かくれんぼしましょうあべのハルカスで


担当
奏子

かくれんぼしましょうあべのハルカスで
丹下凱夫

人はその昔、神の世界に届くバベルの塔を立てようとしたと言う。

その建設途中の塔は遥か天を仰ぎ、雲がかかったとか、かからなかったとか…

「シー!静かにしなよ、見つかったらどうするのさ。」
「見つかったって、人間は僕たちのこと、見えないじゃないか。」
「最近は勘のいい人間もいるんだよ。神さまにも注意されたろう?」
「チッ。君という奴は本当に融通がきかないなあ。」
「さあ、羽根をたたんでエレベーターであがるんだよ。」
「フン。神のエリアと人間のエリア。何千年か前に交わした約束だからな。覚えているのは神さまくらいだよ…。」
「そう言わずに、さあ。確認しに行くよ。」
「ここは余裕で白だな。スカイツリーは危なかったけどな。」
「なあ、君…やはり久しぶりにかくれんぼしないか。」
「羽根はあり?なし?」
「もちろん有りさ!」

バサバサバサッ!

「ねえ、ママー。窓のお外に、飛んでるお兄ちゃん達がいるよ!」
「バカな事いわないの、天使でもない限り飛ばないわよ。」

さあ、あなたも一緒に、かくれんぼしませんか、あべのハルカスで。

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