一輪が跳ねて野の花らしくなる


担当:奏子

一輪が跳ねて野の花らしくなる
真島久美子

天下の陰陽師、安倍晴明の庭は荒れ放題で、野放しにただ草木が生えていた。
客人が「何故手入れをしないのか。」と尋ねると晴明は「生きようとする命は、そのままで充分美しい。」と答えたという。
花壇や手入れされた庭の草木は、人間の物差しで管理されているが自然界の草木は違う。
森の木々は太陽を求めて上へ上へ。
どうしようもない時は幹を湾曲させながら光を探す。
花々は四季を分け合いながら、あるものは風に種子を預け、あるものは株を増やす。
皆、自分らしく一心に、命を前へ前へと繋ぐ。
生きるという事に真っ直ぐだ。
迷う時、悩む時、私も野の花で在りたい。
野の花は自分らしさの象徴だ。
他人の物差しは要らない。
私という両手を広げて空へ跳ねてみれば答えを出せそうだ。

若手同人ミニエッセイトップ

4 Comments

  1. 返信
    奏子 2017年12月29日

    加代様、コメントありがとうございます。
    この句は、岸和田市の川柳大会で私が天の句に選んだ句です。この句を目にした時に、多様性や、個性、時には困った癖まで肯定して受け入れてくれる温かさを感じたのを覚えています。
    みんな違ってみんな良い。
    あなたも私も。
    そんなメッセージがぎゅーっと詰まった素晴らしい句だと思います(*´꒳`*)

  2. 返信
    坂本加代 2017年12月28日

    奏子さん エッセイいつも拝読しています。
    今回のエッセイは特に共感いたしました。
    自然がいいです。イルミネーションより夕焼けが素晴らしい。
    これからも楽しく続けていってくださいね。

  3. 返信
    奏子 2017年12月26日

    いつも、若手❔同人三人衆、および、つたないエッセイを応援してくださりありがとうございます。
    続くんかいな…と思っていたエッセイが一年。有難いお話です。
    あと、何日かで、又新しい一年が始まります。
    新しい年も、皆さまに支えられながら、エッセイを綴る事が出来ますようお願いを申し上げて、平成29年、締めくくりの挨拶にかえさせていただきます。ありがとうございました。

    • 返信
      森山文切 2017年12月27日

      年末でお忙しい中コメントありがとうございます。
      「とにかく続ける」をモットーに頑張っていきましょう。

      同世代や私たちより若い世代の同人・誌友が増えるといいですね。

      求む!若手エッセイ担当者!

      ショートエッセイ書くのはいい勉強になりますよ〜

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