川柳塔 2012年11月本社句会秀句の紹介


席 題
「再生」
居谷 真理子選
 人の句  再生の爪は優しいピンク色
 地の句  天の句を書いた句箋は再生紙
 天の句  あたためてやったら息をする道具

中井 アキ
北野 哲男
太田扶美代


兼 題
「旬」
両川 無限選
 人の句  古日記繰れば僕にもあった旬
 地の句  お目覚めは旬のフレッシュジュースから
 天の句  柿みかん笑った秋の真ん中で

 武彦 
吉井菜々子
山本希久子


兼 題
「うんざり」
安土 理恵選
 人の句  めくるめく恋にも飽きて出家する
 地の句  くどいほど生きて昭和を語り継ぐ
 天の句  うんざりとしてても月も陽も昇る

渡邊 富子
村上 直樹
澤井 敏治


兼 題
「器用」
坊農 柳弘選
 人の句  朝のラッシュ器用に立って寝てる人
 地の句  器用ではないのでしてません浮気
 天の句  にんげんを器用に差配するお金

藤岡 りこ
長井 善純
新家 完司


兼 題
「古顔」
木本 朱夏選
 人の句  古顔になった人気者になっていた
 地の句  篩に掛けると古顔が消えた
 天の句  みんな古顔りんごの歌を知っている

太田扶美代
小島 蘭幸
鴨谷瑠美子


兼 題
「かぶる」
小島 蘭幸選
 人の句  言い訳は嫌い被ったままで居る
 地の句  冬帽子妻のぬくもり降りてくる
 天の句  泣くためにかぶる僕らの野球帽

中井 アキ
安土 理恵
上田ひとみ


月間賞
上田ひとみ



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