本社句会秀句2019

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川柳塔 2019年9月本社句会秀句
席題 「問 う」 松岡  篤 選
人の句 こう問うぞこう答えると茶番劇 萩原狸月
地の句 まっすぐな目がぐんぐん問うて来る 上田ひとみ
天の句 遭難の一番に問う人の無事 石田ひろ子
兼題 「野 菜」 上田 和宏 選
人の句 最近の野菜は中国語を話す 山岡冨美子
地の句 いら立ちの勢いキャベツみじん切り 渡辺富子
天の句 季節感見せる野菜は威張ってる 福田正彦
兼題 「祭 り」 今井万紗子 選
人の句 縁日に昭和の空気吸いに行く 吉村久仁雄
地の句 突き抜けて女神輿は宙を飛ぶ 森田旅人
天の句 笛太鼓案山子も踊る村祭り 山﨑武彦
兼題 「ぽとん」 藤井 則彦 選
人の句 ポトンと落ちた久方振りの子の便り 今井万紗子
地の句 雨粒がぽとん私の罪を責め 小野雅美
天の句 点滴のぽとんはいのち繋ぐ音 鈴木いさお
兼題 「残 る」 石田 隆彦 選
人の句 笑われて妙にしこりが残ってる 福田正彦
地の句 挫折した夢のかけらが燃え残る 渡辺富子
天の句 半分は無念を残すデスマスク 木嶋盛隆
兼題 「手 段」 小島 蘭幸 選
人の句 手段えらばぬ男は少し魅力的 大浦初音
地の句 納豆と豆腐で白寿まで粘る 新家完司
天の句 祈るしか手だてがないのです 神よ 木本朱夏
月間賞 木本朱夏
川柳塔 2019年8月本社句会秀句
席題 「住 む」 大久保眞澄 選
人の句 優越感と三十階に住んでいる 山本希久子
地の句 手懐けた雀に軒を貸してある 木本朱夏
天の句 地球には百年程の仮住まい 松岡篤
兼題 「割 る」 村田  博 選
人の句 風船ガム時々割って待つチャンス 初代正彦
地の句 割れ物に注意 反抗期の背中 田中ゆみ子
天の句 星いくつ割ればあなたに会えますか 小野雅美
兼題 「 国 」 松尾美智代 選
人の句 国境を定めた日からある戦 宇都満知子
地の句 この国が好きこの国で骨埋める 鈴木いさお
天の句 国境を自由に行き来してる風 中島一彌
兼題 「表 情」 宇都満知子 選
人の句 苦しみはみな消え去ったデスマスク 西出楓楽
地の句 泣いた笑ったスマホに溜まる孫の顔 片岡加代
天の句 文楽の眉で笑ろうて眉で哭く 山野寿之
兼題 「もっと」 三宅 保州 選
人の句 僕の背にもっと凭れていいんだよ 中村惠
地の句 戦争がなければもっと青い星 山野寿之
天の句 にんげんはもっと賢い筈なのに 新家完司
兼題 「位 置」 小島 蘭幸 選
人の句 花嫁は斜め四十五度の美女 山根妙子
地の句 バス停が見える窓辺でモカにする 島田握夢
天の句 眉間には春をとまらせたいものだ 居谷真理子
月間賞 居谷真理子
川柳塔 2019年7月本社句会秀句
席題 「良 い」 久保田千代 選
人の句 良い話だけが聞こえる耳を持つ 吉村久仁雄
地の句 春落ち葉ひとりを生きるこころがけ 森中惠美子
天の句 三途の川で悔いがなければ良いのです 島田握夢
兼題 「無 い」 原田すみ子 選
人の句 今日にしかない幸せと気がつかず 吉村久仁雄
地の句 残高は無いが翼と夢がある 山岡冨美子
天の句 無邪気です晒し木綿になりました 銭谷まさひろ
兼題 「おいしい」 川端 一歩 選
人の句 大切な今をおいしく召し上がる 藤井智史
地の句 スルメ噛むように味ある人間味 荻野浩子
天の句 夢ひとつ混ぜておいしい明日にする 鈴木かこ
兼題 「休 む」 片山かずお 選
人の句 休止符もなければ生きてこぬリズム 三宅保州
地の句 休むのはここだと決めて墓地を買う 柿花和夫
天の句 休ませてあげたい地球疲れてる 中島一彌
兼題 「 今 」 片岡 加代 選
人の句 かぜになりいまもわたしの中に居る たむらあきこ
地の句 今にして思うジャムパンコッペパン 木本朱夏
天の句 七十四年今仰いでる夏の空 岩佐ダン吉
兼題 「想 定」 小島 蘭幸 選
人の句 穏やかな形で母が暮れてゆく 平井美智子
地の句 どしゃぶりの恋は想定外でした 藤井智史
天の句 七夕の笹に想定外を吊る 本田智彦
月間賞 本田智彦
川柳塔 2019年6月本社句会秀句
席題 「流行る」 平井美智子 選
人の句 流行るだけ流行らせゆるキャラの孤独 小野雅美
地の句 流行は追わぬタイザンボクの白 荻野浩子
天の句 流行りだといえば象にも乗ってみる 中村惠
兼題 「計 算」 細川 花門 選
人の句 計算は苦手半額なら得意 山野寿之
地の句 指折って数える癖が直らない 能勢利子
天の句 計算はせずに買物してみたい 森田遊子
兼題 「 手  」 山田 葉子 選
人の句 手をつなぐもう片方にある秘密 鴨谷瑠美子
地の句 転ぶ子に差し出す片手空けておく 伊達郁夫
天の句 泡立つものしずめて老いと手をつなぐ 渡辺富子
兼題 「うきうき」 村上 直樹 選
人の句 やりたいことを見つけた少女蝶となり 緒方美津子
地の句 人間を脱ぎうきうきと花浄土 渡辺富子
天の句 「はやぶさ2」の帰還待たれる玉手箱 中島一彌
兼題 「噛 る」 松原 寿子 選
人の句 噛み合わせ軋み出したらハグをする 藤井宏造
地の句 とんがった言葉きれいに噛み砕く 鈴木かこ                      
天の句 ご忠告味が出るまで噛み締める 新家完司
兼題 「我 慢」 小島 蘭幸 選
人の句 耐えぬいた涙真珠になりました 木本朱夏
地の句 Letitbe我慢はいつか溶けてゆく 西出楓楽
天の句 我慢して五百羅漢になりました 荻野浩子
月間賞 荻野浩子
川柳塔 2019年5月本社句会秀句
席題 「着 く」 出口セツ子 選
人の句 流れ着いた町で仮面を付け替える 木本朱夏
地の句 新札のたどり着く世はキャッシュレス 岸田万彩
天の句 平和を守る 第9条にたどり着く 内藤憲彦
兼題 「 絵 」 山﨑 武彦 選
人の句 名画展まず体力を試される 山岡冨美子
地の句 青春の叫び聞える無言館 澤井敏治
天の句 踏み絵には私の顔が書いてある 川端六点
兼題 「疑 う」 上田ひとみ 選
人の句 疑う余地が無い君は主犯格 加川靖鬼
地の句 お待ちくださいビデオ判定致します 太田としお
天の句 いつまでもこんな幸せ続かない 吉村久仁雄
兼題 「どうぞ」 中川ひろ介 選
人の句 救急車受け入れ先が見つからず 榎本日の出
地の句 どうぞから始まる作法おもてなし 津守柳伸
天の句 僅かでもどうぞと分けた昭和の子 長谷川崇明
兼題 「派 手」 西出 楓楽 選
人の句 派手な相づちこの人話聞いてない 吉村久仁雄
地の句 はんなりと質素と派手の暮しぶり 七反田順子
天の句 物欲が極彩色になっている 鈴木かこ
兼題 「時 代」 小島 蘭幸 選
人の句 あたらしい時代を開けて庭雀 森田旅人
地の句 あの頃に戻る拓郎聴きながら 鈴木かこ
天の句 同じ時代に生まれあなたに巡り会う 小野雅美
月間賞 小野雅美
川柳塔 2019年4月本社句会秀句
席題 「 胸 」 岩佐ダン吉 選
人の句 ロボットに胸の痛みがあるかしら 木本朱夏
地の句 胸奥に恋人のごと鶴彬 大内朝子
天の句 仮設から一年生が胸を張る 米田利惠子
兼題 「 恩 」 中村  惠 選 
人の句 恩という一字なんども書いてみる 岩佐ダン吉
地の句 歓びへしみじみ降り積もる四恩 鈴木かこ
天の句 恩人はみんな桜の木になった 新家完司
兼題 「ぐにゃ」 内藤 憲彦 選
人の句 ぬる燗でぐにゃりとしたい花の午後 村上直樹
地の句 こんにゃくのような男でほっとけぬ 大内朝子
天の句 広島がぐにゃり原爆おそろしい 荻野浩子
兼題 「余 る」 長浜 美籠  選
人の句 余力まだあたためている固い椅子 上田ひとみ
地の句 ありがとう言える余力は残しとく 大内朝子
天の句 椿散ってもまだ情念の色のまま 荒川鈍甲
兼題 「ひらすら」 太田としお 選
人の句 もうかりもせぬ田畑耕す父と母 三宅保州
地の句 夫も子もひたすら誉めて昼寝する 田中ゆみ子
天の句 ひたすらに考えロダン立ち上がる 関よしみ
兼題 「芝 居」 小島 蘭幸 選
人の句 お芝居のような二十才の恋だった 齋藤さくら
地の句 好きだとは言えずにモナ・リザになった 山岡冨美子
天の句 半畳もあればわたしの花舞台 木本朱夏
月間賞 木本朱夏
川柳塔2019年3月本社句会秀句
席題 「家 具」 矢倉 五月 選
人の句 テーブルに家族が寄ってくるのです 籠島恵子
地の句 頂点にたどりついたら軋む椅子 浜知子
天の句 ダム底に僕の机が眠る村 柴本ばっは
兼題 「ほどほど」 両川 無限 選 
人の句 父の拳骨手加減を知っている 前たもつ
地の句 ほどほどの番続けていく非凡 山野寿之
天の句 アホやなあそんなにむきにならんでも 森松まつお
兼題 「 息 」 鴨谷瑠美子 選
人の句 阿吽の呼吸鍵はかかっておりません 島田握夢
地の句 溜息で妻は上手に返事する 太田扶美代
天の句 母さんは溜息胸にたたみ込む 石田隆彦
兼題「不覚にも」(詠み込み不可) 藤井 宏造  選
人の句 肩書きを取れば風さえそっぽ向く 松本あや子
地の句 やさしさにあぐらをかいていたんだね 山田葉子
天の句 信長の油断 本能寺にあった 両川無限
兼題 「育 つ」 水野 黒兎 選
人の句 育つ巣立つ育つ巣立つを見て八十路 上田和宏
地の句 育児書を閉じ大らかな子に育て 升成好                  
天の句 子育て終え夫育てが始まった 山下純子
兼題 「野 性」 小島 蘭幸 選
人の句 遠吠えは私の愛のセレナーデ 鈴木かこ
地の句 酒二合ほどで類人猿になる 新家完司
天の句 窓際の椅子で熟睡する野性 山野寿之
月間賞 山野寿之
川柳塔 2019年2月本社句会秀句の紹介
席題「空 気」 鈴木いさお 選
人の句 呑んでないだと風船を吹いてみろ 島田握夢
地の句 回復期水よ空気よありがとう 太田扶美代
天の句 平成の空気昭和の肺で吸う 居谷真理子
兼題「ぼんやり」 内田志津子 選
人の句 全貌がぼんやり見えてきた野望 伏見雅明
地の句 ぼんやりの麻酔が醒める妻の声 丹後屋肇
天の句 テールランプへ影がぼんやり遠ざかる 松原寿子
兼題「スタイル」 山野 寿之 選
人の句 鶴を折る鶴は祈りのかたちして 山﨑武彦
地の句 風まかせ少々重い凧ですが 上田ひとみ
天の句 盆栽の自由を許さない鋏 田中ゆみ子
兼題「痒 い」 山岡冨美子 選
人の句 歯痒いとも思う分別とも思う 升成好
地の句 掻けば掻くほど底無しの沼になる 鈴木かこ
天の句 人間を見過ぎたようだ目が痒い 新家完司
兼題「盛 り」 藤村 亜成 選
人の句 人生の午後これからを華にする 冨永恭子
地の句 因習の壁こじ開ける伸び盛り 笹倉良一
天の句 命あるかぎりは盛りだとおもう 山岡冨美子
兼題「現 実」 小島 蘭幸 選
人の句 難民にスーパーマンが現れぬ 新家完司
地の句 叫んでも泣いてもなくならぬ戦 笹倉良一
天の句 現実を見てる ブランコ漕ぎながら 太田扶美代
月間賞 太田扶美代
川柳塔 2019年1月本社句会秀句の紹介
席題「 楽 」 安土 理恵 選
人の句 楽しくてたまらぬように花は咲く 西出楓楽
地の句 「災」が転じて今年は「楽」になるように 新家完司
天の句 一度しかない人生を楽しまん 大内朝子
兼題「和やか」 柿花 和夫 選
人の句 和やかになるまでそばに居てあげる 中村惠
地の句 グループホーム時々漏れる笑い声 丹後屋肇
天の句 お茶入りましたと妻が呼ぶ三時 鈴木栄子
兼題「ステップ」 初代 正彦 選
人の句 一足飛び鋭い眼する菫ちゃん 木藤こみつ
地の句 踏み出せば周りが君を引き立てる 内藤憲彦
天の句 若い芽のステップ世界駆け上がる 石田隆彦
兼題「仕 事」 古今堂蕉子 選
人の句 笑ったら首になります葬式屋 太田としお
地の句 阪神よファンが喜ぶ仕事して 降幡弘美
天の句 七十の無職十でもプロの棋士 内藤憲彦
兼題「渡 る」 山本希久子 選
人の句 病院の渡り廊下にある戦 木本朱夏
地の句 昭和平成渡り歩いてきた素足 片岡加代
天の句 渡り終えたところはきっと花畑 太田扶美代
兼題「輝 く」 新家 完司 選
人の句 キラキラキラキラわたくしの昭和 小島蘭幸
地の句 少子化に光り輝く妊婦さん 藤井宏造
天の句 太陽が窓いっぱいに退院日 山野寿之
月間賞 山野 寿之