2018年1月WEB句会 (第22回)

2018年1月WEB句会 (第22回)

投句数 327句(166名)
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「静 か」
くんじろう 選

(入選取り消し)
来し方を編む動の糸静の糸藤澤霧堂
長閑に五歩七歩五歩と一行詩藤澤霧堂
次の方どうぞ静かな注射針板垣孝志
愛されて静かに腐敗する夕日まさと
真夜中の秒針生れ出る奇跡勢藤潤
静かなる目玉焼丼韜晦すいなだ豆乃助
鳩はもう帽子の中で臥している平井美智子
ハンカチで包んだ咳を持ち帰る平井美智子
蝉の声聞こえてきます結跏趺坐山田こいし
雪虫の無欲とどめを刺しにくる岩根彰子
ぐぁんぐぁんと静かに地球自転する平尾定昭
黙考を迫るジョン・ケージの無音加藤当白
じっくりと見ている花の呼吸まで辻内次根
友の通夜もっと騒ごうではないか雨森茂喜
センターに置かぬと薔薇は香らない美馬りゅうこ
音の無い世界に入る柩です寺川弘一
路地カメラ夜ごと静かな狩りをする斉尾くにこ
顔ぶれを見れば静かな筈がない木嶋盛隆
月光の差し込む居間の午前二時浮世っ子
給食の一瞬静か一口目浮世っ子
警策の音だけ響く座禅堂西山竹里
広辞苑二十五万語包み込む森山盛桜
雪しんしんウサギの足跡が唄うまろん
栓抜きを仕舞い宴は閉じられる柴田比呂志
反り返るバナナ静かに破る春福村まこと
静かさに片想いする非常ベル福村まこと
一合と大根炊いてただ静か徳重美恵子
満月に開く静かな毒キノコ青砥和子
海凪いでテトラポットは無表情若芽
一月の国旗零時の火の静か斎藤秀雄
牡丹の咲くときも牡丹の散るときも丹下凱夫
佳 作ふるさとの橋は静かに拒絶するかきくけ子
座禅組む心療内科二号棟板垣孝志
コインロッカー開く 静かの海に出る月波与生
ぱふっ程の音もださずにビックバンアズスン安須
その口にエポキシ樹脂を塗りなはれ田口和代
人の句しずかちゃん、亡命先のパリで死すいなだ豆乃助
地の句最後の人類まであと十二人森山文切
天の句しゅんかんの交尾スクランブル交差点月波与生

「静 か」
居谷真理子 選

(入選取り消し)
温暖化海が静かに肥えてゆく荘子隆
食卓から静かに愛が消えてゆくめぐ
この静けさはきっと誰かの企みだめぐ
静けさを活断層の背で愛でる前川真
次の方どうぞ静かな注射針板垣孝志
サヨナラと書いて静かにペンをおく山本進
喧騒が消えた君を見た瞬間大島ともこ
お育ちがほのかに香るもの静か武本碧
お喋りな人を減らしていくスマホ北田のりこ
しゅんかんの交尾スクランブル交差点月波与生
世の中のお役に立てずただ化石宝花義一
張本人だけがしている静かな目川本真理子
ふくろうになれば聞こえる超音波桔梗庵
眠る墓探検隊がこじ開ける坂本加代
裸木になって静かな息になる米山明日歌
椀の中餅は静かに正座して里山水月
友の通夜もっと騒ごうではないか雨森茂喜
路地カメラ夜ごと静かな狩りをする斉尾くにこ
静かです大群衆はみなスマホ福多郎
月光の差し込む居間の午前二時浮世っ子
広辞苑二十五万語包み込む森山盛桜
夜の更ける音が聞こえてくる独りあかり
こんなにも静かひとりが欠けた家澁谷さくら
おしゃべりなふたりが手話でする会話澁谷さくら
夕暮れのたった一人の美術館森廣子
許そうか静かに雪が降るように伊藤良一
米と北静かに黒い砂時計関口行雲
日中は静かな仏間なんですが田口和代
静かには飲んでおれない寂しがり橋倉久美子
牡丹の咲くときも牡丹の散るときも丹下凱夫
水もらう列の静粛日本人
佳 作最後の人類まであと十二人森山文切
じっくりと見ている花の呼吸まで辻内次根
静かさは卑怯とみなす声上げよ右田俊郎
落ち着いた人だ賛否に手を上げず両澤行兵衛
本物の流儀静かに燃えている柳田かおる
人の句犬死んで寂しいわねと嘘を言うたごまる子
地の句しんとしてただしんとして寒い田村ひろ子
天の句ふるさとの橋は静かに拒絶するかきくけ子

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