2018年4月WEB句会 (第25回)

2018年4月WEB句会 (第25回)

投句数 370句(186名)
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「 桜 」
青砥たかこ 選

豪雪もなかったように桜咲く荘子隆
出不精の母も浮かれる花便りたまき
風が描く路上アートの花吹雪白鳥象堂
二次元に戻りたがっているサクラ森山文切
飽きるほど四、五年分の桜見る穂口正子
葉桜になってあなたに会いました乙川初音
満月に満開ディレクターは誰新家完司
街中の家空っぽにする桜安西建次
桜見の出ばな挫いた名残雪はなぶさ
魂は軽く 沈まぬ花筏川本真理子
ひと駅を歩かせる今夜のさくらこみち
酒あればアカペラ楽し花の下富田保子
改竄を告白潔い桜森山盛桜
空っぽの校庭に満開の花由美
国訛り乗せて別れる花筏葱坊主
葉脈を仄かに印す桜餅西沢葉火
バーべキュー桜がやめてと鼻つまむ藤井康信
葉桜に茶屋の亭主が下ろす腰福村まこと
画用紙を零れる花の写生会野平光太郎
前ならえソメイヨシノは行儀良いアゲハ
さくらからさくら百歳なんてすぐ斉尾くにこ
盲導犬さくら愛でずに主見るやひろ
ケンカして枝垂桜に諭される彩古
見たかった桜に停まる霊柩車光畑勝弘
枝ぶりをとやかく言われない桜awaji
再検に向かう道のり花吹雪汎陀
跡継ぎのない過疎の村にも桜さく上山堅坊
咲いて散る誰のためでもない桜ちゃくし
さくら咲く除染袋のそばで咲く柳田かおる
新発見熊野桜を見て育ち上平祥
あやかしが居て桜の下は無重力水たまり
夜桜に奪われてゆく喉仏
佳 作逝く春のあとがき葉ざくらの風情澤井敏治
議事堂の前の桜もうつくしいこみち
人間の我がまま見飽き散る桜富田保子
歳時記に背を向けながら散る桜笹倉良一
さくら散るなにか文句がありますか丹下凱夫
人の句蝉ほどの寿命と知らず咲く桜圦山繁
地の句あんパンの臍で桜がまだ匂う西沢葉火
天の句桜はいつもオープンカーでやって来る寺川弘一

「 桜 」
石橋 芳山 選

偏屈なさくらも褒めるのが礼儀心咲
散ってなお葉桜などとおだてられ岡野満
桜には綺麗な嘘がよく似合う穂口正子
葉桜になってあなたに会いました乙川初音
酔って候いろはにほへと散る桜澤井敏治
後始末考えないで散る桜竹中正幸
パッと散る例えを否定するさくら木田比呂朗
年ごとにあわてん坊になる桜圦山繁
おならする旦那は誘わない花見たごまる子
静脈をしずかになでてゆく桜田村ひろ子
今日もまたサクラに釣られパチンコ屋木嶋盛隆
満開の桜が儚いと漏らすうちだあつこ
幾筋もためらい傷のある櫻平井美智子
葉桜の下へと辿り着く迷路平井美智子
人の行く後をぞろぞろ八重桜福多郎
ソメイヨシノ心惑わす魔女に似る片山かずお
あんパンの臍で桜がまだ匂う西沢葉火
堕落した桜未だに咲いている勢藤潤
花の下チキンラーメン煮るもよし柴田比呂志
桜満開金持ちの気にさせられる春川秋男
次の方どうぞと桜散っていく平尾定昭
桜サクラまた日本がおかしいぞ平尾定昭
さくらひらひらまだ幻想を抜けられず藤井智史
桜舞う何も言わない言わせない久保卓子
枝ぶりをとやかく言われない桜awaji
神様に咲き人間に散る桜居谷真理子
カウントダウンしましょうひとひらの桜大内せつ子
桜はいつもオープンカーでやって来る寺川弘一
深追いはいたしませんと花吹雪美馬りゅうこ
桜はらはら私にも言えぬ恋水たまり
花吹雪やさしい威嚇だと思う
夜桜に奪われてゆく喉仏
佳 作さくら散る甘酸っぱさを連れながら三好光明
二次元に戻りたがっているサクラ森山文切
春の雪しだれ桜の腹上死森山文切
約束の桜とモルヒネの追加まさと
さくら散るなにか文句がありますか丹下凱夫
人の句花は咲いたのかドモホルンリンクル田口和代
地の句あやかしが居て桜の下は無重力水たまり
天の句アドレス変えました葉桜になりました美馬りゅうこ

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