首のある魚になって泳ぐ駅

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秋鹿町

首のある魚になって泳ぐ駅
秋鹿町

 
大阪は速い。‬

‪名古屋よりも、東京よりも。‬
‪歩く人々の群れを器用にかわしながら、今自分はどこにいて、どこに向かっているのか頭の中で問いかける。‬

‪今年一月、川柳のオフ会をやると聞いてホイホイと名古屋から特急に飛び乗り大阪に来た。‬
‪学生時代を過ごした街ではあるが、記憶にある大阪駅の姿と現在ではすっかり様子が変わっている。‬
‪攻略済みだった梅田ダンジョンの地図はアップデートされてしまい、もう何が何だかわからない。‬
‪とりあえず、オフ会の会場がセーブポイントとして有名な泉の広場のすぐ近くだったことから、そこを目指した。‬

‪少しだけ前のめりになる。‬
‪よく知っていたはずなのに今では遠くなってしまったこの場所から、また新しい人たちの群れへ首を突っ込んでいくのかと、見えない潮の流れを感じながら駅を泳いだ。‬
‪泉の広場も既に取り壊しが決まっていた。

‪変わっていくものたちに少しの寂しさを感じつつ、これからも私は場所や時間、人に流されながらフラフラと、おっかなびっくり進むのだろう。‬

‪借金で首が回らない、なんてことにならないよう気をつけながら、新しい世界にどんどん首を突っ込んでいきたいと改めて感じた。‬

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