担当 文切 |
無駄なことしてきたからの味になる 斉尾くにこ |
毎週web句会を開設したのは2015年11月(開設時は川柳塔おきなわ準備室)。
当初は需要があるのかよくわからなかったし、自分でも「無駄なことやってるのかもな」と思いながらの運営だった。
しかし不思議なもので、その「無駄なこと」が思わぬところでつながったり、新たなの動きが生まれたりということが何回もあった。
私が川柳塔社webサイトの管理人になったのも、川柳塔社でweb句会や電子化事業が始まったのも、積み重ねてきた「無駄なこと」のおかげだと思っている。
今後も「無駄なこと」から生まれる味を楽しみたい。
担当 奏子 |
フルスロットルにて恋へ立ち向かう |
当日電車で日帰りの彼はこの句で8月の月間賞を手中にして笠岡へ凱旋する。
胸にわいた妬心は彼が月間賞をとったからではない。
句から放たれた若さによるものだ。
フルスロットル。
10代の恋はそうだろう。
20代。30代。
フルスロットルなど直近でいつだったか思い出せない。
付き合って。
好きなの。
私だけ見て。
キスして。
抱いて。
10代の私がフルスロットルで、私を笑う。
最愛の伴侶を得、落ち着いたからと言い訳するなら、フルスロットルは恋ではないフルスロットルになれば良い。
あなたは今、何にフルスロットルをかけますか?
私は…。
ワタクシは…。
担当 智史 |
衣食住揃えかぼちゃの馬車を待つ |
その馬車を迎えるほうも自己鍛錬をする。
しかし、かぼちゃの馬車に乗って来る人は、よその王国が好きなようで、こちらには来てくれないようだ。
王国内もズレがあるようで、一体誰の為の結婚なのか、わからない状態である。
このまま婚期を逃すと、誰が責任をとるのか。
物凄い不安である。
はぁ…。
担当 文切 |
旅便り丸いポストがよく似合う 水野黒兎 |
私と同世代の人は丸いポストはほとんど見たことがないと思う。私もあまり記憶にない。
調べてみると私が生まれる前の1970年には生産が終了し、四角いポストへの置き換えが急速に進んだようだ。
(参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/丸型ポスト)
上記サイトによれば、その理由は合理化。丸いポストは回収の際に郵便物を手でかき出す必要があるのに対し、四角いポストは袋を取り替えるだけ。しかし、現在では丸いポストの数が少なくなったことから希少価値が生まれ、逆に丸いポストを保存する動きがあるという。
さまざまな分野で合理化が進んでいる。
便利なモノが次々と生まれ、既存のモノが淘汰されていく。
合理的でないとしても、既存のモノには既存のモノの良さは必ずある。
信じ続けていれば、将来必ず価値が生まれる。
私は川柳においては四角いポスト側の立場になるのだろう。
丸いポストの価値を肝に銘じて活動していきたいと思っている。
担当 奏子 |
嗅覚が理性に王手かけました |