題
「 子 」
太田紀伊子 選
| 鯉のぼり淋しく泳ぐ父子家庭 | 落犀庵 | |
| 子の挫折励ましながら育つ親 | 麦乃 | |
| 親の夢しっかり盛った子の名前 | バンビ | |
| 子にいくささせたい親がいるものか | 澁谷さくら | |
| 子はかすがい死語になったか離婚増え | 村上玄也 | |
| 家庭不和 勘の鋭い子が育ち | 海峡ちどり | |
| かすがいになった娘が嫁げない | はぐれ雲 | |
| ペン回しできてペンだこできない子 | 由美 | |
| 案山子立つ里にTPPの風が吹く | 高杉究作 | |
| あいさつがきちんとできる隣の子 | 吉崎柳歩 | |
| 子供らが笑うと空が晴れてくる | 平井美智子 | |
| 地雷避け先を行く子の目が哀し | 風間なごみ | |
| 富士山と太陽子供でも描ける | 寺川弘一 | |
| 変声期お袋なんて言うある日 | 半田山々坊 | |
| 巣立った子ふる里遠く家を建て | 若芽 | |
| 諸事情をふまえ迷子のふりをする | 海賊芳山 | |
| 無愛想な息子も母の日は覚え | 両澤行兵衛 | |
| 息子から免許返納さぐられる | 美馬りゅうこ | |
| 一人ずつ巣立ちお日様たまる部屋 | 青砥たかこ | |
| 思春期の子機へ親機が通じない | 加藤当白 | |
| 初めての子にすべての指を確かめる | 上原稔 | |
| ゼロ金利虎の子たちに足が生え | 福西茶子 | |
| 欲しがらず駄々もこねない一人っ子 | よしやる | |
| 子育てのツバメに軒が姦しい | 颯爽 | |
| 子は宝撫でて磨いて輝かす | 藤井智史 | |
| 投票日9条守れ子へ電話 | 平尾定昭 | |
| 詰め甘いDNAだ私の子 | うちだあつこ | |
| 息子との中間点に酒がある | ころのすけ | |
| 団塊は脱脂粉乳コッペパン | 深谷江利子 | |
| 迷惑はかけぬかけぬと子を縛る | 久保卓子 | |
| 二世というブランドだけで生き残る | 石森あやみ | |
| 花好きにこの子と呼ばれ育つ薔薇 | 怜 | |
| 佳 作 | 可愛いが叱りたくなる宝物 | 龍せん |
| 選挙権あるぞ子供というなかれ | 森山盛桜 | |
| 子の邪魔をせぬよう一人遊びする | 森清泰範 | |
| 赤門から裏門へ抜け迷子です | 青砥和子 | |
| ジャンプする伸びしろを持つ蛙の子 | 水たまり | |
| 人の句 | 柔らかな光も闇も子に当たる | 杉山太郎 |
| 地の句 | 負うた子のナビで抜け出た蟻地獄 | あそか |
| 天の句 | 子を産めぬ社会へ進化するなんて | 上山堅坊 |
題
「 子 」
新家 完司 選
| 子の挫折励ましながら育つ親 | 麦乃 | |
| 取り置きのワインをあける子の門出 | あそか | |
| 三歳の美魔女が爺の骨を抜く | みずえ | |
| 読み方のクイズのような子の名前 | 坂上淳司 | |
| 難民の子らの写真にピースなし | アズスン安須 | |
| 子が育つ同じ歩みで親育つ | samu | |
| 抱きぐせがついて生えない永久歯 | よしひさ | |
| 家庭不和 勘の鋭い子が育ち | 海峡ちどり | |
| かすがいになった娘が嫁げない | はぐれ雲 | |
| そのうちに親の保護者になる子供 | 由美 | |
| 暁光へ向かって走るランドセル | 辻内次根 | |
| しかたない産んだ責任者はわたし | 有海静枝 | |
| 子は巣立ちもう通じない糸電話 | 吉崎柳歩 | |
| ほっこりと小芋 明日は娘が嫁ぐ | 平井美智子 | |
| 続くテロはだしの子らの眼が痛い | 澤井敏治 | |
| アトリエへ不意に倅の弟子志願 | 富田美義 | |
| Eメール親娘の会話復活し | 富田保子 | |
| ばあちゃんの前で静かなお父さん | 佐藤千四 | |
| かすがいの子が原因の離婚劇 | 竹内いそこ | |
| 子のために死ねる覚悟はいつも有る | 穂口正子 | |
| 子の邪魔をせぬよう一人遊びする | 森清泰範 | |
| 見て聞いて日ごと広がる子の歩幅 | 高浜広川 | |
| 息子から免許返納さぐられる | 美馬りゅうこ | |
| 距離置いて子の忠告を受け止める | こきんちゃん | |
| 思春期の子機へ親機が通じない | 加藤当白 | |
| 少子化で濡れ煎餅がよく売れる | 青砥和子 | |
| 父は子へ海の大きさ語り継ぐ | 柴田比呂志 | |
| 草笛の音母は迷子になっている | 明日歌 | |
| 助けたい助けたくない巣立った子 | 船岡五郎 | |
| アナログとデジタル親と子のギャップ | うちだあつこ | |
| 無口な子無口な親と飲んでいる | 鈴木いさお | |
| 店頭の桃は完熟子も老いる | 水たまり | |
| 佳 作 | 目刺し焼くいい子で暮れたご褒美に | 相模秋茜 |
| ペン回しできてペンだこできない子 | 由美 | |
| 巣立った子ふる里遠く家を建て | 若芽 | |
| 巣立った子の穴埋めている一行詩 | 松尾美智代 | |
| わが子より長生きしたらどないしょう | 久保卓子 | |
| 人の句 | 息子との中間点に酒がある | ころのすけ |
| 地の句 | 未来への力をチャージ子を抱く | てまり |
| 天の句 | 私の中の子どもが騒がしい | 岡本恵 |