川柳塔 2023年12月本社句会秀句 | |||
席題 「 天 」 | 澤井 敏治 選 | ||
人の句 | 天命と思う妻との五十年 | 木嶋盛隆 | |
地の句 | 天秤棒担いだ父の立志伝 | 西出楓楽 | |
天の句 | 天仰ぐ確かな答欲しいから | 西出楓楽 | |
兼題 「笑 う」 | 今井万紗子 選 | ||
人の句 | 泣きなさい笑いなさいと母の墓 | 伊達郁夫 | |
地の句 | 湯たんぽのような笑顔を持っている | 吉道あかね | |
天の句 | 皺くちゃの笑顔に百歳の誇り | 荻野浩子 | |
兼題 「まぶしい」 | 木本 朱夏 選 | ||
人の句 | 一病を生き抜く覚悟できた顔 | 平井美智子 | |
地の句 | 今もなおまぶしいハーレーダビットソン | 新家完司 | |
天の句 | 冬眠明けの熊よまぶしくはないか | 鈴木いさお | |
兼題 「妥 協」 | 川上 大輪 選 | ||
人の句 | この辺で妥協 ともだちなんだもの | 冨永恭子 | |
地の句 | 「まあええか」座右の銘にして生きる | 西出楓楽 | |
天の句 | 12月と妥協をすると楽になる | 立蔵信子 | |
兼題 「宝の持ち腐れ」 | 島田 握夢 選 | ||
人の句 | 友だちのまんまでいいの私たち | 上田ひとみ | |
地の句 | 奥さんをなんで粗末にしてはんの | 奥澤洋次郎 | |
天の句 | 次の世で使えぬ金を貯めこむか | 松岡篤 | |
兼題 「自由吟」 | 小島 蘭幸 選 | ||
人の句 | 昼風呂に浸かり いい感じの孤独 | 桒原道夫 | |
地の句 | 妻と見たこの景色ともさようなら | 奥澤洋次郎 | |
天の句 | 連れ添った歳月にある波の音 | 居谷真理子 | |
月間賞 | 居谷真理子 |
川柳塔 2023年11月本社句会秀句 | |||
席題 「 靴 」 | 居谷真理子 選 | ||
人の句 | まっすぐに歩ける靴を探してる | 廣田和織 | |
地の句 | 八十五靴下だけを派手にする | 上田和宏 | |
天の句 | 今日も元気靴音高く生きてます | 敏森廣光 | |
兼題 「あなどる」 | 敏森 廣光 選 | ||
人の句 | あなどりの心の中にある油断 | 大浦初音 | |
地の句 | 侮って恋の深さに落ちている | 中村 惠 | |
天の句 | 知れば知るほど侮れること何もない | 上田和宏 | |
兼題 「ガチャン」 | 村田 博 選 | ||
人の句 | 遮断機がガチャンと降りて永い冬 | 木本朱夏 | |
地の句 | 町工場今日も生きてる音がする | 居谷真理子 | |
天の句 | 連結器ガチャンと揺る気ない絆 | 吉道航太郎 | |
兼題 「華やか」 | 矢倉 五月 選 | ||
人の句 | 華やかな蝶は毛虫の時忘れ | 藤田雪菜 | |
地の句 | 震災の霊も見に来るルミナリエ | 村田 博 | |
天の句 | 華やかと遠いところにボランティア | 水野黒兎 | |
兼題 「家 族」 | 新家 完司 選 | ||
人の句 | 妻逝って優しくなった子供たち | 石田孝純 | |
地の句 | 胃潰瘍と家族は言うが癌らしい | 川端六点 | |
天の句 | 運動会やはり息子は足遅い | 加藤江里子 | |
兼題 「自由吟」 | 小島 蘭幸 選 | ||
人の句 | 地下街へまぎれ老人Aになる | 藤井宏造 | |
地の句 | 父さんは泣かない 泣ける場所がない | 平井美智子 | |
天の句 | 初霜降りる痛むところはないですか | 島田明美 | |
月間賞 | 島田明美 |
川柳塔 2023年10月(第29回塔まつり)本社句会秀句 | |||
兼題 「刻 む」 | 藤井 智史 選 | ||
人の句 | 振り向いてくれた瞳を目に刻む | 牧野芳光 | |
地の句 | イニシャルも薄れた指輪ゆるぎなし | 金子美千代 | |
天の句 | 満月を刻めば人恋いの雫 | 平井美智子 | |
兼題 「まっすぐ」 | 藤田 武人 選 | ||
人の句 | まっすぐな愛です ひとりよがりでも | 片岡加代 | |
地の句 | まっすぐ言った まっぷたつに割れた | 反橋政典 | |
天の句 | かあちゃんの喜ぶ顔を見たくって | 上田ひとみ | |
兼題 「揺れる」 | 大久保眞澄 選 | ||
人の句 | たまらんな新酒に揺れる休肝日 | 浅井典子 | |
地の句 | 呑兵衛の大工が建てたゆれる家 | 青木隆一 | |
天の句 | 貴方にはあなたの良さがあるじゃない | 前中知栄 | |
兼題 「未 来」 | 桒原 道夫 選 | ||
人の句 | 未来から来たと言い張る酔っぱらい | 青木隆一 | |
地の句 | 土地だけは月と火星に買ってある | 両澤行兵衛 | |
天の句 | 非常口からは未来がよく見える | 川上大輪 | |
兼題 「 笛 」 | 片岡 加代 選 | ||
人の句 | 本棚の鳩笛たまにポーと鳴く | 新家完司 | |
地の句 | ピーヒャララ今年は御輿出るそうな | 小川賀世子 | |
天の句 | 笛が鳴るまで生きていていいですか | 青砥たかこ | |
兼題 「自由吟」 | 小島 蘭幸 選 | ||
人の句 | 独りめしを助けてくれる純米酒 | 森中惠美子 | |
地の句 | 今ここで許せば君は花と散る | 吉村久仁雄 | |
天の句 | 時過ぎて幸せでした介護の日 | 森田旅人 | |
月間賞 | 森田旅人 |
川柳塔 2023年9月本社句会秀句 | |||
席題 「 稀 」 | 上田 和宏 選 | ||
人の句 | 杜甫が今居たなら古稀は百二十 | 西出楓楽 | |
地の句 | 露天市で見つけた僕の忘れ傘 | 佐々木満作 | |
天の句 | 古稀の娘にまだ気配りの母は百 | 山野寿之 | |
兼題 「使 う」 | きとうこみつ 選 | ||
人の句 | 使うには惜しい綺麗な五円玉 | 青木ゆきみ | |
地の句 | 愛用の万年筆よペン胼胝よ | 小島蘭幸 | |
天の句 | 乱暴に使われ泣いている地球 | 初代正彦 | |
兼題 「ぼんやり」 | 森松まつお 選 | ||
人の句 | 名人のぼんやりした手後で効く | 川端一歩 | |
地の句 | 激暑の日半分とけた顔が行く | 古今堂蕉子 | |
天の句 | 足元がぼんやり消えているが美女 | 川端六点 | |
兼題 「壊れる」 | 藤井 宏造 選 | ||
人の句 | 静寂を壊してしまう蚊の羽音 | きとうこみつ | |
地の句 | 壊れそうな妻には薬よりも愛 | 初代正彦 | |
天の句 | 水のようなつきあいだから壊れない | 居谷真理子 | |
兼題 「色 色」 | 新家 完司 選 | ||
人の句 | 性別はその他の欄に○をする | 平井美智子 | |
地の句 | 遺失物係へ入れ歯お骨まで | 片岡加代 | |
天の句 | 逆立ちもピエロも出来るお姫様 | 木嶋盛隆 | |
兼題 「自由吟」 | 小島 蘭幸 選 | ||
人の句 | 長生きの蟬が十日目に死んだ | 鈴木いさお | |
地の句 | 死にかけた今年の夏を忘れない | 新家完司 | |
天の句 | 待っているうちにハシビロコウになる | 髙杉 力 | |
月間賞 | 髙杉 力 |
川柳塔 2023年8月本社句会秀句 | |||
席題 「 車 」 | 栃尾 奏子 選 | ||
人の句 | 車座になって他愛のない話 | 阪本秀子 | |
地の句 | 乳母車押した娘が押す車椅子 | 酒井健二 | |
天の句 | 癒えるまで雨が止むまで風車 | 山野寿之 | |
兼題 「ショック」 | 長谷川崇明 選 | ||
人の句 | 円安で二の足を踏むパスポート | 柚木涼子 | |
地の句 | ライバルはお肌年齢三十歳 | 加藤江里子 | |
天の句 | カルチャーショック受けて戸惑う帰国子女 | 鈴木いさお | |
兼題 「戦う(闘う)」 | 森田 旅人 選 | ||
人の句 | 闘病の妻の腰もむ眠るまで | 澤井敏治 | |
地の句 | 閃光の怖さ知ってる戦中派 | 柴本ばっは | |
天の句 | 両手をあげて戦う呱呱の声 | 津守柳伸 | |
兼題 「遠 い」 | 内藤 憲彦 選 | ||
人の句 | 名優もはじめ通行人だった | 川端一歩 | |
地の句 | 遠い日の記憶へ絵本繰るように | 荻野浩子 | |
天の句 | 真珠湾ヒロシマ遠くしてならぬ | 西出楓楽 | |
兼題 「責 任」 | 古今堂蕉子 選 | ||
人の句 | 責任の重さ理事長の重さ | 小島蘭幸 | |
地の句 | 世が世なら切腹ものもいる議員 | 西出楓楽 | |
天の句 | 良い声で啼くカッコウーの無責任 | 谷口東風 | |
兼題 「自由吟」 | 小島 蘭幸 選 | ||
人の句 | 起こさないで ただいま夏眠中ですの | 木本朱夏 | |
地の句 | 猛暑日の焼酎のあてガリガリ君 | 新家完司 | |
天の句 | 猛暑の広島忌 雨の長崎忌 | 鈴木いさお | |
月間賞 | 鈴木いさお |
川柳塔 2023年7月路郎忌本社句会秀句 | |||
席題 「 座 」 | 上田ひとみ 選 | ||
人の句 | どっこいしょ座席違いを指摘され | 飛永ふりこ | |
地の句 | 下座に控えているのがボスらしい | 奥野健一郎 | |
天の句 | 座布団の下に夫の顔写真 | 古今堂蕉子 | |
兼題 「 千 」 | 冨永 恭子 選 | ||
人の句 | 千軍の敵へ一人の友がいる | 奥澤洋次郎 | |
地の句 | 何千回食べても飽きぬ妻の味 | 敏森廣光 | |
天の句 | 千に一つそれでも夢はだいている | 永田紀惠 | |
兼題 「キラキラ」 | 石橋 芳山 選 | ||
人の句 | オキナワをキラキラ食べる海ぶどう | 森中惠美子 | |
地の句 | 五十年前オレだって光ってた | 江島谷勝弘 | |
天の句 | 太陽を味方に無敵白ビキニ | 栃尾奏子 | |
兼題 「ずるい」 | 新家 完司 選 | ||
人の句 | すき焼きの肉を九割食べる妻 | 折田あきこ | |
地の句 | お先にともう仏壇の中に居る | 山田耕治 | |
天の句 | 赤ちゃんの時の写真を持ち歩く | 上田ひとみ | |
兼題 「日 本」 | 前中 知栄 選 | ||
人の句 | 男女平等 125位だって | 江島谷勝弘 | |
地の句 | 白浜のパンダは日本語で喋る | 川上大輪 | |
天の句 | 睡蓮もはすも日本の水にあう | 森中惠美子 | |
兼題 「自由吟」 | 小島 蘭幸 選 | ||
人の句 | 何もできなくて静かに側に居る | 宇都満知子 | |
地の句 | 白椿歳を重ねて白く咲く | 森中惠美子 | |
天の句 | 暑中見舞い点字覚えてくれたんだ | 川端六点 | |
月間賞 | 川端六点 | ||
川柳塔 2023年6月本社句会秀句 | |||
席題 「 肩 」 | 江島谷勝弘 選 | ||
人の句 | 肩の凝る話はやめて酒や酒 | 藤井宏造 | |
地の句 | 右肩が痛い左肩はだるい | 新家完司 | |
天の句 | 肩の荷を降ろしてゆるり棺の中 | 鈴木いさお | |
兼題 「あふれる」 | 近兼 敦子 選 | ||
人の句 | あふれ出るフェイクニュースを見極める | 新家完司 | |
地の句 | もういいよ全部わかった受けとめた | 上田ひとみ | |
天の句 | 逢えただけで胸いっぱいになりました | 冨永恭子 | |
兼題 「ドラマ」 | 宇都満知子 選 | ||
人の句 | 監督は妻ボクは夫を演じてる | 居谷真理子 | |
地の句 | 人生ドラマ百態積んでゆくこの世 | 今井万紗子 | |
天の句 | 梅雨あい間老いのドラマを干しておく | 伊達郁夫 | |
兼題 「もろい」 | 平井美智子 選 | ||
人の句 | 四角くて固くてもろいお父ちゃん | 居谷真理子 | |
地の句 | 耳掃除されると心太になる | 藤井宏造 | |
天の句 | やんわりとガラスの母を抱き起す | 山﨑武彦 | |
兼題 「焼 く」 | 川端 一歩 選 | ||
人の句 | 父の日だ秋刀魚きれいに姿焼き | 柴本ばっは | |
地の句 | 焼け跡に耳を澄ませばゲンの声 | 澤井敏治 | |
天の句 | 戦争は人のこころも焼き尽くす | 内藤憲彦 | |
兼題 「 自由吟 」 | 小島 蘭幸 選 | ||
人の句 | 皇族は一人もいない飲み仲間 | 新家完司 | |
地の句 | ピヤノを弾いていた母の日のひとり | 宇都満知子 | |
天の句 | 父親になった何かをあきらめた | 居谷真理子 | |
月間賞 | 居谷真理子 | ||
川柳塔 2023年5月本社句会秀句 | |||
席題 「 気 」 | 山野 寿之 選 | ||
人の句 | 百歳の元気も昔粗衣粗食 | 長谷川崇明 | |
地の句 | つばくらめ夏の気配の空を飛ぶ | 水野黒兎 | |
天の句 | 陽気です森の小人と喋れます | 澤井敏治 | |
兼題 「通 す」 | 廣田 和織 選 | ||
人の句 | 湯通しをしたら笑顔の春野菜 | 初代正彦 | |
地の句 | 通せんぼマイナカードを見せなさい | 居谷真理子 | |
天の句 | 春風を臍まで通す深呼吸 | 新家完司 | |
兼題 「バランス」 | 原田すみ子 選 | ||
人の句 | 子悪人たまに仏の顔をする | 饗庭風鈴 | |
地の句 | 笑いこけ一度バランス崩したい | 安福和夫 | |
天の句 | 愛します君が愛してくれたなら | 居谷真理子 | |
兼題 「湿 る」 | 内田志津子 選 | ||
人の句 | かびぬよう心の窓を開けておく | 冨永恭子 | |
地の句 | 湿り気を帯びて女が出来上がる | 青木ゆきみ | |
天の句 | つないだ手じっとり湿る十五の春 | 古今堂蕉子 | |
兼題 「景 色 」 | 新家 完司 選 | ||
人の句 | オーシャンビュー聞こえは良いが崖っぷち | 斎藤隆浩 | |
地の句 | 養花天京都は円い山ばかり | 稲葉良岩 | |
天の句 | 逆上がりできた 地球がころがった | 島田明美 | |
兼題 「 自由吟 」 | 小島 蘭幸 選 | ||
人の句 | まんまるい月のかたちをした孤独 | 平井美智子 | |
地の句 | 渚にてこころの粒粒を拾う | 桒原道夫 | |
天の句 | 転ぶのは神の戒めではないか | 初代正彦 | |
月間賞 | 初代正彦 | ||
川柳塔 2023年4月本社句会秀句 | |||
席題 「 癖 」 | 糀谷 和郎 選 | ||
人の句 | ひらめきは無いがとことん粘るクセ | 内藤憲彦 | |
地の句 | 晩年の旅は西へと行きたがる | 山﨑武彦 | |
天の句 | 一徹を通すへそ曲がりの癖字 | 荻野浩子 | |
兼題 「片 方」 | 野口真桜子 選 | ||
人の句 | ワイヤレス片方ずつで聞く二人 | 宇都満知子 | |
地の句 | 片足は君の陣地に入れておく | 桒原道夫 | |
天の句 | 隣席に部長右肩だけが凝る | 森松まつお | |
兼題 「あきれる」 | 平賀 国和 選 | ||
人の句 | 妊婦を前にスマホ夢中の長い脚 | 澤井敏治 | |
地の句 | 底辺の蟻の涙は知らぬ国 | 出口セツ子 | |
天の句 | 人間にあきれて桜散っていく | 新家完司 | |
兼題 「とろり」 | 鈴木いさお 選 | ||
人の句 | 冷汗とろり油汗とろとろり | 藤村亜成 | |
地の句 | 舌の上で暫く弄ぶマグロ | 島田握夢 | |
天の句 | ふたりならとろり堕ちたい花の闇 | 木本朱夏 | |
兼題 「簡 単 」 | 木本 朱夏 選 | ||
人の句 | 簡単に親になってからのいばら | 古今堂蕉子 | |
地の句 | 切って盛るトマトと豆腐いい子です | 冨永恭子 | |
天の句 | 言い訳は百字以内で願います | 大久保眞澄 | |
兼題 「 自由吟 」 | 小島 蘭幸 選 | ||
人の句 | お日様も淋しい家に帰るのか | 居谷真理子 | |
地の句 | 余命七万時間を想う花吹雪 | 木本朱夏 | |
天の句 | 少し飲みませんか 桜は散りました | 平井美智子 | |
月間賞 | 平井美智子 | ||
川柳塔 2023年3月本社句会秀句 | |||
席題 「 父 」 | 髙杉 力 選 | ||
人の句 | フィリピンをついに語らず逝った父 | 稲葉良岩 | |
地の句 | ふる里の駅舎降りるといつも父 | 山下じゅん子 | |
天の句 | アメリカも見えそう父の肩車 | 川端六点 | |
兼題 「学 ぶ」 | 石田ひろ子 選 | ||
人の句 | おっぱいを飲むのが初めての学び | 青木ゆきみ | |
地の句 | 遠まわり学べば怖いものは無い | 米田利惠子 | |
天の句 | 老いて尚学びつづける虫眼鏡 | 酒井紀華 | |
兼題 「かけら」 | 山下じゅん子 選 | ||
人の句 | 嵐の予感 女雛の花は欠けていた | 島田明美 | |
地の句 | 一ピース足りずに愛はまだ未完 | 木本朱夏 | |
天の句 | 大河の一滴されど濁らぬ正義感 | 澤井敏治 | |
兼題 「ノー」 | 吉村久仁雄 選 | ||
人の句 | 権力に白紙揚げて屈しない | 両澤行兵衛 | |
地の句 | 挑発をしているらしいノーガード | 中岡千代美 | |
天の句 | ノーと言うただそのために逢いに行く | 髙杉力 | |
兼題 「好 意 」 | 江畑 哲男 選 | ||
人の句 | 勘違いしそう優しくしないでね | 青砥たかこ | |
地の句 | ご好意の便座が少し熱すぎる | 平井美智子 | |
天の句 | 人妻であろうと好きな人は好き | 藤井宏造 | |
兼題 「 自由吟 」 | 小島 蘭幸 選 | ||
人の句 | 裏表のない人味もなさそうだ | 青砥たかこ | |
地の句 | モーイイカイと土筆マーダダヨと蓬 | 川端六点 | |
天の句 | 逢えぬ子に十五センチの靴を買う | 島田明美 | |
月間賞 | 島田明美 | ||
川柳塔 2023年3月本社句会秀句 | |||
席題 「 父 」 | 髙杉 力 選 | ||
人の句 | フィリピンをついに語らず逝った父 | 稲葉良岩 | |
地の句 | ふる里の駅舎降りるといつも父 | 山下じゅん子 | |
天の句 | アメリカも見えそう父の肩車 | 川端六点 | |
兼題 「学 ぶ」 | 石田ひろ子 選 | ||
人の句 | おっぱいを飲むのが初めての学び | 青木ゆきみ | |
地の句 | 遠まわり学べば怖いものは無い | 米田利惠子 | |
天の句 | 老いて尚学びつづける虫眼鏡 | 酒井紀華 | |
兼題 「かけら」 | 山下じゅん子 選 | ||
人の句 | 嵐の予感 女雛の花は欠けていた | 島田明美 | |
地の句 | 一ピース足りずに愛はまだ未完 | 木本朱夏 | |
天の句 | 大河の一滴されど濁らぬ正義感 | 澤井敏治 | |
兼題 「ノー」 | 吉村久仁雄 選 | ||
人の句 | 権力に白紙揚げて屈しない | 両澤行兵衛 | |
地の句 | 挑発をしているらしいノーガード | 中岡千代美 | |
天の句 | ノーと言うただそのために逢いに行く | 髙杉力 | |
兼題 「好 意 」 | 江畑 哲男 選 | ||
人の句 | 勘違いしそう優しくしないでね | 青砥たかこ | |
地の句 | ご好意の便座が少し熱すぎる | 平井美智子 | |
天の句 | 人妻であろうと好きな人は好き | 藤井宏造 | |
兼題 「 自由吟 」 | 小島 蘭幸 選 | ||
人の句 | 裏表のない人味もなさそうだ | 青砥たかこ | |
地の句 | モーイイカイと土筆マーダダヨと蓬 | 川端六点 | |
天の句 | 逢えぬ子に十五センチの靴を買う | 島田明美 | |
月間賞 | 島田明美 | ||
川柳塔 2023年2月本社句会秀句 | |||
席題 「 外 」 | 緒方美津子 選 | ||
人の句 | コメンテーター部外者だから好きなこと | 両澤行兵衛 | |
地の句 | 外は雨うちは嵐の遺産分け | 水野黒兎 | |
天の句 | 外野からぼかり吠えてるアカンタレ | 荻野浩子 | |
兼題 「近 い」 | 中村 惠 選 | ||
人の句 | あの世など公民館の裏あたり | 新家完司 | |
地の句 | 退院は間もなく放つ千の鶴 | 山野寿之 | |
天の句 | 子の未来近道だけは教えない | 油谷克己 | |
兼題 「不 良」 | 初代 正彦 選 | ||
人の句 | ジェームスディーン拗ねた瞳が好きだった | 加藤江里子 | |
地の句 | 不良餓鬼の悲しそうな目夕間暮れ | 奥澤洋次郎 | |
天の句 | ぶってるが本当は親が好きなんだ | 坂裕之 | |
兼題 「売 り」 | 鴨谷瑠美子 選 | ||
人の句 | 押し売りもへっちゃら妻がいてくれる | 川端六点 | |
地の句 | 肩書きを裏面にまでも刷って売る | 洒井健二 | |
天の句 | 売れるかも知れぬ鑑定団に出る | 小島蘭幸 | |
兼題 「しらける 」 | 新家 完司 選 | ||
人の句 | 悪口の途中本人やってきた | 青木ゆきみ | |
地の句 | いつもすぐどういう意味と訊いてくる | 稲葉良岩 | |
天の句 | 号泣の隣で雲を追っている | 中村惠 | |
兼題 「 自由吟 」 | 小島 蘭幸 選 | ||
人の句 | サユリスト六十年も浮気せず | 谷口東風 | |
地の句 | 赤ちゃんがわらった桃の花咲いた | 木本朱夏 | |
天の句 | ありがとうと言ったら日溜りになった | 平井美智子 | |
月間賞 | 平井美智子 | ||
川柳塔 2023年1月本社句会秀句 | ||
席題 「 B 」 | 石田 隆彦 選 | |
人の句 | ウクライナ地下にひしめく避難民 | 磯島福貴子 |
地の句 | B6で核廃絶の署名する | 川端一歩 |
天の句 | 次点でもチャンスはあるさ陽は登る | 両澤行兵衛 |
兼題 「祝 う」 | 岩佐ダン吉 選 | |
人の句 | 地球からいつか戦が終わったら | 栃尾奏子 |
地の句 | 再々婚だし一万円でいいだろう | 島田握夢 |
天の句 | ゼレンスキーに早くブラボー言わせたい | 西出楓楽 |
兼題 「大 変」 | 大久保眞澄 選 | |
人の句 | 後から追いかけてくるえんま様 | 折田あきこ |
地の句 | 今からは白紙あなたが決めなさい | 小野雅美 |
天の句 | 分身が良からぬ方へ行きたがる | 木本朱夏 |
兼題 「情 け」 | 大内 朝子 選 | |
人の句 | 路地裏に人の情けが落ちている | 木嶋盛隆 |
地の句 | 同情から生まれる愛もあるのです | 澤井敏治 |
天の句 | 鬼にもなる情けを抱いて親でいる | 原田すみ子 |
兼題 「きりり 」 | 鈴木 かこ 選 | |
人の句 | ぱっと灯がともりましたよ君の瞳に | 上田ひとみ |
地の句 | ちょっと辛口です僕の人間味 | 藤井宏造 |
天の句 | ダイヤモンドダスト別れを決めました | 中岡千代美 |
兼題 「 自由吟 」 | 新家 完司 選 | |
人の句 | 融通のきかぬ同士の僕と葱 | 桒原道夫 |
地の句 | 時々は自分を褒めて換気する | 内藤憲彦 |
天の句 | 蜜柑剥く間も世の中を憂う | 桒原道夫 |
月間賞 | 桒原道夫 | |