|
|
 |
|
|
人の句 都合よい神風なんてありません
地の句 初夏の風いい日になった墓参り
天の句 誕生日90本も吹き消した |
宇都満知子
内藤憲彦
井上一筒
|
|
兼 題
|
「 珍 」
 選 |
|
|
人の句 一列のスマホ車中に読書の娘
地の句 妻の評は「珍味」夫の初料理
天の句 珍しい言葉だラップしておこう |
山野寿之
水野黒兎
藤井文代
|
|
|
人の句 人肌の燗を覚えてくれた嫁
地の句 この案でほぼ決まりですあとは金
天の句 ほぼほぼは羅漢の顔だ日本人 |
三宅保州
吉岡修
上田和宏
|
|
|
人の句 遠くなる耳から洩れている孤独
地の句 いつからか記憶装置の液状化
天の句 失言は本音がもれただけのこと |
太田扶美代
山岡冨美子
西出楓楽
|
|
|
人の句 よちよちがオムツのお尻ふっている
地の句 ご近所のグレース・ケリーまだ独り
天の句 娘役楽屋で乳をふくませる |
山岡冨美子
新家完司
油谷克己
|
|
|
人の句 さるすべりするりと後期高齢者
地の句 百万本のバラより君という野バラ
天の句 赤ちゃんのクシャミ牡丹の花揺れた |
谷口義
海老池洋
太田扶美代
|
|
