川柳塔 2014年1月本社句会秀句の紹介


席 題
「網」
三宅 保州選
 人の句   とても大きな網に掬えたものがない
 地の句   網棚に置いた金塊見当たらぬ
 天の句   人間を篩にかける答案紙

たむらあきこ
佐々木満作
山野 寿之


兼 題
「腕」
安土 理恵選
 人の句   ときどきは腕立て伏せで立ち上がる
 地の句   最高の相棒右腕左腕
 天の句   私を創るわたくしの両腕

関 よしみ
居谷真理子
山岡冨美子


兼 題
「さかずき」
川端 一歩選
 人の句   さかずきの人間賛歌聞いている
 地の句   盃の底に沈んだ罪が浮く
 天の句   盃上げて明日の世界と日本を

山本希久子
米澤 俶子
太田としお


兼 題
「やんわり」
大内 朝子選
 人の句   弥陀の手にやんわり抱かれゆく浄土
 地の句   やんわりの笑顔で渡っているこの世
 天の句   やんわりと元旦になる朝ぼらけ

鈴木いさお
安土 理恵
河内 天笑


兼 題
「新しい」
村上 直樹選
 人の句   負け組にまだまっさらな明日がある
 地の句   まだ匿っているわたくしの中の新
 天の句   腹を決め誰も歩いていない道

升成  好
たむらあきこ
岩佐ダン吉


兼 題
「願い」
西出 楓楽選
 人の句   ご破算で願いましては秘密法
 地の句   五十鈴川渡る静かな願い事
 天の句   ひと粒の麦になればと書いている

藤塚 克三
牧浦 完次
矢倉 五月


月間賞
矢倉五月



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