旅先の枕に語る未来像

担当:文切 旅先の枕に語る未来像
森山文切

私が川柳を始めた2014年、鳥取県川柳大会に欠席投句し、入選した句である。
選者は父の森山盛桜だった。
欠席投句したことは伝えていなかったので、披講のとき驚いたようである。

後日父から、「今後自分が選者の題には当日投句、欠席投句に関わらず投句しないでほしい」と言われた。
選者は万が一にも疑われるようなことがあってはならないというポリシーらしい。
母もたまに川柳大会に参加しているが、父の選には投句していないとのこと。

「森山盛桜の選でおかしいと思われるような句は抜かんだろ」と言ってみたが、
「すべての人が選者と同じ感性で句を読むわけではないのでダメ」という答えだった。

これ以来、父の選には投句していないし今後も多分しない。
したがって、この句が森山盛桜選で入選した唯一の森山文切の句ということになりそうだ。

若手同人ミニエッセイトップ

8 Comments

  1. 返信
    大田かつら 2017年6月13日

    親子で川柳作家とは羨ましい限りですね、、。私の所は孫がジュニア川柳で抜けたりして、喜んでおりましたが6年生になってバスケット始めて川柳からは離れてしまいました。しかし、先日、「おばあちゃん沖縄県の強化選手4名の中に選ばれて福岡県に行くんだよ」と、報告がありお小遣いをやったところです。私としてはいつかまた、川柳をやって欲しいと願っているのですがさて、どうなることやら、、かつらより

    • 返信
      森山文切 2017年6月13日

      私が川柳を始めたのは34歳の時でした。それまでは自分でも川柳をするとは思っていなかったですし、父も期待していなかったと思います。かつらさんの姿を見ていたら、きっと黙っていてもお孫さんにも伝わりますよ。

      ジュニア川柳以降の世代との川柳とのつながりを設ける仕組みは川柳界全体の問題だと思います。
      川柳甲子園も叫ばれて久しいですし、川柳塔WEBサイトでも何かできないか考えているところです。

  2. 返信
    たかこ 2017年6月11日

    盛桜さんは立派だと思います。
    「賛否両論あるだろう」とおっしゃたことも頷けます。
    私も数年前、鎌倉に住む愚息に応募者が少ないから市の文芸賞に応募してくれないかと言ったら、愚息は
    精魂込めた(だろう)10句を出してくれました。
    他に見てもらった誰もが、愚息の句が最優秀だろうと言ってくれましたが
    泣く泣く没にしました。

    後日、愚息に「リキ入れてもらったけど、賞には入れられなかった」と
    謝ったら、彼は、
    「郵便局の窓口で、消印有効のぎりぎりまで粘って作句した」
    そう言いました。
    今思い出しても胸が痛みます。

    • 返信
      森山文切 2017年6月12日

      たかこさま

      コメントありがとうございます。

      父は自分が悪く言われることは気にしないようですが(もちろん悪く言われない方がいいのでしょうが)、例えば母や私の句を天にした場合、父だけでなく母や私が悪く言われることを防ぎたいのだと思います。他の投句いただいた方に申し訳ないという気持ちもあると思います。

      「良い句は良い」という原則は父ももちろん頭では理解していると思いますが、感情的に受け入れられないのだと思います。

      文芸という観点からは家族に投句させないという姿勢は間違っているのかもしれませんが、母や私に「投句しないで」と言う父は、すごく父らしいと私は思うのです。

      たかこさんの息子さんも、「母らしい」と思われていると思います。

  3. 返信
    城水めぐみ 2017年6月10日

    個人的にタイムリーな話題です。
    知人の選で特選をいただいて、正直「選ばれてしまったどうしよう」と思いました。他の人はどう受け取るか分からないですから。
    他の選者の方にも選んでいただけたのでまだ良かったですけど、もし他が全滅だったら…と想像すると胃が痛いです(笑)
    おかげさまで、これからは知人の面目を潰さないような川柳を作る、という新たな目標ができました。いろんな意味で私にとって節目の句になりました。

    • 返信
      森山文切 2017年6月10日

      めぐみさま

      コメントありがとうございます。投句者側としては、誰が選者か気にすることなく、良いと思う句を投句する以外にありません。

      そこから先は選者の責任です。「良い句を良い順に」以外の基準で選をされる方からは、良い句が逃げていきます。

      別途ご連絡いただいためぐみさんの入選句、すべて良い句だと思いました。今後もいろいろな大会に参加して良い句をたくさん発表してくださいね。

  4. 返信
    奏子 2017年6月10日

    きっとこのスペースも読んでいる盛桜様へ。
    私は自分の目標である池森子師匠に抜いて貰えるのが1番の喜びです。
    文ちゃんの目標が盛桜さんなら、こんな悲しい事はない気がしました。
    疑われるから?
    素晴らしい句は、素晴らしいはずです。
    もし、100人のうち98人が疑っても、選者と抜けた句の作者2人に噓いつわりがないなら、それが真実ではないのでしょうか。

    • 返信
      森山文切 2017年6月10日

      奏子さま

      コメントありがとうございます。残念ながら父はミニエッセイのページは見ていないようですので代わりにコメントします。

      事前に父にはこのエッセイの掲載について了承を得ています。その際「賛否両論あるだろう」と言っていました。

      私は誰の選でも入選するしないは気にしておらず、選者が父でも同様です。目標の川柳作家はいません。自分が表現したいことが表現できたかどうかが私には一番大切なことです。

      選者と投句者に嘘偽りがないなら真実というのは完全に同意します。でも父の考えも、私にとっては真実です。

たかこ へ返信する コメントをキャンセル

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)