを知るベンチ
栃尾奏子
ゲーテの詩集を1人読むのも良し。
高すぎる社内食堂を恨みつつ1人バンを頬張るのも良し。
2人肩を寄せ合い愛を語るのも良し。
家族でお弁当を広げるも良し。
最近は、ヘルパーさんとお年寄りが、お散歩中の一休みを兼ねて腰掛けているのも良く見かける。
「ベンチ」それは浮世の縮図だ。
そして、浮世とは永遠ではないもの。
必ず、出会いは別れとセットだ。
あんなに愛していたのに…。
手塩にかけた子が巣立つ時。
悲しい死別。
ベンチはただ、そこに有るだけだが、今日、この日、このベンチに腰掛けている事が一期一会に思えてならない。

夫に仕事、子育てに川柳、私には煮詰まると腰掛けに行くベンチがある。

ベンチよ、少しだけ、私にあなたが知っているドラマを教えてはくれないか?

若手同人ミニエッセイトップ

先輩が三百六十度の句会

先輩が三百六十度の句会
藤井智史
川柳塔WEBをご覧の皆様、はじめまして、藤井智史と申します。
 
高校3年の時から川柳を始めましたが、三十代前半から本格的に句会・大会に参加するようになりました。
初めは緊張していましたが、先生方、柳友が大歓迎して下さり、すんなり溶け込むことができました。
その時に、周りを見渡せば、先輩に360度 囲まれていることに気づき、この句ができました。
 
多くの結社、川柳会の皆様が「若い人が少ない」と言われていますが、WEB川柳や企業川柳を確認すると、若い人で溢れています。
私は人生も川柳もまだまだ未熟ですが、いずれ先輩になる時が来ると思います。
若い人がすんなり入れるような川柳界にしていきたいと思います。
 
応援、コメントどしどし受け付けております。
どうぞ、宜しくお願い致します。

若手同人ミニエッセイトップ

内側の方が汚れているガラス

内側の方が汚れているガラス
森山文切

ある日車を運転していると、ふとフロントガラスの汚れに気が付いた。
反射的にウォッシャー液を出してワイパーをかけた。

汚れが落ちない。

内側の汚れだと思い近くにあったティッシュで拭いてみた。
汚れは広がるばかりで却って前が見えにくくなってしまった。
フロントガラスの外側は雨が降った時のワイパーや、ガソリンスタンドの店員さんが拭いてくれる。
内側はどうだっただろうか?ずっとほったらかしである。
フロントガラスを拭きムラや拭き跡が残らないようにきれいに拭くには、清潔な濡れタオルと乾いたタオルを準備して、
濡れタオルで汚れを浮かせた後乾いたタオルで拭きあげる作業を何度も繰り返す必要があるらしい。

内側を磨くのはなんと難しいことか!

若手同人ミニエッセイトップ