本社句会秀句2018

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川柳塔 2018年9月本社句会秀句の紹介
席題「 幕 」 上田ひとみ 選  
人の句 幕間には口もきかない尉と姥 居谷真理子
地の句 村長も幕を引いてる村芝居 三宅 保州
天の句 人生の幕間幕間に誘い水 内田志津子
兼題「予 定」 中川ひろ介 選   
人の句 予定では金利で暮らす筈だった 石田ひろ子
地の句 ぴんころりお世話お邪魔になる前に 村上 直樹
天の句 良かったなあ予定ぎっしりあった頃 柴本ばっは
兼題「座 る」 太田扶美代 選  
人の句 席つめて 座りなさいと美しい 森田 旅人
地の句 もう一人つめて座ってくれますか 川端 六点
天の句 その椅子に座ってからの雪月花 鈴木 かこ
兼題「 逆 」 伊達 郁夫 選  
人の句 逆鱗の気配 石榴の赤い口 鈴木 かこ
地の句 神仏を逆恨みして手酌酒 柿花 和夫
天の句 逆縁に慟哭 母たちの昭和 荒川 鈍甲
兼題「まあまあ」 居谷真理子 選  
人の句 まあまあのまあに爆発してしまう 小島 蘭幸
地の句 夫婦の運足してまあまあの人生 米澤 俶子
天の句 まあまあは禁句だ甲子園を見よ 小島 蘭幸
兼題「成  長」 小島 蘭幸 選  
人の句 一年生になった 母ちゃん泣いていた 田中ゆみ子
地の句 子を産めぬ国が成長するものか 荒川 鈍甲
天の句 大屋根の下で少年期を越えた 木本 朱夏
月間賞 木本 朱夏  
川柳塔 2018年8月本社句会秀句の紹介
席題「 仏 」 江島谷勝弘 選  
人の句 チンのご飯だと仏さん気付かない 島田握夢
地の句 仏壇に閂をして遺産分け 山野寿之
天の句 仏にも鬼にも妻の七変化 村上直樹
兼題「写 真」 小谷 小雪 選  
人の句 遺影にも怒った顔があってよし 北野哲男
地の句 衛星が写す地球が燃えている 澤井敏治
天の句 一枚の写真が裏返す世論 栃尾奏子
兼題「たたむ」 内田志津子 選  
人の句 終焉もちゃんとたたんで逝った母 池田純子
地の句 過去たたみ楢山行きのバスに乗る 伊達郁夫
天の句 シャッター街未練たたんでいる夕陽 島田誠一
兼題「ぴょん」 山田 耕治 選  
人の句 百点にぴょんぴょんはねるランドセル 能勢利子
地の句 兎跳びみんな夕陽の中にいる 小島蘭幸
天の句 淋しさが撥ねる夜更けの金魚鉢 平井美智子
兼題「 袋 」 川端 一歩 選  
人の句 水嚢で冷めますやろか恋の熱 山本進
地の句 暮らし向きごっそり透けるゴミ袋 荻野浩子
天の句 これからを詰めた袋の無限大 鈴木かこ
兼題「威 力」 小島 蘭幸 選  
人の句 爆弾になるかも知れぬ檸檬の黄 木本朱夏
地の句 母さんが泣いたみんなうなだれた 居谷真理子
天の句 フルスロットルにて恋へ立ち向う 藤井智史
月間賞 藤井智史  
川柳塔 2018年7月本社句会秀句の紹介
席題「飲 物」 西出 楓楽 選  
人の句 花に水僕にお酒というサプリ 藤井宏造
地の句 アンニュイな午後はホットのレモンティー 澤井敏治
天の句 酒一合一合ほどの夢を見る 伊達郁夫
兼題「持 つ」 松尾美智代 選  
人の句 持ち味のやさしさ発揮してナース 油谷克己
地の句 どんな時にもぶれぬ物差し持っている 森廣子
天の句 一つ持ち一つ忘れていく荷物 山野寿之
兼題「さらり」 片山かずお 選  
人の句 野暮なこと言うなとさらり冷ややっこ 美馬りゅうこ
地の句 妻の愚痴さらりと躱し趣味の道 前田紀雄
天の句 今日の憂ささらり捨てよと陽が沈む 西出楓楽
兼題「細かい」 藤村 亜成 選  
人の句 細かいこと言って案外頼られる 内藤憲彦
地の句 花びらの一つひとつにある自尊 大楠紀子
天の句 歳月が細かい染みを消してゆく 今井万紗子
兼題「 旅 」 美馬りゅうこ 選  
人の句 産道をぬけここからの長い旅 鈴木いさお
地の句 宇宙旅行トラベルミンは利くやろか 大久保眞澄
天の句 天と地をわがものにする独り旅 森中惠美子
兼題「想 像」 小島 蘭幸 選  
人の句 未来図のリーダーだったのはアトム 美馬りゅうこ
地の句 人間に想像力という翼 居谷真理子
天の句 西方浄土の老人たちと花を観る 森中惠美子
月間賞 森中惠美子  
川柳塔 2018年6月本社句会秀句の紹介
席題「 足 」 島田 誠一 選  
人の句 迷路行く足に合わない靴履いて 森廣子
地の句 踏み締めた大地はきっと温いはず 小野雅美
天の句 白足袋におんなの意地が見え隠れ 酒井紀華
兼題「薄 い」 加川 靖鬼 選  
人の句 網膜に今も微笑む妻がいる 山本進
地の句 薄紅を引いて女は蝶になる 木嶋盛隆
天の句 だんだんと透けてきましたしゃあないか 江島谷勝弘
兼題「ジャンプ」 岩佐ダン吉 選  
人の句 願望の平和へジャンプする非核 大内朝子
地の句 大仏がジャンプをしたら凄かろう 海老池洋
天の句 七色の薬並べてジャンプする 榎本日の出
兼題「もやもや」 久保田千代 選  
人の句 液状化すすむ海馬を抱えてる 澤井敏治
地の句 誤作動がつづくもやもやしてる脳 木本朱夏
天の句 秀作が生まれ出そうなもやもやだ 新家完司
兼題「はずす」 松原 寿子 選  
人の句 はずされて人はだんだん強くなる 榎本日の出
地の句 今日を終わる心の鍵をいまはずす 吉岡修
天の句 人間の仮面外すと生きやすい 前たもつ
兼題「起 伏」 小島 蘭幸 選  
人の句 立ち漕ぎで乗り越えてゆく夏の坂 平井美智子
地の句 感情の起伏 妻は女優である 上山堅坊
天の句 千年の仏もあったろう起伏 桝本宏子
月間賞 桝本宏子  
川柳塔 2018年5月本社句会秀句の紹介
席題「ま だ」 長浜 美籠 選  
人の句 切り札がまだふところにある迷い 松原寿子
地の句 きっとまだ生きろとお迎えが来ない 鴨谷瑠美子
天の句 桜からさくらへ浮かれまだ此の世 木本朱夏
兼題「同 じ」 鴨谷瑠美子 選  
人の句 憎しみに愛は姿を変えました 栃尾奏子
地の句 同じだよ心がここに無いのなら 鈴木かこ
天の句 戦争の同じ民族裂く無情 中島一彌
兼題「熱 い」 初代 正彦 選  
人の句 熱い男 飲めば暑苦しい男 新家完司
地の句 熱っぽい午後だと猫を抱きながら 木本朱夏
天の句 本物になるまで叩く熱い鉄 鴨谷瑠美子
兼題「マスク」 石田 隆彦 選  
人の句 マスクぐらいでお喋り止まる舌じゃない 澤井敏治
地の句 マスクとるはっきりノーと言うために 穐山常男
天の句 花びらがほころぶははのデスマスク 木本朱夏
兼題「 家 」 木本 朱夏 選  
人の句 路面電車の窓から覗くよその家 木藤こみつ
地の句 苫屋でもここが私の解放区 山岡冨美子
天の句 古い屋敷だ 百歳がひとり住む 小島蘭幸
兼題「邪 魔」 小島 蘭幸 選  
人の句 プライドは捨てないとても邪魔だけど 居谷真理子
地の句 邪魔にされても姉ちゃんの彼が好き 中岡千代美
天の句 あの人の遺品邪魔にはなりません 山本加お里
月間賞 山本加お里  
川柳塔 2018年4月本社句会秀句の紹介
席題「 奥 」 藤井 宏造 選  
人の句 サシスセソの奥義祖母から母 そして 油谷克己
地の句 奥底に流せぬ石が一つある 笹倉良一
天の句 奥の院 仏の声が風そより 吉岡修
兼題「遅れる」 矢倉 五月 選  
人の句 目覚ましは遅れた所為にされやすい 澤井敏治
地の句 一瞬の遅れ貴方が人妻に 小野雅美
天の句 遅刻魔を妻にしたのに先立たれ 古今堂蕉子
兼題「すべて」 出口セツ子 選  
人の句 自画像のすべてに修正ペンの跡 山﨑武彦
地の句 なにもかも記憶なくした母を抱く 藤井宏造
天の句 最後にはすべて流してありがとう 関よしみ
兼題「こだわり」 堀  正和 選  
人の句 スカイツリーよりも通天閣が好き 三宅保州
地の句 堅物が一人会議がまとまらず 坂上淳司
天の句 正論にこだわっている蒙古斑 川端六点
兼題「丸 い」 森松まつお 選  
人の句 背中が痒いのにどの柱も丸い 島田握夢
地の句 丸洗いしたい姿で子が帰り 森菊江
天の句 好い嫁だ息子だんだん丸くなる 宇賀史郎
兼題「透 明」 小島 蘭幸 選  
人の句 無色透明をめざす腹黒い僕 吉村久仁雄
地の句 五十年まだ透明になれません 松尾美智代
天の句 ボーイソプラノおばさま達も透き通る 柴本ばっは
月間賞 柴本ばっは  
川柳塔 2018年3月本社句会秀句の紹介
席題「尽くす」 坂  裕之 選  
人の句 見返りを期待しないで尽くす愛 中島一彌
地の句 尽くしても見返り求めない母性 荒川鈍甲
天の句 青い地球万全尽し守りたい 渡辺富子
兼題「ごろん」 両川 無限 選  
人の句 好き放題に遊んで天と地にごろん 石橋芳山
地の句 転がった一升ビンは僕の影 海老池洋
天の句 リンゴごろんと女は嘘をつき通す 石橋芳山
兼題「隠 す」 安土 理恵 選  
人の句 フルメイクしても寂しさ隠せない 美馬りゅうこ
地の句 もういないのに親指を隠す癖 居谷真理子
天の句 二の矢三の矢隠して強気くずさない 吉村久仁雄
兼題「しびれる」 内藤 憲彦 選  
人の句 アイドルにしびれておじさんは元気 石橋芳山
地の句 脇役で通す男の渋い芸 柴本ばっは
天の句 今ここでそんなセリフを言うなんて 上田ひとみ
兼題「よろしく」 中岡千代美 選  
人の句 柩には花はいらないワンカップ 川端一歩
地の句 付けが溜まっていますお待ちしてます 小川賀世子
天の句 隣にはメガネをかけた男の子 上田ひとみ
兼題「予 感」 西出 楓楽 選  
人の句 左足から歩けば良いことが起きる 片山かずお
地の句 きっとまた会える私だけのさくら 鈴木かこ
天の句 杉玉がゆれた悪友きっと来る 柿花和夫
月間賞 柿花和夫  
川柳塔 2018年2月本社句会秀句の紹介
席題「すべる」 村上 直樹 選  
人の句 滑りなや転けなや丸い背を送る 山田耕治
地の句 藁掴む手を滑らせてからの運 平井美智子
天の句 なめらかな素肌だ惜しみなく春へ 栃尾奏子
兼題「勢 い」 山﨑 武彦 選  
人の句 絵手紙の枠をはみ出た蟹の足 中島一彌
地の句 勢いはボトル一本空けてから 村田博
天の句 胎動の勢いきっと大物だ 西出楓楽
兼題「のどか」 大久保眞澄 選  
人の句 明日はのどか時々鬱が降りるでしょう 井上洋三
地の句 二、三人やさしい人がいる のどか 太田扶美代
天の句 水飲みに蛍が家に飛んでくる 木嶋盛隆
兼題「イメージ」 柿花和夫 選  
人の句 イメージを壊して楽になりました 小島蘭幸
地の句 カタカナに無いイメージをもつ漢字 川端六点
天の句 本当はそんなに強くない私 上田ひとみ
兼題「傾 く」 藤村 亜成 選  
人の句 山の端に傾き夕日ぽとり落ち 指宿千枝子
地の句 日日新た耳目傾け今日生きる 磯島福貴子
天の句 海に陽が落ちきるまでの万華鏡 松尾美智代
兼題「自 由」 小島 蘭幸 選  
人の句 自由自在飛べる翼が生えてきた 渡辺富子
地の句 あなたの居ない自由など要りません 中岡千代美
天の句 別れから始まる果てしなき自由 木本朱夏
月間賞 木本朱夏  
川柳塔 2018年1月本社句会秀句の紹介
席題「ばっかり」 籠島 恵子 選  
人の句 ノーベル賞遊んでばかりいたあの子 田中章子
地の句 自分史にリセットしたい恥ばかり 柿花和夫
天の句 ばっかりではなかった例外もあった 山岡冨美子
兼題「和 風」 山野 寿之 選  
人の句 静寂の庭鳴り響く鹿威し 井澤壽峰
地の句 天空から戦はダメと奴凧 中里はこべ
天の句 躾糸ぬき振袖が春へ舞う 松原寿子
兼題「たっぷり」 鈴木いさお 選  
人の句 六十年飲んだけれどもまだ飲める 新家完司
地の句 難民がたっぷり食えるのはいつだ 川端一歩
天の句 夕焼け小焼けまだたっぷりと人を恋う 美馬りゅうこ
兼題「子ども」 山岡冨美子 選  
人の句 赤ちゃんは神のお使いだと思う 木藤こみつ
地の句 子どもらの誰のためでもない笑顔 中島一彌
天の句 どこの子もうちの子 未来託す子だ 安土理恵
兼題「笑 う」 古今堂蕉子 選  
人の句 コロコロと笑う十五の水蜜桃 細川花門
地の句 うつむいてニヤリと聞いているお世辞 森松まつお
天の句 通訳を介して笑う間の悪さ 村上玄也
兼題「トップ」 新家 完司 選  
人の句 スタートラインみんなトップの顔をして 升成好
地の句 トップまで昇ると下に雲かかる 大坪一德
天の句 メタセコイア天突きそうだ尖って 柴本ばっは
月間賞 柴本ばっは