Posts By なし

それぞれの道で桜を開花させ


担当:智史

それぞれの道で桜を開花させ
藤井智史

ミュージシャンになり、確実にファンを増やしている友。

結婚して、子どもを産んで、温かい家庭を築いている友。


私が出会った皆が、それぞれの道を歩み、幸せになっている。桜が開花するように…。

私も川柳に出会い、大切な柳友に出会い、大変幸せである。この幸せこそが、私の開花した桜だろう。

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くちびるが触れた箇所から満開に


担当:奏子

くちびるが触れた箇所から満開に
栃尾奏子

桜の木は、春風からのキッスを今か、今かと待っている。
南からやわらかく、優しくやってくる春風にフっと口づけされた箇所から花が咲くのではないだろうか。

初めて恋に落ちた少女は、全身全霊で彼の欠片を受け止める。
教室の騒めきの中から、放課後のクラブ練習の掛け声の中から、居眠り中の彼がたてる小さな寝息まで。
小さな小さな欠片をフっと手にする時、少女にも、幸せの花が咲くので はないだろうか。
欠片は彼の分身だ。

人が誰かと肌を重ね愛し合う時もまた、同じく…。
真っ暗で何も見えなくても、ぬくもりと優しい口づけは真実だ。

春は愛を彷彿とさせながら、もう直ぐ南からやって来る。

私にもあなたにもやって来る。

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キリストの眉間に砂が舞っている

担当:文切 キリストの眉間に砂が舞っている
石橋芳山
キリストはエルサレム神殿を頂点とするユダヤ教体制を批判したため、ユダヤ人の指導者たちによってローマ帝国へ反逆者として渡され、十字架に磔にされた(Wikipediaより)。
 
集まった群衆により砂埃が舞い上がり、キリストの姿がよく見えない。
砂埃が舞う中目を凝らしていると、ようやく砂埃の隙間からキリストの姿が見えた。
全身が見えたはずだが、意識に上ったのはキリストの眉間だけ。
 
眉間=キリスト、砂埃=群衆。
 
合わせ鏡の像のような、無限とも思えるイメージに「わたし」が取り込まれてゆく・・・ 。
 
どのくらいの時間が経ったのか、はっきりとはわからない。
突如巻き起こった群衆の悲鳴にハッとしてキリストの姿を見ると、脇腹に槍が突き刺されていた。
槍を刺されたキリストの眉間には、微塵の皺も寄ってはいなかった。

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川柳が好きで三度の飯も好き


担当:智史

川柳が好きで三度の飯も好き
藤井智史

川柳を作句しだすと、時間を忘れて、没頭してしまうのだが、飯の時間になると、ピタッと止めて、飯を食い、また、川柳を作句する。
 
夜中に句ができることもあるが、作句後、寝て、また飯を食う。
 
川柳が気になって、飯が食えないということは、一度も無い。
 
元気な証拠なのだろうか…。

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ころんでころんでやさしい人になるんだね


担当:奏子

ころんでころんでやさしい人になるんだね
小島蘭幸

つまづいてしまうと、世の中は敵ばかりで、良いことなんかなくて…ネガティヴに支配されて、どんどんぬかるみに…。
 
でも…つまづいて転んだ痛みは、きっと優しさの糧になるから。
 
膝小僧に滲んだ血は傷ついた心の体現化、忘れぬよう焼き付けて…。
 
瘡蓋が心の傷と戦っている間に考えよう。転んでしまった理由を。恋人を失ったワケを。
 
見えてくるはず…。求めてばかりの自分。甘えてばかりの自分。強がりばかりの自分。
 
反省、後悔、希望…色々混じった涙をひと粒こぼしたら。
 
きっと、昨日より強くなれる。
ずっと、今日より優しくなれる。
 
まだ知らぬあなたにたどりつくまで、ころんでころんでやさしい人になってゆく。

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