多数の皆さまのご参加をいただき感謝申し上げます。
入選句の内、秀句と特選句を紹介いたします。


兼　題
 「つくる」　江畑　哲男 選

この街をつくった仲間みんな老い
私を作り直している読書
茶碗蒸し作っただけの料理長
作品に考え込んでいるロダン
空欄をつくるストレス吐くために
一時間かけて美人になる私
鏡から今日の私が立ち上がる
不参加の理由を百通り作る
いい皺を刻み骨董品になる
LEDでつくろう新しい銀河

京　都
青　森
兵　庫
大　阪
大　阪
和歌山
京　都
大　阪
青　森
大　阪

 桝本　宏子
石澤はる子
古川　奮水
指宿千枝子
内田志津子
柏原　夕胡
寺島　洋子
小野　雅美
髙瀨　霜石
赤松ますみ


うかうかと生きて虫歯をふやしてる
難しいが二十五時間目をつくる
 大　阪
大　阪
 中井　アキ
立蔵　信子
兼　題
 「つくる」　居谷真理子 選

つくり笑いしかない悲しみの極み
あなたとつくる年輪きっとやわらかい
針と糸まずは心を温める
墓作る後は美味しい物食べる
座るだけでそよ風を生む人がいる
玩具箱底で泣いてる竹トンボ
神様の前にバイオのシャーレ置く
つくっては食べてつくって又食べる
手抜きなどしたら潰れる町工場
敵ばかり作って青春が燃える
 大　阪
愛　媛
佐　賀
島　根
大　阪
青　森
広　島
愛　知
大　阪
広　島
 太田扶美代
大内せつ子
真島久美子
内田　厚子
片岡智恵子
須郷　井蛙
中野　妙子
松長　一歩
谷口　東風
田辺与志魚


脳外科の名医のハサミ日本製
神様の領域ですよ　なりませぬ
 福　井
大　阪
 柳本　君代
森田　旅人


兼　題
 「　力　」　天根　夢草 選

百歳まで生きる気力を溜めている
AIが肩の力を抜いてきた
力点がずれてクラゲになる私
満開の桜が持っている力
雨だって力いっぱい降っている
全身の力で足の爪を切る
日の丸を見ると力が湧いてくる
透明なパワーをもらう深呼吸
立ち上がる力を大地から貰う
自然治癒力を高める卵酒
 大　阪
大　阪
静　岡
鳥　取
福　井
大　阪
鳥　取
山　口
和歌山
大　阪
 小川賀世子
日野　　愿
鈴木千代見
倉益　一瑶
みつ木もも花
森中惠美子
田中　天翔
上野　悦子
福井　菜摘
阿部　俊八


豆腐切る力のようなものが要る
側近が隠す寝首を掻く力
 鳥　取
京　都
 吉田　陽子
西山　竹里
兼　題
 「　力　」　古今堂蕉子 選

特大の筆で今年を語りきる
抑止力抜かぬ刀が要るという
力いっぱいやらなくていい溝そうじ
集まればうねりにだってなる非力
蝶番互の力信じあう
滑る葉の上で踏ん張る露がある
透明なパワーをもらう深呼吸
除雪車が力尽きたと弱音吐く
魂を揺さ振る力ある言葉
理想ばかり追って力のない拳

 兵　庫
兵　庫
島　根
愛　媛
愛　知
青　森
山　口
岡　山
和歌山
広　島
 大黒　政子
梅澤　盛夫
中筋　弘充
宮尾みのり
伊賀　武久
福士　慕情
上野　悦子
市田　鶴邨
小原　敏照
松岡登代子


挑戦の螺子に力んだあとがある
コスモスのような女房が頼りです

 和歌山
東　京

 武本　碧
辻　直子
*辻は1点しんにょう

　

雑　詠
 矢沢　和女 選

目次から生きるヒントを探してる
散る花の問わず語りのストーリー
ため息の重さにシーソーが沈む
この世からあの世桜が散るように
吊橋が長い疑心がまだ解けず
胸の底吐露するように実南天
常温に戻すと緩みだす背骨
あの話どうなりましたかと　桜
夕焼け小焼け錆びついてきた備忘録
コピー機の中で必殺仕事人
 静　岡
奈　良
兵　庫
大　阪
岐　阜
大　阪
大　阪
大　阪
広　島
岡　山
 小林ふく子
松本　柾子
佐藤寿美子
鈴木　かこ
小林　映汎
荻野　浩子
島田　誠一
谷口　義
笹重　耕三
藤井　智史


声援が聞こえたプリズムになった
音もなく散る花のあり人のあり
 大　阪
島　根
 赤松ますみ
伊藤　玲峰
雑　詠
 小島　蘭幸 選

ザラザラの優しさだった父だった
張りのある顔に戻した耕運機
人生の色に大根煮えてくる
やさしさに甘えて心地よく暮らす
つじつまの合わないとこが好きでした
守るものあり柵の中に居る
長生きをかかりつけ医と競い合う
家計簿が野菜畑にした花壇
墓まいりとても良い日になりました
老いてきたので免許証返せない
 静　岡
岐　阜
大　阪
兵　庫
大　阪
岡　山
千　葉
北海道
大　阪
大　阪
 米山明日歌
大島　凪子
坂本　星雨
黒田　能子
谷口　　義
市田　鶴邨
瀬田　明子
三浦　強一
内藤　憲彦
奥　　時雄


総理にはなれぬ知性が少しある
学歴のかわりわたくし本を読む
 大　阪
広　島
 日野　愿
中野　妙子

　

　　　　　　　　　© 2003 Senryutou