題
「出る」
Sin 選
| 行き先を告げず家出た消費税 | 渡辺勇三 | |
| うかうかと騙し絵を抱き家を出た | 森元恵美子 | |
| 出産後あれからずっと妊婦服 | 松浦五月 | |
| 丁寧に_いて出てきた生卵 | 数男 | |
| 布団から出るまで社会適合者 | 西沢葉火 | |
| この世から搬出される日も赤で | 三浦蒼鬼 | |
| ピカピカのランドセルから出る手足 | 丸山進 | |
| 出て行った悪霊に出すバイト代 | 雪上牡丹餅 | |
| すり足の指から零れ出るきのう | 田村ひろ子 | |
| 時々は出現してる救世主 | 朧 | |
| スマホからアスパラにゅっと顔を出す | 副井ゆたか | |
| ドア開けて僕はスーパーマンになる | 上田ひとみ | |
| 汽水域を出るさざ波と口癖 | 榎本ユミ | |
| もう出ると言う男から刺していく | 榎本ユミ | |
| いちばんやわいとこからめるととろけ出る | 四ツ屋いずみ | |
| 終活をせずとも川は海に出る | 星野睦悟朗 | |
| 物差しと 苗字を変えて 出直そう | 蒼い朱鷺 | |
| 気を遣う入口ホッとする出口 | まさと | |
| 靴下から芽が出てきたぞ母ちゃんよ | 西上遊二 | |
| 鬼が出ることも考えつつ進む | 西山竹里 | |
| 煙とか塵になっても出る波紋 | 青砥和子 | |
| 理科系の言い訳も出る墓じまい | 福村まこと | |
| ドラえもん時を出してよ二人分 | 居谷真理子 | |
| 人生の背景として出演す | 出水陽 | |
| 夕闇に飛び出す母のあしのうら | 出水陽 | |
| 落陽の改札を出て曲がろうか | 徳重美恵子 | |
| スリッパを手にはめたまま出て行った | 水城鉄茶 | |
| 出る台の隣に座る人生だ | 水城鉄茶 | |
| 目玉から出た影がテレビをつける | 抹茶金魚 | |
| 座布団の綿のなかから出る金魚 | 抹茶金魚 | |
| 秋分をはみ出るひと房の葡萄 | 怜 | |
| アヒージョの油が悪意出すところ | 怜 | |
| 佳5 | かと言ってどう出る冷めた茶を啜る | 雨径 |
| 佳4 | カフェ・オ・レが電話に出るという仕組み | 芍薬 |
| 佳3 | コーヒーを三途の川で淹れる役 | 甘酢あんかけ |
| 佳2 | バス停が醤油くさくて町を出る | 芍薬 |
| 佳1 | 欲ばりな息ばかり出る春の宵 | 米山明日歌 |
| 人 | 副作用でること覚悟してる紅 | 坪井新 |
| 地 | 北米を南米にして部屋を出る | 朧 |
| 天 | さるすべり散り永遠を出ていった | 柴田比呂志 |
題
「出る」
平井美智子 選
| やる気出るまで十年という時間 | 大木雅彦 | |
| 入院の順には出ない患者様 | 龍せん | |
| 炙り出しのように浮き上がった疑心 | 北田のりこ | |
| 出ないよう未練をぎゅっと絞り切る | 森元恵美子 | |
| かと言ってどう出る冷めた茶を啜る | 雨径 | |
| 出る杭は打たれ続けて潜伏者 | 板谷達彦 | |
| 出るとこへ出たから虎が猫になり | 竹中正幸 | |
| 出遅れた足をめげずに撫でている | 武本碧 | |
| 布団から出るまで社会適合者 | 西沢葉火 | |
| 欲ばりな息ばかり出る春の宵 | 米山明日歌 | |
| 真空パックを出てギラギラ野心 | 冬子 | |
| 出すものは出し惜しみせず出しなさい | 岸井ふさゑ | |
| 旅に出る理由探しに旅に出る | 涅槃girl | |
| 打たれても打たれてもなお杭である | 光畑勝弘 | |
| キャッシュレス家を素通りしてしまう | 辻内次根 | |
| 風呂を出る少しふやけた脳をして | 水野黒兎 | |
| 出かけるともれなく夫が付いてくる | 蒼い朱鷺 | |
| 物差しと苗字を変えて出直そう | 蒼い朱鷺 | |
| 気を遣う入口ホッとする出口 | まさと | |
| 一本でも出ると間抜けになる鼻毛 | 圦山繁 | |
| 出しきった後でホンモノ出してくる | 寺川弘一 | |
| 花瓶から溢れ出るのは涙です | 尾崎良仁 | |
| 芽が出ても花が咲くとは限らない | 石川柳寿 | |
| 出る杭になろうと声を上げてみる | A2 | |
| 舟が出るここから先は月の道 | 青砥和子 | |
| 増税もしばらくすると慣れてくる | 尾_一子 | |
| チューブから出た歯磨きは戻れない | 平尾定昭 | |
| カフェ・オ・レが電話に出るという仕組み | 芍薬 | |
| 一つしかない出口だがまだ迷う | まみどり | |
| スリッパを手にはめたまま出て行った | 水城鉄茶 | |
| 後出しのグーは美形で声高で | 美馬りゅうこ | |
| 家出した家がリフォームされていた | 月波与生 | |
| 佳5 | もう出ると言う男から刺していく | 榎本ユミ |
| 佳4 | 舌出した鏡の隅に目撃者 | 宮尾柳泉 |
| 佳3 | チューブから出るなら白いままでいい | 西沢葉火 |
| 佳2 | すり足の指から零れ出るきのう | 田村ひろ子 |
| 佳1 | アヒージョの油が悪意出すところ | 怜 |
| 人 | 珊瑚礁から出る桃色の吐息 | 岸井ふさゑ |
| 地 | バス停が醤油くさくて町を出る | 芍薬 |
| 天 | 終電は出ました夏は去りました | 居谷真理子 |