川柳塔 2014年7月本社句会秀句の紹介


席 題
「次」
新家 完司 選
 人の句  また明日へ傘の雫を切っておく
 地の句  次のオペまでの時間を楽しもう   
 天の句  杖の先 次あたるのは吉だろう

両川 無限
松本あや子
森井 克子


兼 題
「人並み」
山本 義子 選
 人の句  人並みに人間が好き詩が好き
 地の句  人並みの幸せでよい茶粥炊く
 天の句  人並みにして欲しい柩も祭壇も

上垣キヨミ
榎本日の出
森中惠美子


兼 題
「見渡す」
山岡冨美子 選
 人の句  ふり向けばわたしひとりのカーニバル
 地の句  見渡すと小さな幸が笑ってた
 天の句  見渡すと味方はみんな消えていた

木本 朱夏
山本 昌代
西内 朋月


兼 題
「ばらばら」
両川 無限選
 人の句  ばらばらに暮して知った家族愛
 地の句  ひたすらに生きてばらばら食べこぼす
 天の句  ばらばらにしたら答えが見えて来た

坂  裕之
嶋澤喜八郎
榎本 舞夢


兼 題
「涼しい」
植野美津江 選
 人の句  原発ノー今年の涼も渋団扇
 地の句  吊しのぶ待つひとがあり涼をよぶ
 天の句  疑いを持たぬ涼しい目に負ける

坂上 淳司
森中惠美子
島田 誠一


兼 題
「未練」
小島 蘭幸選
 人の句  未練というぬめりほぐしている手櫛
 地の句  満潮になると未練がやって来る
 天の句  想いを絶ち切れぬ水引草が咲く

たむらあきこ
栃尾 奏子
森中惠美子


月間賞
森中恵美子



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