有海静枝ミニ句集
略歴
19XX年 山口県に生まれる
2002年頃 長門川柳句会投句会員
川柳マガジン 投稿(休み休み)
2005年頃 下松多宝塔川柳会
2016年3月 川柳塔 誌友
出版物
自選句集「みかんの花」 2017年2月
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わくわくと地雷踏んじゃえピンヒール
澄みきった空だ罪人さえ許す
悲しみをたんと知ってる優しい手
欲望の海に溺れている地球
身をひとつ生まれて消えてゆくのです
たんぽぽを踏まないように鬼ごっこ
縦と横区切りの中にある立場
少しだけ嵌ってみたい絵空事
ぼちぼちですこの世のすべてしゃぼん玉
死者に逢うように浴びます花吹雪
ほがらかに成れる涙が尽きたなら
真相は覆い隠して雪女
念ずれば羽が生えます君恋し
嘘つきと胸叩きたい風の人
掴もうか優しい人が差し出す手
あっぷあっぷ読めぬ空気の輪の中で
我慢した数だけ壁に空いた穴
多数派を雑草と言い引っこ抜く
臆せずにまんまで破れ君の殻
ほめ言葉きっときれいな蝶になる
音もなく今日を限りと舞うさくら
わくわくを封じるように重ね紅
さくらさくら痛みしばらく薄くなる
暇でさえなければかからない毒牙
約束の風化か浜に樹の骸
徒花が人知れず咲く緋のごとく
感情を封じ痙攣する瞳
大波も小波も越えた犬掻きで
不用品捨てて記憶が痩せてゆく
片腕でなんとかなるさ揺れ小舟
本来は隣の芝生あたりです
早過ぎと喪の帯解いてから崩れ
ふうわりとあの世とこの世を飛ぶ蛍
闇無音静かに自分聞こえ出す
澄みきった空と海には枠がない
憎しみは愛かもしれぬざわめく樹
風とおる欲を握った手を放ち
慎みは幾重の下にある真意
森深く隠したモスラ孵化をさせ
ふしだらな角度に傾斜する磁石
行き先は知らない蟻の最後尾
九条の変奏序曲流れ来る
キャスターの言葉で色がつくニュース
虐待で裂かれた後も乳は出る
きれいな手これから苦労を知るんだね
毎日が赤信号の点滅だ
普通ってなにさ基準がない普通
手本からはみ出て伸びてゆく個性
基本形ネガティヴですが生きてます
夜も更けた今日の喜劇にやっと幕
(平成29年6月11日掲載)
有海さま、はじめまして。
こちらの森山さんのブログにお邪魔させていただくようになってフラリ遊ばせていただいている者です。ミニ句会も楽しく拝見させていただいています。
今度は初の女性の方の作品披露というのでワクワクして待っておりました。
有海さんのお名前や作品はときどき新葉館さんのweb句会でお会いしているように思います。どんな方なのかな~~と思っていました。
とても読みやすく一気に読ませていただきました。作る方はたくさんの時間をかけて悩み生み出させるのだと思いますが、読む方は気楽ですみません。
以前は五行詩でご活躍されていらしたのですね。久しぶりに五行詩のことを思い出しました。
有海さんの作品からは女性として自分自身を偽らずに精一杯生きたいという意思を感じました。
生意気を申してすみません。これからのご活躍も楽しみに拝見させてください。
加代様
さっそくにありがとうございます。
誌友になったのも、
こちらに、
誰でもミニ句集が作れる素晴らしい場所がある事を知ったのも
きっかけはすべて、貴女のおかげですよ。
完司さんのおっしゃる様に
どんどん後に続く方が出て、賑わいますように願っています。
「ミニ句集」出来上がりましたね~ おめでとうございます!
臆することなく実行力のある性格も知っていますよ・・。
有海さんの気持ちが川柳によく表れていますね。
川柳に出会う前は5行詩をされていて全国的に活躍されていましたが
このミニ句集も5行でまとめて10単位にして50句が落ち着いています。
これからも川柳から離れずに一緒に楽しんでいきましょうね。よろしく~
新家完司様
考える前に手足口が出るおっちょこちょいで、
気が付けば誌友1号でしたね。
元気な句ですか?
無意識と言うか、気がつきませんでした。
今後の励みにさせていただきます。
ありがとうございます。
太田かつら様
たくさんの悲しい思いをされたのですね。
痛みを知っているからこそ、人に優しくなれるそんな思いで詠んだ句です。
かつらさんはきっと、たんと優しい方なんでしょうね。
時々、意固地にも意地悪にもなる私。
改めて取り上げて下さった我が句に、逆にハッとさせられました。
悲しみをたんと知ってるやさしい手
静枝
この句を拝読したした時、妹2、弟2人を亡くした日の言い知れね悲しみが、よみがえってきてしまいました。
過去は取り戻せませんし、悲しみや傷が深い分優しくなろう、、前を向いて生きなければと思いました。私へのエールと受け止め明るく笑顔で頑張ります。素敵な句をありがとう❗沖縄県大田かつら
女性で初&誌友で初の勇気あるチャレンジ! サンキューべりマッチです。
これで、吹っ切れて「わたしも!」と決意される方が増えるでしょう。
わくわくと地雷踏んじゃうピンヒール
少しだけ嵌ってみたい絵空事
大波も小波も越えて犬搔きで
澄みきった空と海には枠がない
行き先は知らない蟻の最後尾
手本からはみ出て伸びてゆく個性
などなど、元気な句おもしろい句が目に付きました。
今後とも、塔誌上でのご活躍を拝見しております。