題
「 仲 」
真島久美子 選
| 仲裁の出来るAI欲しくなる | 大木雅彦 | |
| 仲たがい横目で犬が吠えている | ガクちゃん | |
| タラップを降りる時だけ手をつなぎ | 竹中正幸 | |
| 恋仲になれそうな風吹き抜ける | 麦乃 | |
| 誘っているつもり靡いているつもり | 武本碧 | |
| 仲直りされたら困る少女像 | 谷口修平 | |
| 仲間には医者も僧侶も入れてある | 沢田正司 | |
| 雨降ればデートをやめるそんな仲 | 山本進 | |
| 仲良しになった 弱みを見せてから | 西山竹里 | |
| 仲人も絶滅危惧のたぐいかな | 山川守 | |
| ツーカーの仲で無口な二人です | 青砥たかこ | |
| 仲裁をかってでたのは薔薇の花 | 米山明日歌 | |
| この指に止まってくれるはずなのに | 大内せつ子 | |
| うどんでも食べて行こうと言える仲 | こみち | |
| したたかな癌も仲間に入れて老い | たまき | |
| 笑い声仲間はずれで聞いている | 平尾定昭 | |
| 芋づるの一つに僕がいる仲間 | 平尾定昭 | |
| 因数に分解できぬ夫婦仲 | 白鳥象堂 | |
| 木枯らしと赤いベンチの話し合い | 柴田比呂志 | |
| 輪郭にすれば一筆書きの仲 | 加藤当白 | |
| 挨拶をせぬゴキブリと仲違い | 新家完司 | |
| カップ麺取り持っている夫婦仲 | フーマー | |
| 病院でしか出会わない元上司 | 桔梗庵 | |
| 友達の友達に見る同じ色 | 大塚久子 | |
| お互いに傷があるから言える仲 | 船岡五郎 | |
| ハリネズミどうし仲良く保つ距離 | 澁谷さくら | |
| 天麩羅と西瓜が吠える自己主張 | 藤井智史 | |
| 仲直りしたのか声がやわらかい | 光畑勝弘 | |
| 信じあう仲で続いてゆく介護 | 城崎れい | |
| 貫禄がまあまあまあと割って入り | アズスン安須 | |
| 青空は仲間といつも半分こ | 永見心咲 | |
| 酒を飲む仲間がひとり逝きました | 丹下凱夫 | |
| 佳 作 | 毒饅頭食べて大人の仲間入り | あそか |
| 仲直りしたくてケンカ売っている | まさじ | |
| 仲間割れしそうでしない柚子胡椒 | 安藤なみ | |
| 蜜月の仲です 以上現場から | 加藤当白 | |
| 雪虫ふわり心通じる仲となる | 山本昌乃 | |
| 人の句 | 目が笑った指でマルしたそんな仲 | 吉岡修 |
| 地の句 | まだ仲が良かったころに来た手紙 | 橋倉久美子 |
| 天の句 | ネクタイを取ると同色だと分かる | 海賊芳山 |
題
「 仲 」
森山 盛桜 選
| 安泰のために仲良くする保身 | 颯来 | |
| 清濁を呑み合い同じ色になる | 藤澤霧堂 | |
| タラップを降りる時だけ手をつなぎ | 竹中正幸 | |
| 夕暮れがしんみり沁みる仲になり | のひろ | |
| 友がいる励まし役と叱り役 | かきくけ子 | |
| 恋仲になれそうな風吹き抜ける | 麦乃 | |
| 誘っているつもり靡いているつもり | 武本碧 | |
| 仲間には医者も僧侶も入れてある | 沢田正司 | |
| 雨降ればデートをやめるそんな仲 | 山本進 | |
| 仲間内でもなさそうな相撲界 | 茨木昭夫 | |
| 嘘つきに仲間外れという仕置き | 右田俊郎 | |
| まだ仲が良かったころに来た手紙 | 橋倉久美子 | |
| ネクタイを取ると同色だと分かる | 海賊芳山 | |
| 明るすぎて仲間外れにされた星 | まさと | |
| ふざけ合う仲間が遠くなってゆく | 十六夜 | |
| 芋づるの一つに僕がいる仲間 | 平尾定昭 | |
| 因数に分解できぬ夫婦仲 | 白鳥象堂 | |
| 納豆のネバネバ仲間割れ笑う | うちだあつこ | |
| 仲良しが知恵出し合って耐える冬 | 葱坊主 | |
| 蜜月の仲です 以上現場から | 加藤当白 | |
| 挨拶をせぬゴキブリと仲違い | 新家完司 | |
| 恋仲にオーバーヒートするスマホ | 高杉究作 | |
| 友多く蟻も蜥蜴も仲間うち | 岸井ふさゑ | |
| 仲間だと言われその気にさせられる | 佐々木弘子 | |
| 利己主義という厄介な同居人 | 笹倉良一 | |
| 居酒屋の仲間深くは知らぬまま | 片山かずお | |
| 価値観がもつれて不仲説が出る | 若芽 | |
| あっさりで飽きぬ茶漬けのような仲 | 孝代 | |
| キミとならおとなの酔いを楽しめる | 美馬りゅうこ | |
| 二人きりアールグレイと気取る仲 | 青砥和子 | |
| 自画像と仲良く肩を組む明日 | 颯爽 | |
| 仲のいい振りをしているおでん鍋 | 丹下凱夫 | |
| 佳 作 | 政界の仲間いつでもすりガラス | 荘子隆 |
| 毒饅頭食べて大人の仲間入り | あそか | |
| 笑いだすところが同じそんな仲 | 青砥たかこ | |
| 仲裁をかってでたのは薔薇の花 | 米山明日歌 | |
| この指に止まってくれるはずなのに | 大内せつ子 | |
| 人の句 | 病院でしか出会わない元上司 | 桔梗庵 |
| 地の句 | 仲間ではないな敬語が多すぎる | 笹倉良一 |
| 天の句 | 仲裁をどすんと父のしゃれこうべ | 岩根彰子 |