担当:奏子 |
紫陽花も君も魔法にかけて雨 |
そして、君も、何て我が儘で気が利かず、さっきから空気が読めないんだ・・・。
長く付き合っていると、良いところだけではなく、欠点も見え過ぎて困ってしまう。
中庭の紫陽花をデッサンしている君を呼び出して、校舎裏で告白したのはいつだったろう。口論寸前のデートに大粒の雨。
土砂降りだ。
雨宿りした花屋には紫陽花、紫陽花、紫陽花。6月だもんな。
タダで出るわけにも行かず、僕はびしょ濡れの額を拭い、紫の紫陽花を手に取った。
「待って。買うなら青にしましょうよ。」
そうだ。あの日、君が描いていたのは青い紫陽花。デッサンは白黒だったけど。
雨に濡れた紫陽花と君は、さっきまでとはまるで違う表情で僕を見つめていた。