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人の句 試験管女が香るかっぽう着
地の句 メールでは君の香りが届かない
天の句 やわらかい香りだ君に酔っている |
山本希久子
安福 和夫
高田まさじ
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人の句 咳込んだ父の背中が痩せている
地の句 ありがたいまだ生きている咳してる
天の句 家中の咳を知ってる母の耳 |
太田としお
太田としお
米澤 俶子
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人の句 夕刊を開くと今日が立ち上がる
地の句 嘘流し切るまで開けておく蛇口
天の句 火中の栗拾う覚悟のいばら道 |
谷口 義
久保田千代
足立 茂
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人の句 シャッターチャンス待つ一瞬の風のいろ
地の句 まだ少し女のチャンス紅をさす
天の句 転生のチャンスを抱いて花は散る |
木本 朱夏
小林 わこ
山岡冨美子
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人の句 針供養とうふに罪が刺してある
地の句 言い訳を鋭角に切る妻の舌
天の句 鋭さが消えた結婚したのです |
関 よしみ
山岡冨美子
小島 蘭幸
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人の句 相談がしたいと仏壇へ坐る
地の句 手掴みがうまい林檎もおにぎりも
天の句 手渡しのチョコはとっくに溶けている |
山田 耕治
新家 完司
中村 惠
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