本社句会秀句2019
過去の結果はこちらから
川柳塔 2019年12月本社句会秀句 |
席題 「ニヤリ」 |
伊達 郁夫 選 |
|
人の句 |
隠し事バレたか妻の薄笑い |
鈴木いさお |
地の句 |
ニヤリとも見えるモナリザの微笑 |
江島谷勝弘 |
天の句 |
とびきりの美女パラリ落したミニカイロ |
安土理恵 |
兼題 「特 別」 |
藤原ほのか 選 |
|
人の句 |
百歳は特別でなく通過点 |
西出楓楽 |
地の句 |
君にだけ心の鍵を開けて待つ |
緒方美津子 |
天の句 |
毎日を特別な日に好奇心 |
水野黒兎 |
兼題 「 店 」 |
澤井 敏治 選 |
|
人の句 |
街の風今日も囁く店仕舞い |
岩佐ダン吉 |
地の句 |
モダニズム老舗がらりと婿養子 |
小川賀世子 |
天の句 |
屋台引き店を持てる日夢に見る |
大内朝子 |
兼題 「切 る」 |
大内 朝子 選 |
|
人の句 |
痛まぬようにスパッと切ってやる |
藤村亜成 |
地の句 |
髪を切るクレオパトラになる為に |
栃尾奏子 |
天の句 |
結婚も離婚も仕切る判ひとつ |
山野寿之 |
兼題 「少 し」 |
江島谷勝弘 選 |
|
人の句 |
少しずつみんなで我慢した昭和 |
平井美智子 |
地の句 |
いましばしこの世に居たい遊びたい |
山野寿之 |
天の句 |
油絵も書道も三日ほどやった |
新家完司 |
兼題 「未 来」 |
小島 蘭幸 選 |
|
人の句 |
ひと粒の麦地に落ちてから希望 |
木本朱夏 |
地の句 |
オムライスの中に愛し子の未来 |
平井美智子 |
天の句 |
手の届く範囲がわたくしの未来 |
中村惠 |
月間賞 |
中村惠 |
|
川柳塔 2019年11月本社句会秀句 |
席題 「買 う」 |
佐々木満作 選 |
|
人の句 |
いわし雲みて夕飯を買いに行く |
澤井敏治 |
地の句 |
安心を買う手作りのミニ野菜 |
原田すみ子 |
天の句 |
今日も又ゆとりを呉れる花を買う |
伊達郁夫 |
兼題 「 腹 」 |
緒方美津子 選 |
|
人の句 |
被災地に腹から笑う日よ早く |
油谷克己 |
地の句 |
すきっ腹あのころ頭冴えていた |
山岡冨美子 |
天の句 |
健康で五臓六腑が笑ってる |
福田正彦 |
兼題 「かわいい」 |
小谷 小雪 選 |
|
人の句 |
面白くも可愛くもない他人の孫 |
川端六点 |
地の句 |
失恋のそれから鬱のある可憐 |
たむらあきこ |
天の句 |
あさってはもっと可愛くなるつもり |
澤井敏治 |
兼題 「枯れる」 |
吉村久仁雄 選 |
|
人の句 |
突然の客へ仏花は枯れたまま |
椙本世津 |
地の句 |
裾ひょいとからげて花の道を去る |
長川哲夫 |
天の句 |
枯れるとも又あの世では咲くつもり |
大西將文 |
兼題 「巧 み」 |
木嶋 盛隆 選 |
|
人の句 |
善人の仮面のままで往きはった |
山岡冨美子 |
地の句 |
桃色の涙 男の骨を抜く |
鈴木かこ |
天の句 |
無駄縒りは一本もない蜘蛛の糸 |
新家完司 |
兼題 「構 図」 |
小島 蘭幸 選 |
|
人の句 |
遠近法で見ればこの世はおもしろい |
木本朱夏 |
地の句 |
お祈りの形で死んでいる蜻蛉 |
平井美智子 |
天の句 |
天空へ茶寿の構図を描くオトコ |
初代正彦 |
月間賞 |
初代正彦 |
|
川柳塔 2019年9月本社句会秀句 |
席題 「問 う」 |
松岡 篤 選 |
|
人の句 |
こう問うぞこう答えると茶番劇 |
萩原狸月 |
地の句 |
まっすぐな目がぐんぐん問うて来る |
上田ひとみ |
天の句 |
遭難の一番に問う人の無事 |
石田ひろ子 |
兼題 「野 菜」 |
上田 和宏 選 |
|
人の句 |
最近の野菜は中国語を話す |
山岡冨美子 |
地の句 |
いら立ちの勢いキャベツみじん切り |
渡辺富子 |
天の句 |
季節感見せる野菜は威張ってる |
福田正彦 |
兼題 「祭 り」 |
今井万紗子 選 |
|
人の句 |
縁日に昭和の空気吸いに行く |
吉村久仁雄 |
地の句 |
突き抜けて女神輿は宙を飛ぶ |
森田旅人 |
天の句 |
笛太鼓案山子も踊る村祭り |
山﨑武彦 |
兼題 「ぽとん」 |
藤井 則彦 選 |
|
人の句 |
ポトンと落ちた久方振りの子の便り |
今井万紗子 |
地の句 |
雨粒がぽとん私の罪を責め |
小野雅美 |
天の句 |
点滴のぽとんはいのち繋ぐ音 |
鈴木いさお |
兼題 「残 る」 |
石田 隆彦 選 |
|
人の句 |
笑われて妙にしこりが残ってる |
福田正彦 |
地の句 |
挫折した夢のかけらが燃え残る |
渡辺富子 |
天の句 |
半分は無念を残すデスマスク |
木嶋盛隆 |
兼題 「手 段」 |
小島 蘭幸 選 |
|
人の句 |
手段えらばぬ男は少し魅力的 |
大浦初音 |
地の句 |
納豆と豆腐で白寿まで粘る |
新家完司 |
天の句 |
祈るしか手だてがないのです 神よ |
木本朱夏 |
月間賞 |
木本朱夏 |
|
川柳塔 2019年8月本社句会秀句 |
|
|
席題 「住 む」 |
大久保眞澄 選 |
|
人の句 |
優越感と三十階に住んでいる |
山本希久子 |
地の句 |
手懐けた雀に軒を貸してある |
木本朱夏 |
天の句 |
地球には百年程の仮住まい |
松岡篤 |
兼題 「割 る」 |
村田 博 選 |
|
人の句 |
風船ガム時々割って待つチャンス |
初代正彦 |
地の句 |
割れ物に注意 反抗期の背中 |
田中ゆみ子 |
天の句 |
星いくつ割ればあなたに会えますか |
小野雅美 |
兼題 「 国 」 |
松尾美智代 選 |
|
人の句 |
国境を定めた日からある戦 |
宇都満知子 |
地の句 |
この国が好きこの国で骨埋める |
鈴木いさお |
天の句 |
国境を自由に行き来してる風 |
中島一彌 |
兼題 「表 情」 |
宇都満知子 選 |
|
人の句 |
苦しみはみな消え去ったデスマスク |
西出楓楽 |
地の句 |
泣いた笑ったスマホに溜まる孫の顔 |
片岡加代 |
天の句 |
文楽の眉で笑ろうて眉で哭く |
山野寿之 |
兼題 「もっと」 |
三宅 保州 選 |
|
人の句 |
僕の背にもっと凭れていいんだよ |
中村惠 |
地の句 |
戦争がなければもっと青い星 |
山野寿之 |
天の句 |
にんげんはもっと賢い筈なのに |
新家完司 |
兼題 「位 置」 |
小島 蘭幸 選 |
|
人の句 |
花嫁は斜め四十五度の美女 |
山根妙子 |
地の句 |
バス停が見える窓辺でモカにする |
島田握夢 |
天の句 |
眉間には春をとまらせたいものだ |
居谷真理子 |
月間賞 |
居谷真理子 |
|
川柳塔 2019年7月本社句会秀句 |
席題 「良 い」 |
久保田千代 選 |
|
人の句 |
良い話だけが聞こえる耳を持つ |
吉村久仁雄 |
地の句 |
春落ち葉ひとりを生きるこころがけ |
森中惠美子 |
天の句 |
三途の川で悔いがなければ良いのです |
島田握夢 |
兼題 「無 い」 |
原田すみ子 選 |
|
人の句 |
今日にしかない幸せと気がつかず |
吉村久仁雄 |
地の句 |
残高は無いが翼と夢がある |
山岡冨美子 |
天の句 |
無邪気です晒し木綿になりました |
銭谷まさひろ |
兼題 「おいしい」 |
川端 一歩 選 |
|
人の句 |
大切な今をおいしく召し上がる |
藤井智史 |
地の句 |
スルメ噛むように味ある人間味 |
荻野浩子 |
天の句 |
夢ひとつ混ぜておいしい明日にする |
鈴木かこ |
兼題 「休 む」 |
片山かずお 選 |
|
人の句 |
休止符もなければ生きてこぬリズム |
三宅保州 |
地の句 |
休むのはここだと決めて墓地を買う |
柿花和夫 |
天の句 |
休ませてあげたい地球疲れてる |
中島一彌 |
兼題 「 今 」 |
片岡 加代 選 |
|
人の句 |
かぜになりいまもわたしの中に居る |
たむらあきこ |
地の句 |
今にして思うジャムパンコッペパン |
木本朱夏 |
天の句 |
七十四年今仰いでる夏の空 |
岩佐ダン吉 |
兼題 「想 定」 |
小島 蘭幸 選 |
|
人の句 |
穏やかな形で母が暮れてゆく |
平井美智子 |
地の句 |
どしゃぶりの恋は想定外でした |
藤井智史 |
天の句 |
七夕の笹に想定外を吊る |
本田智彦 |
月間賞 |
本田智彦 |
|
川柳塔 2019年6月本社句会秀句 |
席題 「流行る」 |
平井美智子 選 |
|
人の句 |
流行るだけ流行らせゆるキャラの孤独 |
小野雅美 |
地の句 |
流行は追わぬタイザンボクの白 |
荻野浩子 |
天の句 |
流行りだといえば象にも乗ってみる |
中村惠 |
兼題 「計 算」 |
細川 花門 選 |
|
人の句 |
計算は苦手半額なら得意 |
山野寿之 |
地の句 |
指折って数える癖が直らない |
能勢利子 |
天の句 |
計算はせずに買物してみたい |
森田遊子 |
兼題 「 手 」 |
山田 葉子 選 |
|
人の句 |
手をつなぐもう片方にある秘密 |
鴨谷瑠美子 |
地の句 |
転ぶ子に差し出す片手空けておく |
伊達郁夫 |
天の句 |
泡立つものしずめて老いと手をつなぐ |
渡辺富子 |
兼題 「うきうき」 |
村上 直樹 選 |
|
人の句 |
やりたいことを見つけた少女蝶となり |
緒方美津子 |
地の句 |
人間を脱ぎうきうきと花浄土 |
渡辺富子 |
天の句 |
「はやぶさ2」の帰還待たれる玉手箱 |
中島一彌 |
兼題 「噛 る」 |
松原 寿子 選 |
|
人の句 |
噛み合わせ軋み出したらハグをする |
藤井宏造 |
地の句 |
とんがった言葉きれいに噛み砕く |
鈴木かこ |
天の句 |
ご忠告味が出るまで噛み締める |
新家完司 |
兼題 「我 慢」 |
小島 蘭幸 選 |
|
人の句 |
耐えぬいた涙真珠になりました |
木本朱夏 |
地の句 |
Letitbe我慢はいつか溶けてゆく |
西出楓楽 |
天の句 |
我慢して五百羅漢になりました |
荻野浩子 |
月間賞 |
荻野浩子 |
|
川柳塔 2019年5月本社句会秀句 |
|
|
席題 「着 く」 |
出口セツ子 選 |
|
人の句 |
流れ着いた町で仮面を付け替える |
木本朱夏 |
地の句 |
新札のたどり着く世はキャッシュレス |
岸田万彩 |
天の句 |
平和を守る 第9条にたどり着く |
内藤憲彦 |
兼題 「 絵 」 |
山﨑 武彦 選 |
|
人の句 |
名画展まず体力を試される |
山岡冨美子 |
地の句 |
青春の叫び聞える無言館 |
澤井敏治 |
天の句 |
踏み絵には私の顔が書いてある |
川端六点 |
兼題 「疑 う」 |
上田ひとみ 選 |
|
人の句 |
疑う余地が無い君は主犯格 |
加川靖鬼 |
地の句 |
お待ちくださいビデオ判定致します |
太田としお |
天の句 |
いつまでもこんな幸せ続かない |
吉村久仁雄 |
兼題 「どうぞ」 |
中川ひろ介 選 |
|
人の句 |
救急車受け入れ先が見つからず |
榎本日の出 |
地の句 |
どうぞから始まる作法おもてなし |
津守柳伸 |
天の句 |
僅かでもどうぞと分けた昭和の子 |
長谷川崇明 |
兼題 「派 手」 |
西出 楓楽 選 |
|
人の句 |
派手な相づちこの人話聞いてない |
吉村久仁雄 |
地の句 |
はんなりと質素と派手の暮しぶり |
七反田順子 |
天の句 |
物欲が極彩色になっている |
鈴木かこ |
兼題 「時 代」 |
小島 蘭幸 選 |
|
人の句 |
あたらしい時代を開けて庭雀 |
森田旅人 |
地の句 |
あの頃に戻る拓郎聴きながら |
鈴木かこ |
天の句 |
同じ時代に生まれあなたに巡り会う |
小野雅美 |
月間賞 |
小野雅美 |
|
川柳塔 2019年4月本社句会秀句 |
|
|
席題 「 胸 」 |
岩佐ダン吉 選 |
|
人の句 |
ロボットに胸の痛みがあるかしら |
木本朱夏 |
地の句 |
胸奥に恋人のごと鶴彬 |
大内朝子 |
天の句 |
仮設から一年生が胸を張る |
米田利惠子 |
兼題 「 恩 」 |
中村 惠 選 |
|
人の句 |
恩という一字なんども書いてみる |
岩佐ダン吉 |
地の句 |
歓びへしみじみ降り積もる四恩 |
鈴木かこ |
天の句 |
恩人はみんな桜の木になった |
新家完司 |
兼題 「ぐにゃ」 |
内藤 憲彦 選 |
|
人の句 |
ぬる燗でぐにゃりとしたい花の午後 |
村上直樹 |
地の句 |
こんにゃくのような男でほっとけぬ |
大内朝子 |
天の句 |
広島がぐにゃり原爆おそろしい |
荻野浩子 |
兼題 「余 る」 |
長浜 美籠 選 |
|
人の句 |
余力まだあたためている固い椅子 |
上田ひとみ |
地の句 |
ありがとう言える余力は残しとく |
大内朝子 |
天の句 |
椿散ってもまだ情念の色のまま |
荒川鈍甲 |
兼題 「ひらすら」 |
太田としお 選 |
|
人の句 |
もうかりもせぬ田畑耕す父と母 |
三宅保州 |
地の句 |
夫も子もひたすら誉めて昼寝する |
田中ゆみ子 |
天の句 |
ひたすらに考えロダン立ち上がる |
関よしみ |
兼題 「芝 居」 |
小島 蘭幸 選 |
|
人の句 |
お芝居のような二十才の恋だった |
齋藤さくら |
地の句 |
好きだとは言えずにモナ・リザになった |
山岡冨美子 |
天の句 |
半畳もあればわたしの花舞台 |
木本朱夏 |
月間賞 |
木本朱夏 |
|
川柳塔2019年3月本社句会秀句 |
|
|
席題 「家 具」 |
矢倉 五月 選 |
|
人の句 |
テーブルに家族が寄ってくるのです |
籠島恵子 |
地の句 |
頂点にたどりついたら軋む椅子 |
浜知子 |
天の句 |
ダム底に僕の机が眠る村 |
柴本ばっは |
兼題 「ほどほど」 |
両川 無限 選 |
|
人の句 |
父の拳骨手加減を知っている |
前たもつ |
地の句 |
ほどほどの番続けていく非凡 |
山野寿之 |
天の句 |
アホやなあそんなにむきにならんでも |
森松まつお |
兼題 「 息 」 |
鴨谷瑠美子 選 |
|
人の句 |
阿吽の呼吸鍵はかかっておりません |
島田握夢 |
地の句 |
溜息で妻は上手に返事する |
太田扶美代 |
天の句 |
母さんは溜息胸にたたみ込む |
石田隆彦 |
兼題「不覚にも」(詠み込み不可) |
藤井 宏造 選 |
|
人の句 |
肩書きを取れば風さえそっぽ向く |
松本あや子 |
地の句 |
やさしさにあぐらをかいていたんだね |
山田葉子 |
天の句 |
信長の油断 本能寺にあった |
両川無限 |
兼題 「育 つ」 |
水野 黒兎 選 |
|
人の句 |
育つ巣立つ育つ巣立つを見て八十路 |
上田和宏 |
地の句 |
育児書を閉じ大らかな子に育て |
升成好 |
天の句 |
子育て終え夫育てが始まった |
山下純子 |
兼題 「野 性」 |
小島 蘭幸 選 |
|
人の句 |
遠吠えは私の愛のセレナーデ |
鈴木かこ |
地の句 |
酒二合ほどで類人猿になる |
新家完司 |
天の句 |
窓際の椅子で熟睡する野性 |
山野寿之 |
月間賞 |
山野寿之 |
|
川柳塔 2019年2月本社句会秀句の紹介 |
|
|
席題「空 気」 |
鈴木いさお 選 |
|
人の句 |
呑んでないだと風船を吹いてみろ |
島田握夢 |
地の句 |
回復期水よ空気よありがとう |
太田扶美代 |
天の句 |
平成の空気昭和の肺で吸う |
居谷真理子 |
兼題「ぼんやり」 |
内田志津子 選 |
|
人の句 |
全貌がぼんやり見えてきた野望 |
伏見雅明 |
地の句 |
ぼんやりの麻酔が醒める妻の声 |
丹後屋肇 |
天の句 |
テールランプへ影がぼんやり遠ざかる |
松原寿子 |
兼題「スタイル」 |
山野 寿之 選 |
|
人の句 |
鶴を折る鶴は祈りのかたちして |
山﨑武彦 |
地の句 |
風まかせ少々重い凧ですが |
上田ひとみ |
天の句 |
盆栽の自由を許さない鋏 |
田中ゆみ子 |
兼題「痒 い」 |
山岡冨美子 選 |
|
人の句 |
歯痒いとも思う分別とも思う |
升成好 |
地の句 |
掻けば掻くほど底無しの沼になる |
鈴木かこ |
天の句 |
人間を見過ぎたようだ目が痒い |
新家完司 |
兼題「盛 り」 |
藤村 亜成 選 |
|
人の句 |
人生の午後これからを華にする |
冨永恭子 |
地の句 |
因習の壁こじ開ける伸び盛り |
笹倉良一 |
天の句 |
命あるかぎりは盛りだとおもう |
山岡冨美子 |
兼題「現 実」 |
小島 蘭幸 選 |
|
人の句 |
難民にスーパーマンが現れぬ |
新家完司 |
地の句 |
叫んでも泣いてもなくならぬ戦 |
笹倉良一 |
天の句 |
現実を見てる ブランコ漕ぎながら |
太田扶美代 |
月間賞 |
太田扶美代 |
|
川柳塔 2019年1月本社句会秀句の紹介 |
|
|
席題「 楽 」 |
安土 理恵 選 |
|
人の句 |
楽しくてたまらぬように花は咲く |
西出楓楽 |
地の句 |
「災」が転じて今年は「楽」になるように |
新家完司 |
天の句 |
一度しかない人生を楽しまん |
大内朝子 |
兼題「和やか」 |
柿花 和夫 選 |
|
人の句 |
和やかになるまでそばに居てあげる |
中村惠 |
地の句 |
グループホーム時々漏れる笑い声 |
丹後屋肇 |
天の句 |
お茶入りましたと妻が呼ぶ三時 |
鈴木栄子 |
兼題「ステップ」 |
初代 正彦 選 |
|
人の句 |
一足飛び鋭い眼する菫ちゃん |
木藤こみつ |
地の句 |
踏み出せば周りが君を引き立てる |
内藤憲彦 |
天の句 |
若い芽のステップ世界駆け上がる |
石田隆彦 |
兼題「仕 事」 |
古今堂蕉子 選 |
|
人の句 |
笑ったら首になります葬式屋 |
太田としお |
地の句 |
阪神よファンが喜ぶ仕事して |
降幡弘美 |
天の句 |
七十の無職十でもプロの棋士 |
内藤憲彦 |
兼題「渡 る」 |
山本希久子 選 |
|
人の句 |
病院の渡り廊下にある戦 |
木本朱夏 |
地の句 |
昭和平成渡り歩いてきた素足 |
片岡加代 |
天の句 |
渡り終えたところはきっと花畑 |
太田扶美代 |
兼題「輝 く」 |
新家 完司 選 |
|
人の句 |
キラキラキラキラわたくしの昭和 |
小島蘭幸 |
地の句 |
少子化に光り輝く妊婦さん |
藤井宏造 |
天の句 |
太陽が窓いっぱいに退院日 |
山野寿之 |
月間賞 |
山野 寿之 |
|