川柳塔 2014年11月本社句会秀句の紹介


席 題
「善」
渡辺 富子 選
 人の句 聖戦というのは神よ善ですか    
 地の句 善悪の是是非非を聞く耳二つ  
 天の句 一善もしないで飲んで寝てしまう

山岡冨美子    
山野 寿之   
河内 月子


兼 題
「季節」
籠島 恵子 選
 人の句 シーズンオフなんてなかった若かった
 地の句 秋ですね雲のかたちもやさしくて
 天の句 通りすぎた季節光っていましたね

上山 堅坊
柴本ばっは
木本 朱夏


兼 題
「省く」
西内 朋月 選
 人の句 鱗みな削ると自分らしくなる
 地の句 しがらみを省けば風も心地よい
 天の句 思いっきり省いて私鳥になる

 武彦
黒田 能子
古今堂蕉子


兼 題
「こそこそ」
片山かずお 選
 人の句 こそこそと妻は上手に貯めている
 地の句 姉と妹 母へこそこそ女の目
 天の句 補聴器がこそこそ話聞いて病む

大谷 篤子
安土 理恵
 武彦


兼 題
「釘」
江島谷勝弘 選
 人の句 ご先祖も短気だったと思う釘
 地の句 五寸釘で繋がっている飲み仲間
 天の句 父ちゃんが打った釘だけ曲ってる

筒井 祥文
新家 完司
村上 玄也


兼 題
「訛」
小島 蘭幸選
 人の句 路地裏にオアシス板さんの訛
 地の句 フランス語しゃべる津軽の林檎たち
 天の句 京の椿はかんにんどすえと落ちる

柿花 和夫
木本 朱夏
古今堂蕉子


月間賞
古今堂蕉子



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