川柳塔 路郎忌 2011年7月本社句会秀句の紹介


席 題
「押す」
坊農 柳弘選
 人の句  みちのくの波押し返すいわし舟
 地の句  卒業はところてんでも職がない
 天の句  余り日の熊野古道を風が押す

長川 哲夫
榎本日の出
長川 哲夫


兼 題
「半額」
上野多恵子選
 人の句  雨降って半額にする天の川
 地の句  半額のバラでもバラは美しい
 天の句  半額の桃の傷から梅雨上がる 

森中惠美子
黒田 能子
木本 朱夏


兼 題
「拗ねる」
川端 一歩選
 人の句  断層が拗ねて地球を困らせる
 地の句  拗ねている背中に答書いてある
 天の句  にぎやかに拗ねる七夕さまは雨

遠山 唯教
松原 寿子
森中惠美子


兼 題
「ビタミン」
古今堂蕉子選
 人の句  ビタミンのような笑顔をひとつくれ
 地の句  美しく化けるビタミン剤を撰る
 天の句  ビタミンをたっぷり摂っているお顔

山田 耕治
森中惠美子
河内 月子


兼 題
「裏」
住田英比古選
 人の句  好きな人の裏は覗かぬことにする
 地の句  路地裏に僕の昭和が未だ残る
 天の句  足の裏に一度もお礼言ってない

久保田千代
森本 弘風
榎本日の出


兼 題
「炎天」
小島 蘭幸選
 人の句  炎天を黒い日傘のははが行く
 地の句  これも修行だ炎天の一万歩
 天の句  炎天下鹿と木陰を譲り合う 

木本 朱夏
新家 完司
加藤 俊宣


月間賞
加藤 俊宣



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