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人の句 わたくしの匂いが消えるまで洗う
地の句 捨て科白洗い直してから使う
天の句 それからの闇を洗うてきた絆 |
小島 蘭幸
谷口 義
中井 アキ
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人の句 哀しみに蓋をしているのは男
地の句 オモチャ箱夜中に蓋が開くマーチ
天の句 パッと蓋取れば茶柱立っている |
中井 アキ
宮シマ子
北村 賢子
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人の句 美しい嘘をようやく言えるひと
地の句 死神に会うてようやく真人間
天の句 熱い汗積んで真っ赤な実を結ぶ |
板尾 岳人
栃尾奏子
大内 朝子
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人の句 平和を紡ぐはだしのゲンを読んでみる
地の句 菜の花の黄色が春を紡ぎだす
天の句 今日という糸を明日へ繰り紡ぐ |
吉道あかね
水野 黒兎
三宅 保州
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人の句 すこし爆ぜるためにしじまに置く背骨
地の句 拍手喝采してピエロの無表情
天の句 拍手受けそれから重い荷を背負う |
たむらあきこ
坊農 柳弘
西出 楓楽
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人の句 両親が十年日記買うている
地の句 亡母の貌から風景が濡れている
天の句 横綱を産んだ貧しい母だった |
桝本 宏子
たむらあきこ
居谷真理子
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