2017年10月WEB句会 (第19回)

2017年10月WEB句会 (第19回)

投句数 327句(166名)
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「貧しい」
真島久美子 選

グチの芽が貧しい心から伸びる汐海岬
貧しさの中に放さぬ本がある間瀬田紋章
貧しさを笑えるほどに強くなりかきくけ子
貧しくはあるがセンスはあるつもり細川花門
笑い袋を持った貧乏神といるあそか
貧しさが自分以上を呼び覚ます加藤当白
地を這って蟻はくよくよなどしないまりえ
コンペイトウ貧しき空に散りばめる米山明日歌
電通が蟹工船になっていた白鳥象堂
DNAですか貧乏3代目糀谷和郎
ぐらついた奥歯に貧困の連鎖颯爽
貧しさを言い訳にした反抗期平井美智子
貧しさを辿って行けばテロリストアズスン安須
貧しい心にひまわりの束さしあげる大内せつ子
両隣り見て立ち位置を決めている有海静枝
ガソリン代なくてベンツに乗ってない海賊芳山
貧しいの文字を日記に書かぬ意地船岡五郎
ねっとりとコロッケがまた値上げする尾崎良仁
貧しさはみんな背中が寒いから柴田比呂志
貧しさを少し忘れて買う金魚福村まこと
鎧着て貧しい顔になってゆく岸井ふさゑ
貧しさは遠い記憶の醤油染み斉尾くにこ
貧しかったから悔しさも優しさも柳田かおる
ボロボロのジーンズ貧しいと買えぬ青砥たかこ
ありつけた仕事帰りの星月夜黒しま
貧しさをチューインガムで紛らわすすずき善作
貧しさを恥じる心を恥とする伊藤良一
貧しいがキャビアはほんと塩辛い森下博史
シンデレラ貧しいときは痩せていた森下博史
さんまが痩せている海が泣いているこきんちゃん
卓袱台が勉強机だったころ田中章子
貧しくて童話の猫がしゃべらない月波与生
佳 作家計簿にペンペン草がよく生える山本進
貧しさをサプリメントにして笑ううちだあつこ
さよならの後の貧しい音抱く米山明日歌
貧困の地にも向日葵咲いている藤井智史
青空の孤独が何となく分かる柴田比呂志
人の句梅ぼしの種に語っている野望加藤当白
地の句かもめかもめ貧しいものは正面へ月波与生
天の句魂をお金に換えたことがある平井美智子

「貧しい」
森山 盛桜 選

来し方を見れば貧しい反射光藤澤霧堂
イメージの貧しさ嘆くすすきの穂武本碧
しぼっても貧しい脳の悲鳴だけ吉岡修
天高く貧しき村はバスも来ず板垣孝志
家計簿にペンペン草がよく生える山本進
青空に向けて貧しさ蹴っ飛ばす白瀬白洞
小銭なら貯金箱からあふれてる川本真理子
貧乏はなってみないと分からないはぐれ雲
ボキャブラリー不足のたうつ五七五はな
日本語を貧しくさせていく略語北田のりこ
強がって貧しい言葉ぶつけ合う西山竹里
貧しさを見ないふりする夢の島十六夜
電通が蟹工船になっていた白鳥象堂
DNAですか貧乏3代目糀谷和郎
ぐらついた奥歯に貧困の連鎖颯爽
貧しさが沁み込んでいる小銭入れ新家完司
記憶の隅っこに雨が漏る生家新家完司
魂をお金に換えたことがある平井美智子
貧しさは顔に映した囲炉裏の火辻内次根
貧乏な頃には愚痴も出なかった笹倉良一
何だってあるが貧しい星に住む圦山繁
貧しさを辿って行けばテロリストアズスン安須
冷蔵庫満たしてこころ飢えている岩根彰子
貧しいの文字を日記に書かぬ意地船岡五郎
平均値見上げる位置にいる暮らし高浜広川
鎧着て貧しい顔になってゆく岸井ふさゑ
満足のゾーンを今は見失うアゲハ
炎上の貧しい声のツイッター野平光太郎
横顔はのっぺらぼうなプロフィール美馬りゅうこ
ありつけた仕事帰りの星月夜黒しま
貧しさをチューインガムで紛らわすすずき善作
貧しいな老人までがすぐキレる田中章子
佳 作心まで貧しくはない日和下駄武本碧
地を這って蟻はくよくよなどしないまりえ
コンペイトウ貧しき空に散りばめる米山明日歌
同居する貧乏神も高齢者澤井敏治
貧しさを少し忘れて買う金魚福村まこと
人の句梅ぼしの種に語っている野望加藤当白
地の句ボロボロのジーンズ貧しいと買えぬ青砥たかこ
天の句貧しさをサプリメントにして笑ううちだあつこ

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