月明かり優しい手紙書けました


担当:奏子

月明かり優しい手紙書けました
秋田あかり

気がつくと隣に居た。
いつも一緒に遊んで、幼稚園からずっと同じクラスで…中学に上がってからはクラブまで同じ…。
当たり前すぎて気がつかなかったけれど、私はどうやら彼が好きらしい。
幼馴染という立ち位置は、居心地が良くて、時に残酷だ。
今日も昼休み、あの馬鹿は私のウインナーを盗み食いして逃げた。
「泥棒!」
「ダイエット手伝ってやったんだよ!」
宿題も私のノートを全写しして提出した。
「ちょっとなにしてんのよ!」
「減るもんじゃねーしいいだろ!」
私達の会話は始終こんな感じ。
クラブ帰りに見上げた空には綺麗なお月さま。
お月さまには本音が言えるのにな。
「素直になってみる?」
お月さまが言った気がした。
渡す渡さないは別にして、今夜は想いを手紙にしてみようかな。
いつもは言えない優しい言葉で。

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