川柳塔 2017年1月本社句会秀句の紹介


席 題
「踏 む」
長浜 美籠 選
 人の句 何事も場数を踏んで味が増す
 地の句 反抗期靴のかかとを踏みつぶす
 天の句 殻脱いで踏み出す勇気から希望

市坪武臣
木本朱夏
大内朝子


兼 題
「 父 」
山野 寿之 選
 人の句 冷たかろう父の墓石の雪払う
 地の句 明日の虹見えるか父の肩車
 天の句 ほろほろと酔うて漕ぎだす父の舟

山本進
伊達郁夫
木本朱夏


兼 題
「マーク」
大内 朝子 選
 人の句 初めての胎動記す母子手帳
 地の句 夕焼けがきれい明日は晴れマーク
 天の句 花マルを付けた男と生き延びる

古今堂蕉子
松尾美智代
渡辺富子


兼 題
「触れる」
山岡冨美子 選
 人の句 触れられて一途な紐が解け出す
 地の句 SNSで触れ合えますか こころ
 天の句 春ですよ私に触れてみませんか

森廣子
西出楓楽
栃尾奏子


兼 題
「余 裕」
村上 直樹 選
 人の句 大器晩成ゆっくり波を待っている
 地の句 雪の日は雪と語っている余生
 天の句 底辺をゆっくり歩く好きな道

久保田千代
海老池洋
榎本日の出


兼 題
「めでたい」
新家 完司 選
 人の句 路地裏の地べたも温め初日の出
 地の句 通学路見守り隊は喜寿傘寿
 天の句 地も揺れず弾も降らない三が日

あまのとーな
山岡冨美子
居谷真理子


月間賞
居谷真理子



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