2017年7月WEB句会 (第16回)

2017年7月WEB句会 (第16回)

投句数 313句(158名)
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「見 る」
間瀬田紋章 選

木を見ても森を見てない永田町氷川の杜
盗み見るあなたの中の水鏡徳田ひろ子
父はまだ関根恵子の夢を見る徳田ひろ子
予定など何もないのに見る手帳木嶋盛隆
前だけを見て生きてたら落とし穴アズ
ひと塩を振れば本心見えてくる武本碧
一見は百聞よりもつまらないはぐれ雲
その日からよそ見しているハネムーン山本進
私見て笑ってくれる赤ん坊北田のりこ
ジーンズの穴から見えている本音高田まさじ
こぢんまり見える二度目の観光地たごまる子
叶わない夢を見ているほうが楽たごまる子
5小節休みでも見ている楽譜加藤当白
午前二時夢の続きを見る南瓜白鳥象堂
裏表末席からはよく見える圦山繁
マイ・ハートそっと覗くと黴だらけ新家完司
見たことをすべて忘れてよく眠る新家完司
胃カメラのみだらツンツン青レモン岩根彰子
遺影だがしみじみと見る妻の顔山川守
黙ってる人と二人で見る夕日平井美智子
花火見る妻の横顔少し老け石川柳寿
老眼で離婚届けを二度見する十六夜
簡単に見えた話にけつまずくくじょうまる
答弁で見てた資料が燃えてゆく城崎れい
びりっけつ列の乱れがよく見える塚越孝一
偽物を見抜く目がわたしを見ている斉尾くにこ
見えぬもの見たくて夜のサングラス斉尾くにこ
僕を刺す文字がヒアリに見えてくる森山盛桜
犯人は奴だと無駄に見るドラマフーマー
だまし絵に隠れた鹿を見つけだす澁谷さくら
透明になってジュゴンを見に行こう月波与生
竹輪から世界を見ると歪んでる丸山進
佳 作二度寝して昭和の夢の続き見る光畑勝弘
見たことはあるけど食べたことはない橋倉久美子
股のぞきして美しくする未来柴田比呂志
チラチラと見ても美人は美しい村田幸夫
見てたもの見えなくなってから大人水たまり
人の句抜け殻に蝉の焦りを見てしまう青砥たかこ
地の句女にはおんなの嘘がよく見えるあそか
天の句手の中の海を息子が見せに来る青砥和子

「見 る」
古今堂蕉子 選

見ることが聞くに優ることはなし安田清一
満天の星見ず君の笑顔見る茶唄鼓
愚痴聞いてじっと顔見る膝の猫やんちゃん
ロボットがスマホ見ている無表情細川花門
見つめるとシャイな小皺が知らん振り武本碧
その日からよそ見しているハネムーン山本進
のぞき見にちょっとしたコツカンニング若芽
オーロラを見ずには帰れないツアー吉崎柳歩
ねころんで空見る起き上がりこぼし田村ひろ子
雷神が見える光の矢の上に安藤なみ
馬食べる人だと馬に睨まれる板垣孝志
マイ・ハートそっと覗くと黴だらけ新家完司
うつろな目の先にぼーっとした人雨森茂喜
よく見るとあちこち穴のあいた恋汐海岬
焦点を合わせて見たくない時代森下博史
見えそうで見えないところ良いらしい徳重美恵子
ミサイルを横目に沖で立ち泳ぎ昌紀
写経して少し黄泉路が見えてくる木田比呂朗
連れ添って見る目がないと思い知るふみお
見たことはあるけど食べたことはない橋倉久美子
粗探ししてはいけない指眼鏡柴田比呂志
偽物を見抜く目がわたしを見ている斉尾くにこ
もう少し歩幅を広げ明日を見る武良銀茶
見た者が石に変わるという孤独西沢葉火
顔色を見る行政が腐敗する上原稔
ミクロンを指先に見る町工場水野黒兎
自己中の目で台風の進路見る上山堅坊
正直な顔でジョーカー見せている柳田かおる
茹で上げた月を見上げる熱帯夜岸田万彩
時々は後ろも見たい靴の先伊藤良一
酷使した目を淡々と見る眼医者黒しま
見てたもの見えなくなってから大人水たまり
佳 作見て見ぬふり出来ず飛び込むお節介じゅん
ほぼ見えた所で正義振りかざすくじょうまる
答弁で見てた資料が燃えてゆく城崎れい
夢を見て来たよと土器のひとかけら森山盛桜
頂上でその他大勢ばかり見る月波与生
人の句時折は見えない場所で咲いている石森あやみ
地の句女にはおんなの嘘がよく見えるあそか
天の句未来だけ見て三輪車走り出す川本真理子

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