題
「話 す」
くんじろう 選
| 鬼ですが少しお話しませんか | 板垣孝志 | |
| パーマ屋の椅子が良く知る後日談 | 前川真 | |
| 吊革のぶっきら棒は貫禄だ | 岩根彰子 | |
| 友達はあなた似の石 壁のシミ | 米山明日歌 | |
| 赤ちゃんにこの世はつらいぞと話す | 新家完司 | |
| 笑い話だと泣きながら話す君 | 川本真理子 | |
| 真っ直ぐな肢体 春語のスイトピー | 平井美智子 | |
| 談合をするには適さないサウナ | 吉崎柳歩 | |
| 話し声がしそうな夜の野菜室 | 青砥たかこ | |
| 花の下みんなおしゃべり好きになる | 青砥たかこ | |
| 語り部になろうか海に石投げて | 柴田比呂志 | |
| 自販機に詰める何でもない言葉 | 柴田比呂志 | |
| 話し下手それで十分生きてきた | フーマー | |
| こんなものかなサランラップの中と外 | 森山盛桜 | |
| 水びたしなので母音で打ち合わせ | 斎藤秀雄 | |
| やさしく抱かれ白状してしまう | 田村ひろ子 | |
| 半額になれば話がよく弾む | 建次 | |
| 狛犬の無音は間合いとの会話 | 塚越孝一 | |
| 口下手な僕と話の分かる俺 | 塚越孝一 | |
| こんにゃくに理屈おばちゃんに膏薬 | 田口和代 | |
| 仁王門きゃんゆうすぴいくじゃぱにいず | 西沢葉火 | |
| 飲みながら話す飲む飲む話す飲む | 市木ひろし | |
| なんてことない日をカラフルに話す | 斉尾くにこ | |
| バブバブの違いが解る母の耳 | 藤田武人 | |
| 音声は変えてあります 自首シマス | 加藤当白 | |
| 加藤当白 | ||
| いい話だったとその時は思う | 柳田かおる | |
| ひと言の話し大洪水になる | 柳田かおる | |
| 話したら一緒に泣いてくれますか | 村田博. | |
| 話そうか綺麗な舌につけ替えて | 怜 | |
| けちくさいことをいう尼寺の狗 | 月波与生 | |
| 言葉尻少しまあるくしておこう | 水たまり | |
| 佳 作 | 丁寧な言葉原材料はウソ | 岸田万彩 |
| 蘊蓄ちくちくストラディヴァリウス | 田口和代 | |
| キリンのキとサッポロのポ密談す | 市木ひろし | |
| 唐辛子口いっぱいにして話す | 藤井智史 | |
| カツ丼の値段ビッタリ分話す | 森下博史 | |
| 人の句 | 棘話す炭酸水をつれていく | 稲垣康江 |
| 地の句 | 行きずりの女とカステラの話 | 森山文切 |
| 天の句 | 豆腐屋の主豆腐とだけ話す | 森下博史 |
題
「話 す」
居谷真理子 選
| 鬼ですが少しお話しませんか | 板垣孝志 | |
| 話さずに怒鳴っただけの舌を悔い | かきくけ子 | |
| よく話す渇き癒やしているらしい | 凡々児 | |
| もう世間話しかできない二人 | 汐海岬 | |
| あとすこし煮こぼれてから話します | 岩根彰子 | |
| 通訳が国の未来を話してる | まさよし | |
| もう話すことなどなくて店を出る | 橋倉久美子 | |
| 話すこともう無いですねハンコ押す | 山下凱柳 | |
| 赤ちゃんにこの世はつらいぞと話す | 新家完司 | |
| 話し合いより簡単な殴り合い | 新家完司 | |
| ゆっくりと話そう君が好きだから | あかり | |
| 話すのが苦手取り柄ないオウム | まさじ | |
| 話すこと一杯あったのに言えず | 中堀優 | |
| 丁寧な言葉原材料はウソ | 岸田万彩 | |
| この犬が話せばさぞや恨み節 | 浮世っ子 | |
| 無口のわけをとうとうと述べる父 | 田村ひろ子 | |
| 一応は聞くがどうでもいい話 | 佐々木弘子 | |
| 仁王門きゃんゆうすぴいくじゃぱにいず | 西沢葉火 | |
| モーツァルトの話題に変えて黙らせる | たごまる子 | |
| いつもなら話さぬ人と話す春 | 船岡五郎 | |
| 猫語を話す母日だまりの指定席 | たまき | |
| なんてことない日をカラフルに話す | 斉尾くにこ | |
| 墓そうじ孫の話をして帰る | 岸井ふさゑ | |
| いい話だったとその時は思う | 柳田かおる | |
| 口下手を返上します手話習う | 心咲 | |
| 話すことなくなり夜にもたれてる | 海賊芳山 | |
| 目が合えば話すことなど何もない | 石川柳寿 | |
| ふる里の話になると出る力み | すずき善作 | |
| 豆腐屋の主豆腐とだけ話す | 森下博史 | |
| ワシかてな雲と話した頃もある | 山中あきひこ | |
| 没落の家系を話す誇らしげ | 中内孚彦 | |
| 見たくない顔と話をするメール | 小林祥司 | |
| 佳 作 | 神様と話が合わぬことばかり | 十六夜 |
| 笑い話だと泣きながら話す君 | 川本真理子 | |
| 戦争の話はしない兵隊さん | 三好光明 | |
| 話すこといっぱいあって見つめ合い | 西口いわゑ | |
| 話そうか綺麗な舌につけ替えて | 怜 | |
| 人の句 | 烏カア日本語ヤバイ猿キャッキャ | 辻内次根 |
| 地の句 | 自販機に詰める何でもない言葉 | 柴田比呂志 |
| 天の句 | それ以上話すな涙拭きなさい | 千代美 |