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人の句 熱燗でなければならぬ冬の酒
地の句 ふところが寒いと知恵が出て来ない
天の句 信じてた人から寒い嘘を聞く |
三宅 保州
柴本ばっは
久保田千代
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人の句 厄年は一息入れて羽繕い
地の句 厄除けに貧乏神と同居する
天の句 厄年に女盛りという踏絵 |
小谷 集一
神野千恵子
小谷 集一
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人の句 添いとげるつもりで同じ釜の飯
地の句 遺言のつもりで書いている日記
天の句 子の世話にならぬつもりの母の意地 |
山口 光久
森松まつお
松尾美智代
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人の句 都合よく着信音に救われる
地の句 今出れぬすっぽんぽんでおりますの
天の句 人間の都合で種のないブドウ |
長浜 美籠
山野 寿之
三宅 保州
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人の句 物好きの無限に秘める可能性
地の句 奇人変人寄って楽しい仲間の輪
天の句 物好きの視野にノーベル賞がある |
大内 朝子
木本 朱夏
山岡冨美子
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人の句 錆色で輝く百歳の詩人
地の句 鉄錆の臭いをさせてちちが来る
天の句 錆落とす旅をつづけているのです |
志田 千代
木本 朱夏
河内 月子
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