題
「臨 む」
島田 駱舟 選
| やる事はやったと臨む崖っぷち | 大木雅彦 | |
| ここ一番生つば呑んで深呼吸 | 渡辺勇三 | |
| 後ろ指覚悟で臨むけもの道 | 谷口修平 | |
| まな板の鰻に往生させられる | 山本進 | |
| 生かせぬよう殺さぬように毒を盛る | ホッと射て | |
| 一強の民意に添わぬ馬の耳 | ホッと射て | |
| 久し振り生きて居たかと酒の席 | 両澤行兵衛 | |
| 死に臨み五文しか無いのに気付く | 糀谷和郎 | |
| 神様の敷地に建てる研究所 | 板垣孝志 | |
| 本音で臨めば貧乏神も情がある | 澤井敏治 | |
| ライバルに臨む形の鎌の月 | 米山明日歌 | |
| 太陽に臨む気迫で日向ぼこ | 川本真理子 | |
| 半分の力で臨む泥仕合 | 冬子 | |
| 入院へ大人買いするブックオフ | たごまる子 | |
| じんわりと攻める干し椎茸の自負 | 平井美智子 | |
| 子を守る形 足首太くして | 平井美智子 | |
| ご臨席賜らなくてよい議員 | 西山竹里 | |
| 定石は無視して臨む正念場 | 高浜広川 | |
| 呼び出しはいつでも来いと髭を剃る | 寺川弘一 | |
| のっぺらな顔で臨んでいる謝罪 | 圦山繁 | |
| おにぎりを持っているので大丈夫 | 北埜美月 | |
| 死に臨むベストアンサー募集中 | 穂口正子 | |
| 受験宿キットカットが並ぶ膳 | アゲハ | |
| 閻魔様に臨む総理を見てみたい | 門田吉雄 | |
| 真っすぐに臨む のり代たっぷりと | 森廣子 | |
| 口角の上がり具合もまあまあで | 上田ひとみ | |
| 一日を使い切ろうと臨む朝 | 伊藤良一 | |
| 逃げ道を探して臨む会議室 | 伊藤良一 | |
| 戦いに臨むカラスの高笑い | 内田志津子 | |
| カチンコはいつでもどうぞメイキャップ | 美馬りゅうこ | |
| のどぼとけ忘れず付けてから臨む | 怜 | |
| ウエディングマーチ寡黙な父の腕 | 安藤なみ | |
| 佳5 | 対岸の赤に無骨を詰られる | 雨径 |
| 佳4 | あの世へは言い訳などはせずに逝く | 白瀬白洞 |
| 佳3 | 透明度ゼロの貴女と向かい合う | 森山盛桜 |
| 佳2 | 意に沿わぬお見合いはですます調で | 雨森茂喜 |
| 佳1 | 赤門にグリコ2粒落ちている | 美春 |
| 人 | 招待の席で笑いを噛み殺す | 武本碧 |
| 地 | リクルートスーツ下着は白である | 寺川弘一 |
| 天 | 禁酒禁煙成人式に臨む | 昌紀 |
題
「臨 む」
斉尾くにこ 選
| 二千円足してオーシャンビュー予約 | 原洋志 | |
| 新鮮な心で臨む新任地 | 沢田正司 | |
| 新元号が臨む五輪に万博 | 吉岡修 | |
| 臨海臨界嫌な記憶が蘇る | 板垣孝志 | |
| 平成のゴール両手を高く挙げ | こみち | |
| 定年に臨んで卒婚言いわたす | すずき善作 | |
| 半分の力で臨む泥仕合 | 冬子 | |
| 入院へ大人買いするブックオフ | たごまる子 | |
| 予選から無敗は2校のみとなる | アズスン安須 | |
| 子を守る形 足首太くして | 平井美智子 | |
| 赤門にグリコ2粒落ちている | 美春 | |
| 臨死体験してから面白いこの世 | 坂本星雨 | |
| ドア開けて監視社会へ一歩出る | 森山盛桜 | |
| 山頂の景色に諌められている | 森山文切 | |
| 消しゴムを忘れて先ずは氏名欄 | 西沢葉火 | |
| のっぺらな顔で臨んでいる謝罪 | 圦山繁 | |
| 死に臨むベストアンサー募集中 | 穂口正子 | |
| 臨時ニュース食べ残された目玉焼き | 青砥和子 | |
| 海臨む工場群の今は萌え | 石川柳寿 | |
| 厳正な処分で臨む不許可印 | スイッチ | |
| 在り方は臨機応変柔軟性 | フーマー | |
| 終活のパンフレットが読みにくい | フーマー | |
| 口角の上がり具合もまあまあで | 上田ひとみ | |
| 逃げ道を探して臨む会議室 | 伊藤良一 | |
| 胃カメラへ敵のように立ち向かう | 木田比呂朗 | |
| 喪主務め一皮剥けてゆく次男 | 城崎れい | |
| パイプ椅子式に臨んで又倉庫 | 黒しま | |
| 今日までの犠牲を武器に現地入り | 加藤当白 | |
| 期待して臨床試験受けてみる | 藤井康信 | |
| 会見に臨むマイクのミキシング | 美馬りゅうこ | |
| 降臨の女神へダウン着せ掛ける | 颯爽 | |
| ゆびの額つくってシルル紀を臨む | 怜 | |
| 佳5 | 終章へ臨む力は抜けている | 柳田かおる |
| 佳4 | 新機種に臨む爺ちゃんかっこいい | 松岡篤 |
| 佳3 | 印のない辞表見つめている背中 | 森山文切 |
| 佳2 | 神様の敷地に建てる研究所 | 板垣孝志 |
| 佳1 | 恩讐を越えて臨んでいる介護 | やひろ |
| 人 | 透明度ゼロの貴女と向かい合う | 森山盛桜 |
| 地 | この位置は明日拍手を浴びる場所 | 加藤当白 |
| 天 | 苦苦苦苦苦臨界点にある怒り | 藤井智史 |