担当:奏子 |
真夜中に薔薇千本のプロポーズ |
「ドライブしましょう。」
「嫌です。」
「好きです。」
「そうですか…。」
私達が夫婦になるずっとずっと前の会話だ。
明らかに私ではなく、武ちゃんが私を気に入っていたのだ。
何十回もアタックを受け、何十回もカウンターを返し続け、いい加減にしろ!と思った。
もう本当にお断りしようと考えていた日、こう言われた。
「僕はあなたでないとダメなんです。」
私に誰かが囁いた
「あなたも彼でないとダメなんじゃないの?」
武ちゃんが涙ぐんでいるような気がしたが、泣いていたのは私だったのだろう。
友達には相撲に例えて、「寄り切り婚」と言われている。
もちろんアンタが負けね、と。
解っている。
負けたのを承知の上で私は今日も「アンタが私でないとアカン言うたんや。」と偉そうにリビングに君臨している。
ちなみに武ちゃんから薔薇の花束はもらったことが無い。
ただ、あの日の一言が鮮烈な赤で私を貫いて今に至るのは事実だ。
敏治さん、ありがとうございます
武人さんがかわいそう。
奏子さん、武ちゃんに優しくしてあげて‼️と柳会の先輩方(女性)に言われます。
奏子さん偉そう。奏ちゃんの尻に敷かれている武ちゃん。
まあ、色々言われます笑。
でも私はあの日から、何だか武ちゃんに手放しで優しく出来ないんですよね〜。
そう。良く言うとツンデレなんです。
次に夫婦2人で会場にいる時は又、今までと違う目で私達を見て笑って下さいね。
「見直し」はミスタイプ。『飲みなおし』です。ゴメン。
極寒の雪も顔負けのろけ節・・・いやあ参った!参った! まあ、もう一遍の見直しまっさ。