本社句会秀句2023

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川柳塔 2023年5月本社句会秀句    
席題 「 気 」 山野 寿之 選    
人の句 百歳の元気も昔粗衣粗食 長谷川崇明  
地の句 つばくらめ夏の気配の空を飛ぶ 水野黒兎  
天の句 陽気です森の小人と喋れます 澤井敏治  
兼題 「通 す」 廣田 和織 選    
人の句 湯通しをしたら笑顔の春野菜 初代正彦  
地の句 通せんぼマイナカードを見せなさい 居谷真理子  
天の句 春風を臍まで通す深呼吸 新家完司  
兼題 「バランス」 原田すみ子 選    
人の句 子悪人たまに仏の顔をする 饗庭風鈴  
地の句 笑いこけ一度バランス崩したい 安福和夫  
天の句 愛します君が愛してくれたなら 居谷真理子  
兼題 「湿 る」 内田志津子 選    
人の句 かびぬよう心の窓を開けておく 冨永恭子  
地の句 湿り気を帯びて女が出来上がる 青木ゆきみ  
天の句 つないだ手じっとり湿る十五の春 古今堂蕉子  
兼題 「景 色 」 新家 完司 選    
人の句 オーシャンビュー聞こえは良いが崖っぷち 斎藤隆浩  
地の句 養花天京都は円い山ばかり 稲葉良岩  
天の句 逆上がりできた 地球がころがった 島田明美  
兼題 「 自由吟 」 小島 蘭幸 選    
人の句 まんまるい月のかたちをした孤独 平井美智子  
地の句 渚にてこころの粒粒を拾う 桒原道夫  
天の句 転ぶのは神の戒めではないか 初代正彦  
月間賞  初代正彦    
       

 

川柳塔 2023年4月本社句会秀句    
席題 「 癖 」 糀谷 和郎 選    
人の句 ひらめきは無いがとことん粘るクセ 内藤憲彦  
地の句 晩年の旅は西へと行きたがる 山﨑武彦  
天の句 一徹を通すへそ曲がりの癖字 荻野浩子  
兼題 「片 方」 野口真桜子 選    
人の句 ワイヤレス片方ずつで聞く二人 宇都満知子  
地の句 片足は君の陣地に入れておく 桒原道夫  
天の句 隣席に部長右肩だけが凝る 森松まつお  
兼題 「あきれる」 平賀 国和 選    
人の句 妊婦を前にスマホ夢中の長い脚 澤井敏治  
地の句 底辺の蟻の涙は知らぬ国 出口セツ子  
天の句 人間にあきれて桜散っていく 新家完司  
兼題 「とろり」 鈴木いさお 選    
人の句 冷汗とろり油汗とろとろり 藤村亜成  
地の句 舌の上で暫く弄ぶマグロ 島田握夢  
天の句 ふたりならとろり堕ちたい花の闇 木本朱夏  
兼題 「簡 単 」 木本 朱夏 選    
人の句 簡単に親になってからのいばら 古今堂蕉子  
地の句 切って盛るトマトと豆腐いい子です 冨永恭子  
天の句 言い訳は百字以内で願います 大久保眞澄  
兼題 「 自由吟 」 小島 蘭幸 選    
人の句 お日様も淋しい家に帰るのか 居谷真理子  
地の句 余命七万時間を想う花吹雪 木本朱夏  
天の句 少し飲みませんか 桜は散りました 平井美智子  
月間賞  平井美智子    
       
川柳塔 2023年3月本社句会秀句    
席題 「 父 」 髙杉  力 選    
人の句 フィリピンをついに語らず逝った父 稲葉良岩  
地の句 ふる里の駅舎降りるといつも父 山下じゅん子  
天の句 アメリカも見えそう父の肩車 川端六点  
兼題 「学 ぶ」 石田ひろ子 選    
人の句 おっぱいを飲むのが初めての学び 青木ゆきみ  
地の句 遠まわり学べば怖いものは無い 米田利惠子  
天の句 老いて尚学びつづける虫眼鏡 酒井紀華  
兼題 「かけら」 山下じゅん子 選    
人の句 嵐の予感 女雛の花は欠けていた 島田明美  
地の句 一ピース足りずに愛はまだ未完 木本朱夏  
天の句 大河の一滴されど濁らぬ正義感 澤井敏治  
兼題 「ノー」 吉村久仁雄 選    
人の句 権力に白紙揚げて屈しない 両澤行兵衛  
地の句 挑発をしているらしいノーガード 中岡千代美  
天の句 ノーと言うただそのために逢いに行く 髙杉力  
兼題 「好 意 」 江畑 哲男 選    
人の句 勘違いしそう優しくしないでね 青砥たかこ  
地の句 ご好意の便座が少し熱すぎる 平井美智子  
天の句 人妻であろうと好きな人は好き 藤井宏造  
兼題 「 自由吟 」 小島 蘭幸 選    
人の句 裏表のない人味もなさそうだ 青砥たかこ  
地の句 モーイイカイと土筆マーダダヨと蓬 川端六点  
天の句 逢えぬ子に十五センチの靴を買う 島田明美  
月間賞  島田明美    
       
川柳塔 2023年3月本社句会秀句    
席題 「 父 」 髙杉  力 選    
人の句 フィリピンをついに語らず逝った父 稲葉良岩  
地の句 ふる里の駅舎降りるといつも父 山下じゅん子  
天の句 アメリカも見えそう父の肩車 川端六点  
兼題 「学 ぶ」 石田ひろ子 選    
人の句 おっぱいを飲むのが初めての学び 青木ゆきみ  
地の句 遠まわり学べば怖いものは無い 米田利惠子  
天の句 老いて尚学びつづける虫眼鏡 酒井紀華  
兼題 「かけら」 山下じゅん子 選    
人の句 嵐の予感 女雛の花は欠けていた 島田明美  
地の句 一ピース足りずに愛はまだ未完 木本朱夏  
天の句 大河の一滴されど濁らぬ正義感 澤井敏治  
兼題 「ノー」 吉村久仁雄 選    
人の句 権力に白紙揚げて屈しない 両澤行兵衛  
地の句 挑発をしているらしいノーガード 中岡千代美  
天の句 ノーと言うただそのために逢いに行く 髙杉力  
兼題 「好 意 」 江畑 哲男 選    
人の句 勘違いしそう優しくしないでね 青砥たかこ  
地の句 ご好意の便座が少し熱すぎる 平井美智子  
天の句 人妻であろうと好きな人は好き 藤井宏造  
兼題 「 自由吟 」 小島 蘭幸 選    
人の句 裏表のない人味もなさそうだ 青砥たかこ  
地の句 モーイイカイと土筆マーダダヨと蓬 川端六点  
天の句 逢えぬ子に十五センチの靴を買う 島田明美  
月間賞  島田明美    
       
川柳塔 2023年2月本社句会秀句    
席題 「 外 」 緒方美津子 選    
人の句 コメンテーター部外者だから好きなこと 両澤行兵衛  
地の句 外は雨うちは嵐の遺産分け 水野黒兎  
天の句 外野からぼかり吠えてるアカンタレ 荻野浩子  
兼題 「近 い」 中村  惠 選    
人の句 あの世など公民館の裏あたり 新家完司  
地の句 退院は間もなく放つ千の鶴 山野寿之  
天の句 子の未来近道だけは教えない 油谷克己  
兼題 「不 良」 初代 正彦 選    
人の句 ジェームスディーン拗ねた瞳が好きだった 加藤江里子  
地の句 不良餓鬼の悲しそうな目夕間暮れ 奥澤洋次郎  
天の句 ぶってるが本当は親が好きなんだ 坂裕之  
兼題 「売 り」 鴨谷瑠美子 選    
人の句 押し売りもへっちゃら妻がいてくれる 川端六点  
地の句 肩書きを裏面にまでも刷って売る 洒井健二  
天の句 売れるかも知れぬ鑑定団に出る 小島蘭幸  
兼題 「しらける 」 新家 完司 選    
人の句 悪口の途中本人やってきた 青木ゆきみ  
地の句 いつもすぐどういう意味と訊いてくる 稲葉良岩  
天の句 号泣の隣で雲を追っている 中村惠  
兼題 「 自由吟 」 小島 蘭幸 選    
人の句 サユリスト六十年も浮気せず 谷口東風  
地の句 赤ちゃんがわらった桃の花咲いた 木本朱夏  
天の句 ありがとうと言ったら日溜りになった 平井美智子  
月間賞  平井美智子    
       
川柳塔 2023年1月本社句会秀句  
席題 「 B 」 石田 隆彦 選  
人の句 ウクライナ地下にひしめく避難民 磯島福貴子
地の句 B6で核廃絶の署名する 川端一歩
天の句 次点でもチャンスはあるさ陽は登る 両澤行兵衛
兼題 「祝 う」 岩佐ダン吉 選  
人の句 地球からいつか戦が終わったら      栃尾奏子
地の句 再々婚だし一万円でいいだろう      島田握夢
天の句 ゼレンスキーに早くブラボー言わせたい  西出楓楽
兼題 「大 変」 大久保眞澄 選  
人の句 後から追いかけてくるえんま様 折田あきこ
地の句 今からは白紙あなたが決めなさい 小野雅美
天の句 分身が良からぬ方へ行きたがる 木本朱夏
兼題 「情 け」 大内 朝子 選  
人の句 路地裏に人の情けが落ちている 木嶋盛隆
地の句 同情から生まれる愛もあるのです 澤井敏治
天の句 鬼にもなる情けを抱いて親でいる 原田すみ子
兼題 「きりり 」 鈴木 かこ 選  
人の句 ぱっと灯がともりましたよ君の瞳に 上田ひとみ
地の句 ちょっと辛口です僕の人間味 藤井宏造
天の句 ダイヤモンドダスト別れを決めました 中岡千代美
兼題 「 自由吟 」 新家 完司 選  
人の句 融通のきかぬ同士の僕と葱 桒原道夫
地の句 時々は自分を褒めて換気する 内藤憲彦
天の句 蜜柑剥く間も世の中を憂う 桒原道夫
月間賞  桒原道夫