川柳塔 2016年11月本社句会秀句の紹介


席 題
「 板 」
鈴木いさお 選
 人の句 あの世まで繋がっている足場板
 地の句 いくばくの疵まないたもわたしにも
 天の句 美しい板場だ美しい指だ

新家完司
たむらあきこ
小島蘭幸


兼 題
「 橋 」
小谷 小雪 選
 人の句 ひと言に刹那の橋を架けられる
 地の句 跳ね橋を渡りゴッホに逢いに来た
 天の句 対岸に届くと信じ渡る橋

たむらあきこ
木本朱夏
鴨谷瑠美子


兼 題
「打 席」
米田 恭昌 選
 人の句 下積みの汗が打席を沸かしてる
 地の句 努力してやっと打席にたつ代打
 天の句 空振りも絵になる打者のいた昭和

石田ひろ子
能勢利子
山封枢F


兼 題
「脱 ぐ」
片山かずお 選
 人の句 終活へ鎧兜を脱ぎ捨てる
 地の句 嬉しさの形に服を脱ぐ子供
 天の句 バンザーイと母を脱がせている介護

山本進
榎本日の出
山田耕治


兼 題
「ポ ン」
木本 朱夏 選
 人の句 そして秋 人事が僕の肩叩く
 地の句 神様のガラガラポンで変わる運
 天の句 財布ごとポンと渡してみたかった

山封枢F
肥山一文
伊達郁夫


兼 題
「未 熟」
小島 蘭幸 選
 人の句 完成形ない人間が面白い
 地の句 ボディーは老朽ハートは青二才
 天の句 私が許せぬわたくしの未熟

山岡冨美子
新家完司
たむらあきこ


月間賞
たむらあきこ



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