満月に見とれて座礁したのです

担当:文切 満月に見とれて座礁したのです
三宅保州

沖縄の離島では宮古島や石垣島は人口が多く、本島からの移動は飛行機を使う。

宮古島までは30分、石垣島までは1時間ほどである。
これが船だと宮古島まで10時間、石垣島まで15時間かかる。
夜出港して翌日の昼に到着となる。
 
現在は旅客船は運行していないが、学生時代船で石垣島まで船で行ったことがある。
卒業研究のためのサンプリングで、当然費用は多くかけられないので個室は取れなかった。
広い部屋に1畳ほどのスペースが割り当てられて雑魚寝。
一緒に行った先輩が「これでは眠れない」というので甲板へ。
 
360度の水平線、雲ひとつない空と一 面に広がる星、そして満月。
現実感を失う景色だった。
「ちょっと寒いね」と言いながら、朝までずっと満月を眺めていた。
 
あの満月なら、見とれて座礁してしまうかもしれない。
あの満月なら、座礁しても気が付かないかもしれない。
 
あの満月なら、座礁しても後悔はない。

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2 Comments

  1. 返信
    坂本加代 2017年10月28日

    私も満月を見るのが好きです。
    満月は明るくてけっこう景色が見えますよね。
    ある夜あまりにも外が明るいので思わず本を持って外へ出ました。
      満月に本が読めるか確かめる   加代
    朝日新聞に掲載されたのを柳友が見てメールが来ました。
    「それで本の字が読めましたか?」
    「いいえ、読めませんでした。」

    • 返信
      森山文切 2017年10月29日

      コメントありがとうございます。
      確かに満月は明るいですが、本を読むのには向いていないですね。でも側から見たら雰囲気はありそうです。

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