難波でも行くように子はイタリアへ

担当
文切
難波でも行くように子はイタリアへ
加島由一
川柳塔誌電子化事業で公開している、896号同人近詠巻頭から。

急速に世界の距離が縮まっている。

航空機の進化による物理的な距離ももちろんであるが、webの発展による精神的な距離の縮まりが顕著だ。
SNSによって外国の人ともリアルタイムでコミュニケーションが可能となり、一緒に住んでいる家族よりSNSで仲良しの外国の人との方が会話が多いなんていうことも現実に起こっている。

川柳界でも距離の縮まりを感じている。私ですら感じているのだから、長年川柳界におられる方はなおさらだろう。
ネットでは結社を超えての交流が盛んだ。結社のみならず、ネットは年代やレベルの壁も超えていく。
私のメーリングリストをあらためて見ると、多くの著名な方とコミュニケーションがあり、我ながら感心する。私が川柳を始めたのが10年前だったら、こうはいかなかっただろう。

もちろんこの距離の縮まりはいいことばかりではないとは思うが、デメリットよりメリットの方が大きい。
川柳界の中だけではなく、川柳をしている人としていない人の距離も少しずつ縮まっていると感じている。
川柳との距離が日本からイタリアくらいだったものが、難波に行くくらいの感覚になってきているかもしれない。

まあ、沖縄からだと難波も結構遠いのだけど。

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