題
「貧しい」
真島久美子 選
| グチの芽が貧しい心から伸びる | 汐海岬 | |
| 貧しさの中に放さぬ本がある | 間瀬田紋章 | |
| 貧しさを笑えるほどに強くなり | かきくけ子 | |
| 貧しくはあるがセンスはあるつもり | 細川花門 | |
| 笑い袋を持った貧乏神といる | あそか | |
| 貧しさが自分以上を呼び覚ます | 加藤当白 | |
| 地を這って蟻はくよくよなどしない | まりえ | |
| コンペイトウ貧しき空に散りばめる | 米山明日歌 | |
| 電通が蟹工船になっていた | 白鳥象堂 | |
| DNAですか貧乏3代目 | 糀谷和郎 | |
| ぐらついた奥歯に貧困の連鎖 | 颯爽 | |
| 貧しさを言い訳にした反抗期 | 平井美智子 | |
| 貧しさを辿って行けばテロリスト | アズスン安須 | |
| 貧しい心にひまわりの束さしあげる | 大内せつ子 | |
| 両隣り見て立ち位置を決めている | 有海静枝 | |
| ガソリン代なくてベンツに乗ってない | 海賊芳山 | |
| 貧しいの文字を日記に書かぬ意地 | 船岡五郎 | |
| ねっとりとコロッケがまた値上げする | 尾崎良仁 | |
| 貧しさはみんな背中が寒いから | 柴田比呂志 | |
| 貧しさを少し忘れて買う金魚 | 福村まこと | |
| 鎧着て貧しい顔になってゆく | 岸井ふさゑ | |
| 貧しさは遠い記憶の醤油染み | 斉尾くにこ | |
| 貧しかったから悔しさも優しさも | 柳田かおる | |
| ボロボロのジーンズ貧しいと買えぬ | 青砥たかこ | |
| ありつけた仕事帰りの星月夜 | 黒しま | |
| 貧しさをチューインガムで紛らわす | すずき善作 | |
| 貧しさを恥じる心を恥とする | 伊藤良一 | |
| 貧しいがキャビアはほんと塩辛い | 森下博史 | |
| シンデレラ貧しいときは痩せていた | 森下博史 | |
| さんまが痩せている海が泣いている | こきんちゃん | |
| 卓袱台が勉強机だったころ | 田中章子 | |
| 貧しくて童話の猫がしゃべらない | 月波与生 | |
| 佳 作 | 家計簿にペンペン草がよく生える | 山本進 |
| 貧しさをサプリメントにして笑う | うちだあつこ | |
| さよならの後の貧しい音抱く | 米山明日歌 | |
| 貧困の地にも向日葵咲いている | 藤井智史 | |
| 青空の孤独が何となく分かる | 柴田比呂志 | |
| 人の句 | 梅ぼしの種に語っている野望 | 加藤当白 |
| 地の句 | かもめかもめ貧しいものは正面へ | 月波与生 |
| 天の句 | 魂をお金に換えたことがある | 平井美智子 |
題
「貧しい」
森山 盛桜 選
| 来し方を見れば貧しい反射光 | 藤澤霧堂 | |
| イメージの貧しさ嘆くすすきの穂 | 武本碧 | |
| しぼっても貧しい脳の悲鳴だけ | 吉岡修 | |
| 天高く貧しき村はバスも来ず | 板垣孝志 | |
| 家計簿にペンペン草がよく生える | 山本進 | |
| 青空に向けて貧しさ蹴っ飛ばす | 白瀬白洞 | |
| 小銭なら貯金箱からあふれてる | 川本真理子 | |
| 貧乏はなってみないと分からない | はぐれ雲 | |
| ボキャブラリー不足のたうつ五七五 | はな | |
| 日本語を貧しくさせていく略語 | 北田のりこ | |
| 強がって貧しい言葉ぶつけ合う | 西山竹里 | |
| 貧しさを見ないふりする夢の島 | 十六夜 | |
| 電通が蟹工船になっていた | 白鳥象堂 | |
| DNAですか貧乏3代目 | 糀谷和郎 | |
| ぐらついた奥歯に貧困の連鎖 | 颯爽 | |
| 貧しさが沁み込んでいる小銭入れ | 新家完司 | |
| 記憶の隅っこに雨が漏る生家 | 新家完司 | |
| 魂をお金に換えたことがある | 平井美智子 | |
| 貧しさは顔に映した囲炉裏の火 | 辻内次根 | |
| 貧乏な頃には愚痴も出なかった | 笹倉良一 | |
| 何だってあるが貧しい星に住む | 圦山繁 | |
| 貧しさを辿って行けばテロリスト | アズスン安須 | |
| 冷蔵庫満たしてこころ飢えている | 岩根彰子 | |
| 貧しいの文字を日記に書かぬ意地 | 船岡五郎 | |
| 平均値見上げる位置にいる暮らし | 高浜広川 | |
| 鎧着て貧しい顔になってゆく | 岸井ふさゑ | |
| 満足のゾーンを今は見失う | アゲハ | |
| 炎上の貧しい声のツイッター | 野平光太郎 | |
| 横顔はのっぺらぼうなプロフィール | 美馬りゅうこ | |
| ありつけた仕事帰りの星月夜 | 黒しま | |
| 貧しさをチューインガムで紛らわす | すずき善作 | |
| 貧しいな老人までがすぐキレる | 田中章子 | |
| 佳 作 | 心まで貧しくはない日和下駄 | 武本碧 |
| 地を這って蟻はくよくよなどしない | まりえ | |
| コンペイトウ貧しき空に散りばめる | 米山明日歌 | |
| 同居する貧乏神も高齢者 | 澤井敏治 | |
| 貧しさを少し忘れて買う金魚 | 福村まこと | |
| 人の句 | 梅ぼしの種に語っている野望 | 加藤当白 |
| 地の句 | ボロボロのジーンズ貧しいと買えぬ | 青砥たかこ |
| 天の句 | 貧しさをサプリメントにして笑う | うちだあつこ |