2017年9月WEB句会 (第18回)

2017年9月WEB句会 (第18回)

投句数 336句(170名)
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「伸びる」
間瀬田紋章 選

九条の是非に饂飩が伸びている板垣孝志
寝返りが打てない鼻が伸びすぎて麦乃
あなたの夢に近づきたくて背伸びするめぐ
伸びきったゴムの心がよくわかるあず
誉められた背筋は伸びたままにする大木雅彦
病窓の向こうで豆の木が伸びる藤澤霧堂
妄想の指から爪が伸びていく徳田ひろ子
コップの中覗き天狗の鼻伸びる武本碧
伸び伸びと育ち縄文杉になる柴崎幸風
ほっとけば伸びると言われ水面下木嶋盛隆
雑草だからゆっくり伸びていいのです大内せつ子
百点の鼻はピノキオより伸びる高田まさじ
ゾワゾワと手足がのびる淋しい日平井美智子
巻きついて幸せそうに伸びている平井美智子
鼻の下もゴムも伸びたら捨てられるまさと
生命線あさっての方向に伸び由美
本物になりたいサンプルの背伸び水たまり
入院説流れるほどに伸びた草たごまる子
短足を伸ばして見せた月の影くみ
伸びすぎた先で助けを求めてる平尾定昭
届きましたかわたしの胸のビブラート岩根彰子
新月だ水晶体が伸びている安藤なみ
延命をするか献体をするのか斉尾くにこ
猛犬の鎖が意外にも伸びる吉崎柳歩
伸び代がボクを誘惑してくれる柴田比呂志
透明になるまで伸びるヨガマット美馬りゅうこ
打ち解けた頃枝豆に手が伸びるアゲハ
跳ね橋が伸びるもういいかと伸びる青砥和子
やじ馬の首がじわじわ伸びてゆく昌紀
ヘルパーの手がよく伸びるケアハウス片山かずお
おずおずと伸ばした指が触れ合った野の花
ハチャメチャの方がぐんぐん伸びてくる柳田かおる
佳 作背伸びして月を盗み行くところ徳田ひろ子
どこまでも伸びる線路の好奇心十六夜
雨後の草むしりひと日の毒を消す澤井敏治
背伸びして平均点にぶら下がる大釡洋志
カメレオンの舌は想定外の伸びアズスン安須
人の句ラクレットチーズから伸びてゆく嘘あかり
地の句両手を伸ばして優しさをいただく米山明日歌
天の句海の底まで人間の手が伸びる新家完司

「伸びる」
古今堂蕉子 選

初孫を抱いて生命線が伸びやんちゃん
ハイティーンつぎつぎ名乗り出る五輪佐藤彰宏
伸び伸びと育ち縄文杉になる柴崎幸風
伸びてゆく背中の羽根はやわらかい大内せつ子
ほめられて伸びるタイプと子は主張川本真理子
速すぎる出世結えない大銀杏樋口眞
発芽する小さく裂ける音がした柳本恵子
背走の頭上を越えてゆくボール西山竹里
生命線あさっての方向に伸び由美
月を齧る気で爪先立つキリン水たまり
本物になりたいサンプルの背伸び水たまり
伸びすぎた先で助けを求めてる平尾定昭
伸びしろをはみ出す朝の大あくび福村まこと
背伸びして平均点にぶら下がる大釡洋志
背伸びして猫がのっそり膝の上大西重郎
貧しかった頃は伸び伸び生きていた笹倉良一
新月だ水晶体が伸びている安藤なみ
ラーメンが伸びる味方のいない街月波与生
伸びる芽に添え木も邪魔と反抗期有海静枝
追伸と書いてダルマの絵がひとつ斉尾くにこ
間引き菜の幾多があって芽が伸びる澁谷さくら
猛犬の鎖が意外にも伸びる吉崎柳歩
伸びてゆく破竹は宇宙だと思う柴田比呂志
透明になるまで伸びるヨガマット美馬りゅうこ
退院の許可が出そうな爪の色長田昇
ふるさとを伸びた道路が切り刻む徳重美恵子
高いねえ届かないねと柿たわわ山本昌乃
ベテランの背中を借りて伸びゆく芽上村夢香
やじ馬の首がじわじわ伸びてゆく昌紀
伸びる道探しあぐねているモヤシ初代正彦
内省と意地で技術が磨かれるいいだひでき
カメレオンの舌は想定外の伸びアズスン安須
佳 作よく伸びた脚が小言を踏んづけるあそか
少し手を伸ばせば届く虹の端糀谷和郎
約束を忘れて伸びをする小指森山文切
君知ってから少し背伸びを覚えたのあかり
おずおずと伸ばした指が触れ合った野の花
人の句誉められた背筋は伸びたままにする大木雅彦
地の句届きましたかわたしの胸のビブラート岩根彰子
天の句伸びしろも一緒に買ったスニーカー関口行雲

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