幾千の恋と別れを知るベンチ

幾千の恋と別れを知るベンチ
栃尾奏子
ゲーテの詩集を1人読むのも良し。
高すぎる社内食堂を恨みつつ1人バンを頬張るのも良し。
2人肩を寄せ合い愛を語るのも良し。
家族でお弁当を広げるも良し。
最近は、ヘルパーさんとお年寄りが、お散歩中の一休みを兼ねて腰掛けているのも良く見かける。
「ベンチ」それは浮世の縮図だ。
そして、浮世とは永遠ではないもの。
必ず、出会いは別れとセットだ。
あんなに愛していたのに…。
手塩にかけた子が巣立つ時。
悲しい死別。
ベンチはただ、そこに有るだけだが、今日、この日、このベンチに腰掛けている事が一期一会に思えてならない。

夫に仕事、子育てに川柳、私には煮詰まると腰掛けに行くベンチがある。

ベンチよ、少しだけ、私にあなたが知っているドラマを教えてはくれないか?

若手同人ミニエッセイトップ

10 Comments

  1. 返信
    奏子 2017年1月5日

    郵便局本局勤めの奏子です。
    12月は残業の嵐でコメント返せず申し訳ありません!
    年も明けましたので次回分からはキッチリ返させて頂きます!

  2. 返信
    森山文切 2016年12月26日

    コメントありがとうございます。
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  3. 返信
    山田 2016年12月21日

    初めまして
    ちょっと 詩的な ステキなエッセイ
    確かに ベンチは 一期一会の
    思いがけないアイテムに なりえますね
    ありがとう

    • 返信
      森山文切 2016年12月21日

      コメントありがとうございます。
      今後もステキなエッセイをお届けできるよう担当一同がんばります。

  4. 返信
    くみ 2016年12月20日

    泰子さん 初めまして❗お忙しいとのこと。返信は また お暇なとき…。暇なときなんて無い ?!かもね。
    ベンチねぇ ホント そんな感じ!いろんな事知ってるんでしょうね。
    私の散歩道で 見かけるベンチ。もうどのくらいたつのでしょうか?木製のベンチなので、ボロボロになって…。最初はいろいろな 人が(人達が)憩いの場として 楽しんでいたのでしょうに、管理が 出来なくなって 見向きもされなくなってしまった!ちょっと 悲しい!
    最近 通ったら、「危険!」と 貼り紙が…。貼り紙したなら 早急に片付けるか、したら?と思いましたが、予算もあって 出来ないでしょうね。この句を見て イメージがダブりました。

    • 返信
      森山文切 2016年12月21日

      コメントありがとうございます。
      散歩道のベンチ、ドラマを知りすぎて疲れてしまったのでしょうか・・・。
      張り紙も悲しいですが、なくなったらなくなったでさらに悲しくなりそうです。

  5. 返信
    城水めぐみ 2016年12月17日

    栃尾さん、初めまして。
    同年代の川柳作家さん達がリレーエッセイを始められたということで、とても嬉しい気持ちで拝見しています。

    私は駅のホームのベンチが気になるんです。電車を待ちながらいつも「どんな景色を見ているんだろう」と想像します。

    それでは、これからも楽しみにしています。

    • 返信
      森山文切 2016年12月19日

      コメントありがとうございます。
      奏子さんはいまご多忙のようでコメ返しはないかもしれませんが、リレーエッセイを気長にお楽しみください。

      • 返信
        城水めぐみ 2016年12月20日

        文切さん、コメントありがとうございます。文切さんもお忙しい中いつもお世話になっています。ご無理なさらないように…。

        • 返信
          森山文切 2016年12月21日

          コメントありがとうございます。
          年末年始はみなさん多忙のようですね。沖縄は年末年始という感じがしないのが困ります。観光地なのでどの店も開いてますし。めぐみさんもご自愛くださいね。

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