本社句会秀句2024

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川柳塔 2024年4月本社句会秀句    
席題 「 式 」 平賀 国和 選    
人の句 平安のロマン式部の冴える筆 鈴木いさお  
地の句 表彰式はチョン髷結った尊富士 坂上淳司  
天の句 ランドセル夢の詰まった入学式 斎藤隆浩  
兼題 「初めて」 坂  裕之 選    
人の句 ビギナーの竿にマグロが喰い付いた 藤田武人  
地の句 入社して初めて知った世間の目 内藤憲彦  
天の句 初めてが好き天国も楽しみだ 新家完司  
兼題 「よもや」 山野 寿之 選    
人の句 快晴の笑顔信じた日の誤算 栃尾奏子  
地の句 信じてた分だけよもやが深くなる 古今堂蕉子  
天の句 ハグをしたその手で銃を握るのか 木本朱夏  
兼題 「部 品」 宇都満知子 選    
人の句 五臓六腑みんな大切な部品 鈴木いさお  
地の句 じいちゃんのとっても大切な入れ歯 きとうこみつ  
天の句 コロナ五年顔のパーツとなるマスク 澤井敏治  
兼題 「火 傷」 平井美智子選    
人の句 火遊びの跡です今もピンクです 川上大輪  
地の句 花びらのかたちに癒えた火傷痕 木本朱夏  
天の句 抱きしめて火傷突き放して火傷 栃尾奏子  
兼題 「自由吟」 小島 蘭幸 選    
人の句 ステージ四を生き抜く君へ桜咲く 島田明美  
地の句 病室のベッドを城と父は呼ぶ 小野雅美  
天の句 令和六年四月五日に会う桜 居谷真理子  
月間賞  居谷真理子    
       

 

川柳塔 2024年3月本社句会秀句    
席題 「 羽 」 上田ひとみ 選    
人の句 羽のばしてるのに誰も気づかない 初代正彦  
地の句 一羽二羽飛び立ったって次がある 坂 裕之  
天の句 蜜蜂の羽音 恋しい人が来る 平井美智子  
兼題 「カット」 加藤江里子 選    
人の句 別れ話は傘の雫を切ってから 藤井宏造  
地の句 某国のテレビ操作に騙される 川端一歩  
天の句 切り取り線の上でうろうろする本音 髙杉 力  
兼題 「図 面」 野口真桜子 選    
人の句 縮尺を間違えポチの家となる 糀谷和郎  
地の句 図面引く前に匠は木と対話 失 明  
天の句 蜘蛛の巣のかたちになってきた図面 桒原道夫  
兼題 「座 る」 内田志津子 選    
人の句 辛酸を舐めて男の座る肝 長谷川崇明  
地の句 半世紀老舗守った座り胼胝 柴本ばっは  
天の句 AIが人の上座にあぐらかく 酒井健二  
兼題 「貫 く」 中岡千代美選    
人の句 貫通をしてるか見たくなる小穴 糀谷和郎  
地の句 ハンカチを白で通した父の意地 柿花和夫  
天の句 片思いだけどあきらめたりしない 片岡加代  
兼題 「自由吟」 小島 蘭幸 選    
人の句 春風を掴んだ 君の腕だった 平井美智子  
地の句 まるひとつ描いた あなたをつかまえた 栃尾奏子  
天の句 健康な人で賑わう葬儀場 新家完司  
月間賞  新家完司    
       
川柳塔 2024年2月本社句会秀句    
席題 「 志 」 初代 正彦 選    
人の句 折り返し地点に置いて来た大志 髙杉 力  
地の句 夢あまた能登にかかった虹の先 森田旅人  
天の句 プラス志向不時に備えて磨く靴 澤井敏治  
兼題 「ポツン」 飛永ふりこ 選    
人の句 「ありがとう」ポツンと言って逝くつもり 敏森廣光  
地の句 被災地の電柱線を待っている 川端一歩  
天の句 点滴のポツンに生きている命 山野寿之  
兼題「端布(端切れ)」 原田すみ子 選    
人の句 存在の意義私にも歯切れにも 出口セツ子  
地の句 端切れ同志肩組みあって労働歌 吉村久仁雄  
天の句 パッチワークで出来ている世界地図 川上大輪  
兼題 「厳しい」 藤村 亜成 選    
人の句 大寒波丹頂の紅冴えかえる 野口真桜子  
地の句 えべっさんの顔が一番厳しいぞ 桒原道夫  
天の句 八冠が更に最善目指してる 安福和夫  
兼題 「磨く」 新家 完司 選    
人の句 スリップドレスが似合うようにと磨きます 中岡千代美  
地の句 八十路来て磨いています黙秘術 藤原大子  
天の句 嫁はんに負けじと磨く肝っ玉 栃尾奏子  
兼題 「自由吟」 小島 蘭幸 選    
人の句 頑張れと今は言えない能登の里 松下英秋  
地の句 生まれ変わったの駅ピアノになって 藤井宏造  
天の句 揺れた地の二月の空の青の青 平井美智子  
月間賞  平井美智子    
       
川柳塔 2024年1月本社句会秀句    
席題 「 光 」 山下じゅん子 選    
人の句 七光り一気に蹴って一人立ち 柴本ばっは  
地の句 残り火を燃やしレジェンド光りだす 酒井健二  
天の句 初春の光を消した能登地震 敏森廣光  
兼題 「ポ チ」 髙杉  力 選    
人の句 散歩道ポチに知り合いたんとあり 森田旅人  
地の句 緩んでる首輪とポチは知っている 平井美智子  
天の句 曲がったらイカン道やとポチが言う 柴本ばっは  
兼題 「玩 具」 糀谷 和郎 選    
人の句 裏山がおもちゃの宝庫だった里 石田孝純  
地の句 おもちゃに国でマトリョーシカが孤立する 鈴木いさお  
天の句 手作りのおもちゃに父が生きている 片岡加代  
兼題 「重 い」 松岡  篤 選    
人の句 重いもの父の言葉と母の愛 青木隆一  
地の句 国ちがい命の重さちがう国 酒井健二  
天の句 書き溜めた秘密が重い日記帳 小野雅美  
兼題 「輝 く」 荻野 浩子 選    
人の句 つららの中で冬の妖精輝いた 水野黒兎  
地の句 現役で今も輝く白寿の手 平松かすみ  
天の句 子らの目の輝き奪い去る戦 坂上淳司  
兼題 「自由吟」 新家 完司 選    
人の句 死に方の中でも餓死だけはご免 鈴木いさお  
地の句 人生の夕暮れ時に虹が欲し 矢倉五月  
天の句 皆帰り柱時計がよく響く 原田すみ子  
月間賞  原田すみ子