川柳塔 2018年1月本社句会秀句の紹介


席 題
「ばっかり」
籠島 恵子 選
 人の句 ノーベル賞遊んでばかりいたあの子
 地の句 自分史にリセットしたい恥ばかり
 天の句 ばっかりではなかった例外もあった

田中章子
柿花和夫
山岡冨美子


兼 題
「和 風」
山野 寿之 選
 人の句 静寂の庭鳴り響く鹿威し
 地の句 天空から戦はダメと奴凧
 天の句 躾糸ぬき振袖が春へ舞う

井澤壽峰
中里はこべ
松原寿子


兼 題
「たっぷり」
鈴木いさお 選
 人の句 六十年飲んだけれどもまだ飲める
 地の句 難民がたっぷり食えるのはいつだ
 天の句 夕焼け小焼けまだたっぷりと人を恋う

新家完司
川端一歩
美馬りゅうこ


兼 題
「子ども」
山岡冨美子 選
 人の句 赤ちゃんは神のお使いだと思う
 地の句 子どもらの誰のためでもない笑顔
 天の句 どこの子もうちの子 未来託す子だ

木藤こみつ
中島一彌
安土理恵


兼 題
「笑 う」
古今堂蕉子 選
 人の句 コロコロと笑う十五の水蜜桃
 地の句 うつむいてニヤリと聞いているお世辞
 天の句 通訳を介して笑う間の悪さ

細川花門
森松まつお
村上玄也


兼 題
「トップ」
新家 完司 選
 人の句 スタートラインみんなトップの顔をして
 地の句 トップまで昇ると下に雲かかる
 天の句 メタセコイア天突きそうだ尖って

升成好
大坪一
柴本ばっは


月間賞
柴本ばっは



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