題
「 窓 」
平 宗星 選
| 神様の覗いてくれる窓磨く | かきくけ子 | |
| 窓ガラス磨いて探す流れ星 | みぢんこ | |
| 病室の窓は淋しく暮れていく | 龍せん | |
| 誠実な四角四面の窓ガラス | 颯来 | |
| 帰らない窓に映りし子が笑う | 佐藤彰宏 | |
| 吹き抜けの窓にワタシが晒される | なお | |
| 天窓を開けると降り注ぐ民話 | 雨径 | |
| 融通のきかない窓が軋み出す | 武本碧 | |
| あなたしか見えない窓を泡立てる | 米山明日歌 | |
| 灯がともるきっと幸せなんだろう | 里山水月 | |
| タイトルは窓わたくしの雑記張 | 西口いわゑ | |
| 蔵の窓から焼け野原みた戦後 | 澤井敏治 | |
| 窓あけて待っててくれる母がいる | 夏川涼子 | |
| 別れよう窓に西陽が当たるから | 白鳥象堂 | |
| 一方的に見られるだけの棺の窓 | 北田のりこ | |
| 窓辺から過去を見ている車椅子 | 葵 | |
| パスワード忘れた窓が開かない | 平井美智子 | |
| 地下鉄の動体視力試す窓 | 岸田万彩 | |
| 真夜中の窓に魔女の宅急便 | 海賊芳山 | |
| 偽りの家族が見える飾り窓 | 上原稔 | |
| すんなりと開かない窓に産み付ける | 西沢葉火 | |
| ウインドウズ過去の私が蘇る | 副井裕 | |
| 満月をあざなう窓のペルシャ猫 | 斉尾くにこ | |
| 新聞で拭くと昭和の見える窓 | 辻内次根 | |
| 窓越しに愛の讃歌のフェルメール | あそか | |
| この窓を開ければきっと青い鳥 | 上山堅坊 | |
| 窓のない部屋と女と覗き穴 | 宮坂変哲 | |
| 秘めた熱よ透きとほれ窓のはざま | 秋鹿町 | |
| ドラえもん窓から答え教えてよ | 真島芽 | |
| パスワード忘れたままの鳩時計 | 美馬りゅうこ | |
| 窓付きの封筒銀河見てきたか | 怜 | |
| わけありの窓からもれてくる秘密 | 丘きらら | |
| 佳作 | 窓越しのキスに発車のベルが鳴る | 勢藤潤 |
| 嵌め殺し窓へロミオの恨み節 | 颯爽 | |
| 胸の奥開いた窓が見えますか | 大島ともこ | |
| 裏窓は秘密基地への非常口 | 佐藤ちなみ | |
| 窓があり花火に向ける亡父の椅子 | 岩根彰子 | |
| 人の句 | 窓明かりハ行が洩れてくる夕餉 | 山田こいし |
| 地の句 | ギロチンと知らず窓から首を出す | 平尾定昭 |
| 天の句 | 人間の背中に不透明な窓 | くみくみ |
題
「 窓 」
栃尾 奏子 選
| 空中の夕焼け窓が食べている | 麦乃 | |
| 窓の外平和な日本確かめる | みぢんこ | |
| 誠実な四角四面の窓ガラス | 颯来 | |
| 天窓を開けると降り注ぐ民話 | 雨径 | |
| この窓からいつも入って来るのです | 乙川初音 | |
| 訳あってA窓口がいいんです。 | くみ | |
| お向かいもどうやら眠れないようだ | 絹田あさ | |
| 融通のきかない窓が軋み出す | 武本碧 | |
| 灯がともるきっと幸せなんだろう | 里山水月 | |
| 焦がれてもセコム貼られた君の窓 | 前川真 | |
| 窓ガラス割った息子が父になり | 森野ハナ | |
| 天窓に猫が遺した謎の文字 | 須賀琉 | |
| 胸の奥開いた窓が見えますか | 大島ともこ | |
| 野良猫が来るじいさんの部屋の窓 | 森山文切 | |
| 窓全開家にもさせる深呼吸 | 橋倉久美子 | |
| 富士山が見えて値打ちが増した窓 | 岸田万彩 | |
| 飛び越えておいで小さな窓だから | こみち | |
| 百日紅のピンクが入る夏の窓 | 原徳利 | |
| ギロチンと知らず窓から首を出す | 平尾定昭 | |
| 熱帯夜浮世の窓に蚊が群れる | 宝花義一 | |
| とうもろこしですよ九月の窓ですよ | 斎藤秀雄 | |
| 天窓に猛暑を叩きつけられた | 尾崎良仁 | |
| 幸せっていつも窓から逃げるのよ | ジョニー杉崎 | |
| 新聞で拭くと昭和の見える窓 | 辻内次根 | |
| 窓越しに愛の讃歌のフェルメール | あそか | |
| 顔パスで窓から出入りするツバメ | 丹下凱夫 | |
| 温暖化窓の閉まった夏が来た | 木原正雄 | |
| 窓灯りほんとの事はわからない | 藤井みち | |
| 窓閉めて秘密がちょっと面白い | 真島凉 | |
| 鍵の無い窓です決して開きません | くみくみ | |
| 窓越えて子猫よ世間見ておいで | やひろ | |
| わけありの窓からもれてくる秘密 | 丘きらら | |
| 佳作 | 注意報スベテノマドヲアケナイデ | 武良銀茶 |
| いい風だ心の窓を開けておく | ターボ | |
| 窓閉めて女ひとりの顔になる | 大塚久子 | |
| おやこんな所に窓がある心 | 居谷真理子 | |
| クールベの骨太な海みえる窓 | 水たまり | |
| 人の句 | 左遷地の夜を窓から入れてやる | 福村まこと |
| 地の句 | ドラえもん窓から答え教えてよ | 真島芽 |
| 天の句 | 格差とはショーウィンドーの内と外 | 居谷真理子 |
森山さん、東京川柳会のフェイスブックにリンクありがとうございます。
私の選で【天】に選ばれたくみくみさんの作品は、
特に個性的で、文学的な現代川柳ですね。
強く心をに残りました。
私の現代川柳観から特選句の３句を鑑賞させていただきました。
投句されている方々の川柳創作の参考になれば、幸いです。
９月の皆さんの投句作品、楽しみにしています。
今後もよろしくお願いいたします。
文学博士 平 宗星（東京川柳会副主宰）
お忙しい中鑑賞をフェイスブックにご掲載いただきありがとうございました。
Twitterでも勉強になるという声が上がっておりました。
私も内在律、外在律が具体的に示されており大変参考になると感じました。
来月も何卒よろしくお願い致します。
くみ さん、私もとっても気になります。
どこの…くみさんでしょう？
そのうち「くみくみくみ」さんが現れるかもしれませんねっ！
コメント ありがとう✨
完司先生ブログの
くみです。
どうぞ宜しく✌お願いします。
「ビル」までにはあった過去の記録が見つからないのですが・・・・。
投句ページのコメント欄に記載しておりますのでご確認ください。
以下転載
8月22日のサーバー移行に伴い、結果掲載方法を変更しました。
今後過去分も新しい掲載方法に変換していきますがしばらく時間がかかります。
7月以前の結果は、7月の結果ページからご確認いただけます。
7月以前のトップページリンクは旧サイトのままとなっております。ご了承ください。
川柳塔web句会「窓」特選句の鑑賞を選者の平宗星さんからいただいております。
お忙しい中ありがとうございました。
東京川柳会のFacebookページをご覧ください。
https://www.facebook.com/tokyo.senryukai/
一句でも抜けて嬉しい花いちもんめ くみ
みなさまの 頭の柔らかさに いつも 感心しています。勉強になります。 くみくみ さん、 とっても気になります。親近感湧いてきます。
サーバー移行にあわせて、web句会結果の方法を変更しました。
具体的には、htmlファイルをアップロードしていたのをWordpressに固定ページを作成する方法に変えました。
これにより個別にコメント欄を作成できるようになりました。
ご質問、ご感想はこちらのコメント欄にいただけたら幸いです。