真島久美子ミニ句集「吉野ヶ里より愛を込めて」
真島久美子(ましまくみこ)
佐賀県神埼郡吉野ヶ里町在住
柳歴
両親の影響で4歳より川柳を作り始める
番傘川柳本社同人
川柳葦群同人
川柳 港 同人
川柳塔社誌友
平成24年7月 卑弥呼の里川柳会立ち上げ
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はじめに
私は句集を出版したことがないので、これが処女句集になる。小さい頃から川柳をしている為、句数だけは膨大にあり(良し悪しは別として)どこから手をつけていいのか、お手上げ状態だった。いい機会だと思い昔の句に目を通してみたが、これまた読んでいて恥ずかしいものばかり。よくもまぁ、どの面下げてこんな句を作ったのだと呆れてしまった。小学生の頃の句は、素直で可愛いものが多い。中学生と高校生の頃は、剣道の句ばかりだ。それから片思いの句。そこから先が恥ずかしいのだ。あの頃に戻れるならば「ちょっと久美子さん。こんな句を作りよったら将来大恥かくばい!」と教えてあげたい。
佐賀県では、年に数回「葉隠研究」という本が出版される。これは佐賀の歴史を学ぶのにはもってこいの内容で、県内の本屋さんに置いてある。そこの川柳コーナーを担当させてもらっているのだが、四か月に一度くらいなので、その時に自分の川柳ノートを整理するようにしている。そしてその中から、自分の好きな句を五句選んで掲載している。年間にすれば十五句ほどではあるが、それが一年間のうちで私が最も好きだった自分の句だ。今回のミニ句集は、その中から選ぶことにした。私の独断と偏見で選んだもので申し訳ない気持ちだが、皆さんに読んでいただけるとありがたい。
十指しかなくて心が掴めない
通り雨嘘が滲んだだけのこと
アンテナの形で人を乞うている
核心にせまる醜く溶けながら
生きてゆくつもり鉛筆噛みながら
心臓と書いてハートと読む月夜
鉱山も私もゆっくりと錆びる
泣き虫が全部奪ってゆくのです
地平線父にも父がいたように
シャーベット状の言葉で眠れない
言い訳の一つに雪を抱いている
負け犬になれるアナタはかっこいい
生ぬるい雨生ぬるい胸に降る
予防接種のような恋なら済みました
折り紙の白が迷ってばかりいる
ライオンになろうなろうと痩せてゆく
どれくらい憎いか聞いてくる雨だ
アスファルトなんかに私咲かないわ
取り外し可能と書いてある背中
形あるものが怖くて裏返す
飛び跳ねる劣等感のその上で
私には無い迷路から出る勇気
仲間だと思う裸足でサンダルで
触れた手が心になってゆくのです
酸性になるまで泣いてみるつもり
母さんがくれた100ワットの言葉
線になる点をいくつも持った母
淋しいと書けば重たい紙になる
試着室鏡の奥にある樹海
冷えた指以下同文の中の冬
藁を編む素手も素足も藁にして
黒だけが残る絵の具の中の海
異次元のバスは私を置いて行く
月までの距離で私を光らせる
指差した先に等身大の虹
縮んだらスタンドバイミーを流す
輪の中で吠えたい喉を持て余す
清潔な指で潰しなさい私
スキップをしたらピカソの絵になった
口笛でゆっくり消えてゆく火種
クエスチョンマークの下にある酸素
目の前で散っているのは自尊心
直線が生まれるここじゃない何処か
飯粒が六法全書から零れ
向こう岸ばかりに届く桃である
追伸は人間臭いことを書く
夕陽ってこんなに小さかったかな
軽々と言葉を越えてくる涙
飛べそうな肩甲骨にある記憶
一輪が跳ねて野の花らしくなる
(平成29年8月10日掲載)
久美子さん 突然見つけました ゆっくり鑑賞させてもらいました。
素晴らしい句ばかり せいけん 2017-9-29
ありがとうございます。
真面目な句ばかりで、面白味に欠けている気が今更ながらしています。
これからも頑張ります!!
遅くなりました。八月はゴタゴタしていて
やっとこのコーナーに辿り着きました。
好きな句を五つ
作者には心外だろう僕の選
「深い句を採って」と声が聞こえそう
アンテナの形で人を乞うている
シャーベット状の言葉で眠れない
形あるものが怖くて裏返す
仲間だと思う裸足でサンダルで
母さんがくれた100ワットの言葉
何をおっしゃいます。
最高に深い句を五句、選んでいただきありがとうございます( *´艸`)
山梨で、ヨッシーの作句をみんなが褒めていました。(私も褒めたからね!)
そろそろ「全没ヨッシー」から改名されてもいいと思います。
卑弥呼と吉野ケ里大会以外の全没は無いと思いますよ!!!!
10月7日川柳塔大会、大阪!!マア元気印ですね!!
ふふふふふお誕生日が過ぎてるね。
私は10月3日です。Ψ(´д`)Ψヶヶヶ・・・戦中派!!
私の母は9月17日で99歳です。
すっかりタガが緩んでるみたいですが、ケアハウスで「俳句&川柳」を書いていました。
☆子供らはたいこたたいてうれしいな(登美=母)
☆高そくバスでついたところは大阪で目がさめた(登美=母)~山頭火の句みたいです。(笑)
憧れの久美子さんおめでとうございます。
ますます久美子さん一家のフアンになりました。
現代川柳大会の花
久美子さんわたしオッカケになりそう!!
なってなって!
10月7日川柳塔大会、大阪で待ってるよ(●´ω`●)
私なんかオッカケたら、本当にあっちこっち行くから大変なことに・・・
でも、宮崎LOVEです★
負け犬になれるアナタはかっこいい(久美子さん)
この句が大好きです。
毎日ジャングルにいるみたいなスコール?が夕方都城市にふります。
亜熱帯になっていくみたいですね。
女流大会の時思ったのですが、久美子さんは見るたびにキレイになっていきます。
吉野ケ里公園駅の正面のシマトネリコの木の「蝉しぐれ」乱舞していた「赤とんぼ」
自然豊かな環境が久美子さんを川柳女子に育てたのですね。
本当に吉野ケ里は自然豊かです。
前は「東背振村」だったのですよ。
村長さんがいて、村民体育大会でしたね~。
村が好きだったな(*^-^*)
読ませてもらいましたよ。
仲間だと思う裸足でサンダルで
二番目くらいに好きです
一番は今度あった時にこっそりと。
タスケちゃん、ありがとう!!
一番好きな句がめちゃめちゃ気になるなぁ・・・
気になって眠れないなぁ・・・
早く静岡に行こう(=゚ω゚)ノ